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読書評:「動的平衡」から,より良い生き方を考える

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『新版 動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか』(福岡伸一)を読んで。​​

 

 「生命は、変わらないために変わり続けている」と聞けば、逆説的にも思えますが、著者はここに生命の本質があると述べています。
普段、私たちの肉体が目に見えて変わっていると感じることは少ないですが、ミクロの視点では日々、体内で細胞を構成するタンパク質の合成と分解が繰り返されています。この「タンパク質の合成と分解のバランス」によって生じている「効果」こそが、“生きているということです。常に新陳代謝しているからこそ、環境の変化に適応できるよう自分自身の状態を調節しているのです。

 

 本書ではダイエットの科学や食品の選び方にも言及されています。昨今では「(スポーツに有利なように体を大きくしようと)沢山のごはんを食べる」「老化による筋力低下を防ぐために肉を食べる」ことが薦められることもあります。ただ摂取した食べものは、一旦、体内ですべてアミノ酸に分解されたうえで吸収され、身体の構成要素として再統合されていきます。食べたものがそのまま身体の構成体になるわけではないのです。さらに人体は、生体内部の秩序を一定に保つ働き「ホメオスタシス」を持ちます。栄養素の過不足に対して柔軟にバランスを保とうとする、バックアップ機能が働きます。そうであれば、意図的な機能の選択(肉を食べれば筋肉がつく。サプリメントで元気が出る)には疑問を感じることもあります。


「アンチ・アンチエイジング」
も興味深い視点です。動的平衡の人生は、「受精の瞬間から始まる、後戻りできない一方向の時間軸」の「流れ」にあるとしています。この流れを意識すると、昨日と同じ自分はありませんし、エイジングに逆らうことも自然ではないのかもしれません。過度にエイジングを恐れたり、若さを保つことに躍起になるのではなく、自然なスピードのエイジングを送る。そのために、老化を加速させるような生活習慣を改めるという意識が、肩の力を抜いて、いまできることに専念できるのではないでしょうか。


*動的平行(
dynamic equilibrium

 分子生物学者の福岡伸一氏は、ルドルフ・シェーンハイマーの提唱した「生命の動的状態(dynamic state)」という概念を拡張し、「生命とは動的平衡(dynamic equilibrium)にある流れである」という概念を呈示しました。


 <動的平衡>から考えることで、より良い健康観や人生観を作るきっかけとなるのではないでしょうか。短期的な変化や即時効果に惑わされることなく、自分自身の体に目を向け、時間の流れに沿っていくこと。
 生命とは何かの問いに貴重な提言を示してくれる一冊で、ご一読をお薦めします。

 

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