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体幹疾患の臨床推論−障害発生プロセスから−

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前回の記事では、姿勢と動作を考えるうえで大切な筋緊張(姿勢緊張)について書きました。

姿勢と動作の成り立ち−筋緊張制御の仕組み−

今回は脊椎・体幹の疾患の発生プロセスとアプローチのポイントについて書きます。臨床推論においては、

「患部に何が起きているのか?」という病態把握に加えて、

「なぜ、そんな病態を引き起こしたのか?」というプロセスの考察をあわせて進めていくのが大切です。

なお本記事の内容は、Spine Dynamics療法研修会アドバンス③で学んだ「姿勢・動作における体幹機能の役割」と「重心コントロール法」のアウトプットです。

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頸部・腰部疾患の臨床推論〜どんな機序で症状を招いたのか?〜

頸部疾患や平衡機能障害に対して

  • 頸部の運動における駆動源は第3胸椎(Th)3〜第1頚椎(C)椎骨であり、固定源は第1仙椎(S)〜Th4椎骨、補助的な固定源は下肢となる。固定源が安定してこそ、駆動源(頭頸部)の適切な運動が成り立つ。

「固定源」と「駆動源」の考え方はこちら
→「“背骨”を動かして健康になる.Part 2(その2):手足の“土台”として安定する」

  • 頸部疾患や平衡機能障害に対するアプローチの考え方は、“駆動源→固定源→全身柔性”となる。

「柔性」についてはこちら
「姿勢・動作に関する二段階制御 -姿勢筋緊張を整え,痛みを解消する-」

  • 頸部局所では、頸部回旋運動を主に担うC1/2椎間関節、機能障害の生じやすいC5/6椎間関節、頭部コントロールに関わる環椎後頭関節が重要。
  • 頭頸部運動のコントロールには、頸部深層筋の精緻な筋収縮による制御が不可欠。それらの筋は胸椎・胸郭から起始しているものがほとんどなので、頸部運動に影響している胸椎・胸郭機能を改善していく。

脊髄

腰痛疾患の臨床推論

  • 腰痛患者では、腰椎の生理的弯曲が変化することが報告されている。その多くは、上位腰椎の前弯が減少し、下位腰椎の前弯が大きくなる
  • 上位腰椎の可動性が低下することで、相補的に下位腰椎の可動性が大きくなる(いわゆる、「過前弯」の状態)。

慢性疼痛患者と健常人における腰椎前弯角度の比較

  • しかも上位腰椎は、より上位(胸椎)からの影響を受けて変化するため、胸椎の可動性を考慮することも不可欠。
  • 体力レベルと腰椎弯曲には相関がある−体力レベルが低下するほど、腰椎弯曲頂点が下降する

 *腰椎弯曲頂点からみた体力評価 ~WBIと自然立位全脊柱側面レントゲン像を用いて~)

  • 体力レベルの高い者は筋の働きによって弯曲を保持できる(=筋性支持)が、体力レベルが低下するほど骨の適合を強めて支持する(=骨性支持)ようになる。つまり弯曲がフラット化し、棘突起が肥大する。これを画像所見から読み解き、身体の力学的環境を推察する。

腰痛患者における腰椎棘突起肥大についての検討

胸椎のフラット化を招く要因

  • 胸椎がフラット化する背景には、習慣的因子による自律神経の活動異常が関わっている。なぜなら胸椎(第1胸髄〜第3腰髄)には、脊柱で唯一、交感神経節が備わっているため。交感神経活動が高まることで、Th1〜L3に支配される筋群の緊張が亢進する
  • Th1〜Th12(肋間神経)に直接的に支配される筋群は、胸郭に付着する呼吸筋がある。呼吸筋の緊張が高まることで胸郭柔軟性が低下する。交感神経の働きによって吸気が優位となり、胸椎は伸展方向で固まっていく。
  • Th1〜L3(脊髄神経後枝)からは二次的に(胸肋関節を介して)、背部筋が支配を受けている。これらの筋群の緊張が高まることで胸椎〜上位胸椎部の柔軟性が低下する。
  • 胸椎〜上位腰椎のフラット化は、隣接する下位頚椎や下位腰椎の機能障害を招くことになる。
プロセス

障害発生のプロセスを全体論的に、かつ還元論的に推論し、真の問題解決につなげます。

障害発生には必ず、患部への非生理的ストレスの集中を招いた「プロセス」があります。

そのプロセスを全体論(演繹法)的に、かつ還元論(帰納法)的に推論していくことで問題解決に近づきます。

臨床推論においては、「仮説立案→評価(客観的)→検証」のサイクルを繰り返しながら、トライ・アンド・エラーを続けることが大切です。

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