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自身の“専門性”を作ろう!<読書評>『これからの世界をつくる仲間たちへ』

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ロボットや人工知能(AI)の進歩によって、現在ある人間の仕事の多くが取って替わられるというニュースを度々目にするようになりました。

それじゃ、人間のする仕事はどうなるの?という疑問から本書を手に取りました。

本書では、テクノロジーの進歩によって近未来はこう変わっていく、そのとき人間はコンピュータとどう付き合っていくのかを示唆してくれています。

今回は、『これからの世界をつくる仲間たちへ(落合陽一、小学館)』をご紹介します。

著者は、“現代の魔法使い”とも称されるメディアアーティスト落合陽一さん。

人間とコンピュータの間にあるさまざまな問題解決を目指して、“映像と物質の差をどう踏み越えるか”というテーマで研究されています。つまり“プログラミングとハードウェアを駆使して物理現象をいかに操るか”ということです。

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テクノロジーの進歩により実現される世界

「映像の世紀」であった20世紀と比べて、21世紀に訪れる世界とは?

20世紀はテレビ、映画、アニメなど「映像メディア」の中での表現が中心であり、リアルとバーチャルは区別されていました(「映像の世紀」)。

一方、21世紀では、映像的な表現が「現実の物理空間」で可能になり(=「魔法」)、リアルとバーチャルの境目がなくなります(「魔法の世紀」)。

ここでの「魔法」とは、ハードウェアが見えないようにして描かれるようなユーザー体験が物理世界(現実世界)で行われることを指しています。

テクノロジーによる私たちの生きる世界の広がりや生き方の変革について、次のように表現しています。

いま、世界で皆と同じようなものを消費する「映像的価値観」は消失しました。これからは一人ひとり違うメディアを使ってもいいし、コンピュータと人の「N×N」の組み合わせで無限に価値観が広がる「魔法の世紀」なのです。

 

コンピュータが人間の世界にもたらす変化は、(〜)もっと根源的なレベルで、人間の生き方と考え方に変革を迫るはずです。つまりコンピュータは電化製品ではなく、我々の第二の身体であり、脳であり、そして知的処理を行うもの、タンパク質の遺伝子を持たない集合型の隣人です。

ただ単に「生活が楽になった」「昔より便利になった」という次元にとどまらず、私たちの住む世界のあり方や生き方までが変革を迫られようとしています。

コンピュータになくて人間にあるのは、「モチベーション」

前述したようにリアルとバーチャルの境目がなくなる“魔法化”した世界で、人間はどのように生きていくのでしょうか。

人工知能が人間を超える瞬間「シンギュラリティ(技術的特異点)」が訪れるとすれば、それ以降、ディープラーニングした人工知能によって人間は「使われる」存在となる(“人間が人工知能のインターフェイスとして働く”)のでしょうか。

人間が人工知能の長所を利用して上手く生きていくために、基本的には

「コンピュータには不得意で、人間がやるべきことは何か」を模索することが大事で、

落合さんは、それは「新奇性」や「オリジナリティ」を持つ仕事にあると述べています。

現代のホワイトカラーが担っているような処理能力やスピードの正確性を求める仕事では、人間はコンピュータに太刀打ちできません。

一方、コンピュータになくて人間にあるのは、「モチベーション」です

いまのところ、人間社会をどうしたいのか、何を実現したいのかといったようなモチベーションは、常に人間の側にある。だから、それさえしっかり持ち実装する手法があれば、いまはコンピュータを「使う」側にいられるのです。逆に言えば何かに対する強いモチベーションのない人間は、コンピュータに「使われる」側にしか立てません。

「〜を実現したい」「〜な社会を作りたい」というモチベーションを持って、コンピュータを上手く使うことで、これまでにはなかった問題解決が進む可能性が高まります。

自分のポジションを明確にする問い

テクノロジーがますます発展するこれからの世界で、コンピュータに使われないためには、

独自の専門性を持つスペシャリストになることを提唱しています。

なぜなら、物質としての価値が限りなく低くなり、

その人にしか分からない「暗黙知」や「専門知識」にリソースとしての価値が高まるからです。

暗黙知(コトバンク)

さらに、狭い専門性にとらわれることなく、レンジの広い専門性を身に付けることを薦めています(文中では、これを「変態」と肯定しています)。

これはgoogleで推奨される「H型人間」とも共通するところだと思いました。

H型人間の働き方は、まずは自らの専門性を深める。その専門性を一領域から横に広げていく(複数の専門性を築く)。他部署や他分野の人間とコミュニケーションをとり、協働することで、次々にプロジェクト単位の成果を挙げていくことを指します。

1人の力でできることは限られていますが、複数の専門性を束ねたチームは、より大きな成果を挙げることが期待されます。

専門性を身に付けるには

では、「専門性」はどこから生まれるのでしょうか。

ただ一つの仕事を長くやっていれば身につくのでしょうか。

落合さんは、サーヴェイ(事前調査)が極めて重要だと述べています。

サーヴェイによって、最新の業界や技術の動向、これまでの経緯をおさえ、「文脈」や造詣を作っていくのです。

ここでの「文脈」とはオリジナリティの説明のことで、次の様な問いに答えて、自ら考え抜くことが大切です。

  • それによって誰が幸せになるのか
  • なぜいま、その問題なのか。なぜ先人たちはそれができなかったのか。
  • 過去の何を受け継いでそのアイディアに到達したのか。
  • どこに行けばそれができるのか。
  • 実現のためのスキルは、ほかの人が到達しにくいものか。

他にはない暗黙知や専門知識で勝負していくには、「知っている、経験している」ことに加え、

その問題を深く考え抜く思考の体力(「自分の世界にどう活用できるのか?」)や、

有用性を言語化することで共有可能な価値観にしていくコミュニケーション能力も求められます。

本書を読んで考えたこと

著者はテクノロジーの専門家と聞いていたのですが、

本書の内容を読んで、すごく人間味を感じました。

というのも、

「コンピュータで何かスゴイことをやろう!」から始まるのではなくて、

あくまでも、人間だからこそできることをどう引き出し、高めていくのか。

どのようにテクノロジーと上手く協働していくのか。

世の中にある小さな問題を解決することからクリエイティブな事業を作ろうとしている。

生き方の探求につながる視点(「時間を切り売りしてお金を稼ぐのか」、「自由に使える時間を手に入れるのか」)

が書かれてあったからです。

 

本書を読んで、テクノロジーの進歩によって人間がコンピュータに「使われる」と悲観する必要もありません(緊張感は持ちます!)。

こんな世界を実現したいというモチベーションがあれば、コンピュータを使うことで大きく問題解決に役立つのです。

むしろその可能性は無限に広がるということでしょう。

そのようなワクワクする世界を実現していくために、まずは、自らの暗黙知や専門性をしっかりと磨き抜いていくことです。

うかうかしてはいいられません。

さあ、モチベーション(〜な世界を実現したい!)を明確にし、サーヴェイ(事前調査)から取りかかりましょう!

そう遠くない未来を見据えたうえで、私たちの進むべき行動を示唆してくれる興味深い一冊でした。

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