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腸は脳よりも賢い⁉︎(2)「脳−腸 連関」の仕組み

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腸内細菌は、私たちのこころとからだの健康において欠かせない働きをしています。

腸は「第2の脳」というサブ的な位置づけには留まらず、もっと積極的に脳と対等な相互関係を構築しています。

脳と腸の密接な関係を、「脳−腸 連関」といいます。

今回は、脳−腸 連関がこころとからだの健康に果たす仕組みをまとめます。

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1。腸から脳へ

1)腸内細菌が脳を育てる

腸内細菌は発達の初期段階において、脳へ影響を与えることが明らかにされています。

腸内細菌を持つマウスと持たないマウス(無菌マウス)で発達の仕方を比べた実験から明らかになりました。

腸内細菌を持つマウスはそのままおとなしい性格に育ちます。一方、無菌マウスは攻撃的な性格になり、危険を伴う行動をみせるようになりました。無菌マウスに対して発達初期に腸内細菌を導入すると、おとなしい性格に育ちました。

これらマウスの脳の変化を調べると、無菌マウスではセロトニンやドーパミンなどの脳内物質の量が少なかったのです。『こころの免疫学(藤田紘一郎)』より要約。

腸内細菌の働きにより、脳内の神経伝達物質の分泌量が変化し、脳の発達や性格形成にまで影響を及ぼすのです。藤田先生は、若者が「キレやすくなった」と言われる背景に、食習慣の変化(動物性食品の摂取量増加、食物繊維摂取量の減少)により腸内細菌の量が減っていることが関係しているのではないかと述べています。

 

2)腸内細菌がストレスを抑える

腸から神経伝達物質の前駆体を脳に送ることで、気分や精神活動にも影響を及ぼします。

「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンやドーパミンも、腸から送られる前駆物質をもとに作られます。さらにセロトニンの合成に必要なビタミンB6やナイアシン、葉酸などのビタミン類を合成しているのも腸内細菌なのです。

つまり腸内環境が悪ければ、これら脳内で分泌される神経伝達物質が減少し、精神状態も悪化してしまうのです。

実際に、気分障害やうつなどの精神疾患、ストレス耐性、情動行動や学習などの脳機能にも関わっているという研究報告があります。

 

腸内細菌はストレス反応を抑えるのにも貢献しています。

*ストレス反応(ストレス応答):ストレッサーに拮抗して体は自律神経の変化(交感神経活動の亢進)や、カテコラミンや副腎皮質ホルモン(コルチゾール)を増加させて対応する(ストレス反応)。身体的・心理的にさまざまな影響が現れる。

無菌マウスでは、ストレス負荷に対して視床下部−下垂体−副腎皮質系(HPA axsis)の活性化により、ストレスホルモン(副腎皮質刺激ホルモンやコルチゾール)の分泌量が増加します。無菌マウスに腸内細菌を導入すると、ストレスホルモンの分泌量が下がっていきます。『こころの免疫学(藤田紘一郎)』より要約。

これより、腸内細菌の働きがストレスホルモンの分泌量を低下させ、免疫反応を高めて生体防御機能を上昇させていると考えられます。

腸内細菌は、食物繊維を餌として増えていきます。

2。脳から腸へ

1)自律神経が腸に働きかける

消化管の運動(蠕動運動)は、自律神経(交感神経と副交感神経)のバランスによって調整されています。

*消化管:口腔から咽頭・食道・胃・小腸・大腸を経て肛門に終わる一条の管で、食物の消化・吸収を行う。蠕動運動(筋肉の収縮運動による、くねらせ、うごめく動き)により、食物塊を次の器官へ送っていく。

副交感神経が優位に働くとき、消化管の運動が盛んになり、食べものの消化・吸収、タンパク質の合成が進みます

一方、交感神経が優位な状態では、消化管の運動は抑えられます。食後すぐに、集中する作業や激しい運動を行うと、交感神経が高まり、消化不良を招いてしまいます。

自律神経の上位中枢(メインコントロールセンターのようなもの)は、脳の視床下部です。視床下部は代謝機能、体温調節機能、心臓血管機能、内分泌機能、性機能などを統合する生命維持の中枢です。脳にストレスがかかり続ければ、全身のさまざまな機能に影響が及ぶことが容易にうかがわれます。

2)不安や緊張が腸内細菌のバランスを崩す

精神的なストレスが加わった状態が長く続くと、自律神経のバランスが崩れて(交感神経の持続的な機能亢進、副交感神経の機能低下)、消化管の運動に影響を与えます

消化管の運動が低下すれば食べたものが消化不良となり、腸内腐敗が進んで、腸内環境が悪化します。

また交感神経活動の亢進により、大腸菌などの悪玉菌が増殖することも明らかになっています。

ストレスに打ち克つにも、腸内環境を整えることから始まります。

まとめ

  • 脳と腸は、神経伝達物質や自律神経を介してお互いの働きに影響を及ぼしあっている。
  • 不安や緊張など精神的なストレスが持続すると、自律神経バランスの変化(交感神経活動の亢進)や腸内細菌叢の変化(大腸菌など悪玉菌の増殖)によって、腸内環境が悪化する。
  • 腸内環境を良好に維持することは、こころとからだの健康においてとても重要。
  • 生活習慣(とくに食習慣やストレスコントロール)が、腸内環境を決めるカギとなる。

あなたも快“腸”で、気分快調に(^^)!

 

腸内環境を整える食事法はコチラ→「“免疫系の暴走”を抑えるのも、食事から!〜食物繊維の役割〜」、「免疫機能を整えるには、まず“食事”から!

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