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人口減少社会の課題解決がわかる!『日本進化論(落合陽一著)』<書評>

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「ポリテック」という言葉と,その可能性を,本書を読んで初めて知りました!

人口減少,超高齢社会,社会保障の破綻,人手不足など,現代日本が抱える問題を解決する糸口を語った『日本進化論(落合陽一著,SB新書)』をご紹介します.

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まず,テクノロジーを議論するところから始まる

ポリテック(PoliTech)とは,次のように捉えられています.

政治(politics)とテクノロジー(technology)を組み合わせた造語で,「テクノロジーによって何が可能になるか」といった観点を,政治の議論のなかに取り入れていくこと(小泉進次郎氏,20ページより)

日本は世界の各国と比べて,「テクノロジーによって社会課題を解決していこう」という流れに,まだまだ後進的なのですね.

本書を読むと,テクノロジーやAI(人工知能)をうまく利用することで,次のような社会課題の解決の可能性がみえてきます.

  • 「働く」ことの価値観が変わる…「限界費用のゼロ化」「ベーシックインカムの導入」「年功序列・終身雇用の変化」
  • 超高齢社会の課題(高齢ドライバーの事故,第一次産業の人材不足,社会保障財源の不足など)を解決する
  • 子育て問題(核家族化による親の孤立や待機児童)を新たなコミュニティで解決する
  • 日本の教育に多様性をもたせる(自ら課題を見つけ,学ぶ内容や解決策を見つけ出す)
  • well-being(健康で幸福)を実現する手段としてのスポーツの機会を増やす(公共スペースを有効活用できるような政策の整備)

テクノロジーは人や社会とつながっている

テクノロジーやAIと聞くと,「使い方のよく分からない,得たいの知れない技術」「人間の仕事が奪われて,失業する」など,不安からくる誤った先入観が先走りがちです.

しかし,テクノロジーやAIをうまく活用することで,たしかに現代日本が抱えるさまざまな問題を解決する糸口になるのです.

テクノロジーそれ自体は,人間の外側にあるものではなく,人間の身体とつながった相互作用の中にある,いわば生態系みたいなものだと思うのです.

「新しい技術ができたから使ってみよう」ではなく,「今テクノロジーでこんなことができるから,こんな制度の整備が必要です」といった議論,つまり,テクノロジーを外側にあるものとは捉えずに,この社会の一部として理解し,相互作用を高めていくための議論や自由度を残すルールづくりを繰り広げていかなければいけません.(32ページより)

例えば,人材不足が叫ばれる介護分野(2025年までにあと55万人の介護人材を確保する必要がある💦).日本は慌てて外国人労働者を招き入れようとしていますが,言語や習慣の問題などもあり,特効薬にはならないでしょう.

著者はこの分野にも積極的に取り組んでおり,車イスにVA(バーチャルリアリティ)やAIの技術を組み込んだ「Telewheelchair」というものを開発されています.

Telewheelchair – Digital Nature Groupより

通常は車イス一台につき,介護者1人が付き添いますが,これは多忙な介護現場にあって,とても非効率です.Telewheelchairでは自動運転と遠隔操作によって,前方の車イスを追尾して走行したり,危険物を回避したりすることが可能になります.

介護者は,その空いた時間をつかって,人にしかできない仕事(例えば,密なコミュニケーションや,より良いサービスのアイデアなど)に専念することが可能になります.

テクノロジーで人の可能性が拡張される

また筋萎縮性側索硬化症(ALS)という難病を抱えながらも,会社を立ち上げ,クリエイターとして活躍する武藤将胤氏(一般社団法人WITH ALS代表)のコラムにも目を引かれました!

ALSは体を動かす運動神経が変性し,手足を動かしたり,話したりすることができなくなっていく病気で,有効な治療法はまだありません.

しかし武藤氏は,メガネ型のデバイス「JINS MEME」を使って,目の動きだけでさまざまな電子機器をコントロールできるアプリを開発したといいます.武藤氏ご自身もこのアプリを使って,目の動きだけでDJ/VJとして活躍中なのです.

まさに,テクノロジーによって,これまでのハンディキャップがハンディキャップでなくなります.メガネの発明によって,視力の悪いことがハンディキャップでなくなったように.

テクノロジーによって人の可能性が拡張され,「働き方」や「生き方」「幸せなあり方」などが変わっていきます一般の私たちにできることは,テクノロジーを頭から否定したり,毛嫌いしたりせず,その正しい活用法や可能性について,議論を続けていくことなのだと認識しました.

いま日本社会が抱えている問題をどのように解決していけばよいのか,未来の働き方や生活,学び方はどうなっていくのか,に興味がある方には,ぜひ手にとっていただきたい一冊です.

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