こころとからだの健康掲示板

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「心」とは?

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本ブログのタイトルにもあげている「こころ」。漠然としていて、広義・狭義にいろいろなニュアンスが考えられていたので、あえて平仮名で表記していました。

「心」は辞書によると、人間の精神作用を統合的に捉えた呼び方、とあります。

哲学者カントは、人間の精神活動の根本として知性と感情と意思をまとめて「知情意」と呼びました。

では人間の精神作用には何があるかというと、脳科学者の松本 元先生は、「知情意」に「記憶と学習」と「意識」を加えて心をとらえています(『心・脳・コンピュータ』)。

さらに前野隆司先生は、人が意識的に行っているよりもはるかに多くの情報処理が無意識に行われていることを取り上げ、「無意識」まで心に含めて捉えています。

そこで本ブログでは、「心」について次の6つの側面から考えていきたいと思います。

・知
・情
・意
・記憶と学習
・意識
・無意識

次に6つの働きについて、それぞれ区分していきます。

  • [intellect]:(意思、感情に対して)知性、知力、理知。見たり聞いたりしたものについて頭で考える作用。
  • [emotion]:(理性、意思に対して)感情、情動、情緒。
  • [volition]:意志作用、意欲、決意。決断し、行動に移す力。

知情意の領域

これら「知」「情」「意」がバランスよく働くことが、人間社会をうまく渡っていくうえで重要です。夏目漱石は、人間社会における知情意の大切さを、次の言葉で逆説的に語っていると思われます。

「山路を登りながら、こう考えた。 知に働けば角が立つ。情に棹させば流される。 意地を通せば窮屈だ。とかく人の世は住みにくい。」(『草枕』より)

そこで「知情意」をうまく働かせるに欠かせないのが、「記憶と学習」です。

  • 記憶[memory]:覚えること。記憶力、記憶容量、追憶。記憶には、文章や記号で表せられる(宣言できる)「宣言的記憶」と、日記や辞書には表せられない(宣言できない)「非宣言的記憶」がある。

    宣言的記憶
    はさらに、「エピソード記憶」と「意味記憶」に分けられる。
    ・エピソード記憶:日記のようなもの。自分がいつ、何をしたのかというエピソードを時系列で覚えていること。
    ・意味記憶:辞書のようなもの。モノやコトの意味を定義として覚えていること。

 一方、非宣言的記憶は、いわゆる“体で覚えている”ということ。練習して自転車に乗れるようになったり、スピーチや資料作成に長けるようになったりすること。非宣言的記憶には、神経科学でいう脳内の「内部モデル」が関わっている。内部モデルとは、さまざまな状況下で、「〜な場合には・・・する」といった行動や運動のやり方を、脳内の神経回路網にモデルという形で表現し蓄積しておく。

  • 学習[learning]:記憶しているものをより良いものに更新していく働き。人は、フィードバック誤差学習によって、より良い動きや知性を獲得していく。内部モデルに基づいてとった行動と、その結果のズレ(誤差)を自らフィードバックすることで、必要な機能や知識をバーションアップしていく。

「知情情」と「記憶と学習」までは、コンピュータやロボットでも多かれ少なかれ行っています。むしろ膨大な情報(ビッグデータ)を分析して、そこにある法則を見つけ出すような処理では、人はコンピュータにかないません。しかし、現在のところコンピュータは、「意識」を有してはいません。モチベーションは、人の側にあるのです。

  • 意識:モノやコトに注意を向ける働き[awareness]と、自分は私であると認識できる自己意識[self consciousness]を合わせたもの。

*「意識」がなぜ生じるのか、どのような仕組みになっているのか詳細は、コチラもご参照ください。→<読書評>『脳はなぜ「心」を作ったのか ー「私」の謎を解く受動意識仮説』

意識には生き生きとした質感(クオリアqualia)が伴います。

クオリアは、五感から入ってきた情報と、自己意識のように心の内側から湧き出てきた情報を、ありありと感じる働きです。これが自分の意識だ、と実感しているものです。

例えば、春の桜を見ている自分を想像してみてください。桜に心が動かされるのは、ただ花の色を見ているだけではなくて、桜にまつわるこれまでの経験(入学、卒業、出会いと別れなど)や感情が結びつき、自分が“ありありと感じている”からではないでしょうか。

その感じ方の質感は、個人個人の生き様で異なるものです。コンピュータには真似できない、自分らしさと言えるかもしれません。

  • 無意識[unconsciousness]:私たちが「意識」する以上にさまざまなことを「無意識」に行っている。「無意識」にやっていることは、“意識しようとすれば「意識」に上るもの”と“どうやっても「無意識」にやっている”ことに分けられる。例えば、ペンを持つ手に「意識」を向けることはできるが、眼の焦点を合わせる筋肉の収縮に「意識」を向けることはできない。

無意識」は、脳が創造性を発揮するためにも重要です。脳科学者 茂木健一郎先生は次のように述べています。

無意識の役割を考慮に入れ始めた途端に、人間の認知過程に論理的操作の世界では閉じない要素が現れてくる。私たちの無意識は、意識の論理の世界からは予想できない、さまざまなものをもたらす源泉になっているのである。(『脳と想像性 「この私」というクオリアへ』より)

無意識の働きによって、脳と外部環境とが交わります。外部からは、意識下の情報処理に加えてさまざまなノイズが混入し、この「外部性」こそが脳が創造的であるために重要なのです。

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結びに

本ブログで中心の話題としてきた「心」について、脳内での働きを中心に整理しました。

とらえどころのない漠然とした対象を整理することで、それぞれの働き(知情意、記憶と学習、意識と無意識)の理解を深められます。

そのように「心」の働きを知ることは、“より良く生きる”のに役立つと考えます。

例えば、人の行動選択の根拠には、脳内での快楽物質ドーパミン放出が強く関わっています。ではドーパミン放出が増加するのは、どんなときなのか。不確実性(報酬を得られる確率がハーフハーフ)が快楽のカギだったりします。そこには種の保存における生存戦略が関係していて。。。

つまり、自分が考えたり、感じたり、行動したりしている背景にあるシステムを理解することは、心を落ち着けたり、問題に対処したり、夢を実現したりするあなたに近づくのではないでしょうか。

 

これからも本ブログでは、より良く生きる(こころとからだの健康を維持する)ためのに役立つ情報をお届けできるよう努めます。

いつも温かい励ましをいただき、ありがとうございます。

 

【参考】

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