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【押しつけてはダメ】リハビリ患者を行動変容へ導く会話術−LEARNのアプローチ−

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リハビリ場面では、患者さんにやってほしい行動・止めてほしい行動があるのに、なかなか思ったように伝わらないことがありますよね。

自主トレや生活習慣など、相手のことを思って言っているのに、なかなか実践してくれない歯がゆさ…

こちらの意図することを患者さんにきちんと伝え、しかも険悪な雰囲気にならない解決策があります。

今回は、患者さんに療法士の意図を伝え、行動変容に導く会話術をご紹介します。

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行動変容へ導く会話の5段階〜「LEARNのアプローチ」〜

5つのステップ

押しつけではなく、5つのステップを踏んで行動変容へ導きましょう。

患者さんを行動変容へ導く会話術として、「LEARNのアプローチ」があります。

LEARNのアプローチは、BerlinとFowkes*1が提唱した医療民族学的方法論であり、自分とは異なる考え方や価値観をもつ相手に行動変容が必要な場合、どのように話したらよいのかを説明したもの。

L・E・A・R・Nの頭文字をとった5つのステップを踏まえることにより、いわゆる押しつけを避け、より効果的に患者の行動変容を促すことが可能*2となります。

*1 Berlin EA, Fowkes WC.A Teaching Framework for Cross-cultural Health Care—Application in Family Practice. West J Med.139 : 934-8,1983.
*2 松下 明:LEARNのアプローチとストライクゾーンを見極める意義.週間医学界新聞2882:2010.

☆「行動変容」について詳しくはこちら→「行動変容」のステージモデルをリハビリに生かす

 

以下に5つのステップについて、それぞれ見ていきます。

Listen(傾聴)

まずは相手を知りましょう。

療法士の観点で必要と思われる知識や方法を、いきなり患者さんに伝えても、実行してくれることはほぼ皆無。

まずは病気や障がいに対して、患者さん自身がどう考えているのか、どんな希望をもっているのかを明らかにする必要があります。

患者さんのことをよく知るために大事なのは、傾聴。

医学情報だけでなく、どんな経過をたどってきたのか、患者さんが語る「物語」に耳を傾けましょう。

Explain(説明)

共通言語でしゃべりましょう。

次に、患者さんが抱えている病気や障がいにどう対処するのが最も良いとみなされているかを医学的見地、療法士の観点から説明します。

このとき専門用語を使わずに,わかりやすい言葉で最小限の情報についてのみ説明するのがポイント。

相手の反応を見て、理解度を確認しながら、順を追って説明します。

Acknowledge(相違の明確化)

同じ土俵に立ったか確認しましょう。

「傾聴」と「説明」をふまえて、患者さんの考えている病気や障がいへの認識や希望と、医学的に正しいとされることの間での相違点/類似点を明らかにします。

そして、そこから生まれる疑問や問題点を話し合っていきます。

このとき、患者さんの感情面に配慮しながら行うのがポイント。

“共感”しながら、患者さんと療法士との間にある、認識の違いを把握します。

Recommend(推奨)

患者さんに合ったプランを勧めましょう。

お互いの相違点や類似点を踏まえたうえで、この患者さんにとって最も良いと考えられる方法を提案します。

提案は、決して療法士の押しつけではありません。

患者さんの置かれた心理社会的な状況も含めて、相手の立場や考え方に合わせて伝えることが重要。

この提案は、必ずしも医学的観点からはベストではない場合もあることに注意が必要です。

例えば、「高校生活最後の試合だから、テーピングをしてでも出たい!」という場面では、患者の希望と医学的なリスク管理とのせめぎ合い。

Negociate(交渉)

ケンカせずに患者さんをいかに支援できるか考えましょう。

どうしても、療法士の提案が患者さんにとって実行不可能と思えるときには、倫理的規範を乱さない程度の妥協をして、患者が実行可能な目標について話し合います。

たとえそれが次善の策であっても、粘り強く少しずつでも改善できるように援助。

例えば、「毎日30分のウォーキング時間をとるのが難しい」のであれば、昼食後には階段をつかってオフィスに戻ることを提案するなど、患者さんができる案を模索します。

むすびに

行動変容

行動変容ついて知ると、患者さんのより良い生き方へ貢献できます。

いかがだったでしょうか?

療法士が患者さんに望むことを伝え(しかも押しつけることなく)、行動変容へ導く話し方として、「LEARNのアプローチ」をご紹介しました。

ぜひ臨床現場での患者対応にお役立ていただければ嬉しいです。

 

*本記事は、PT・OTのための これで安心 コミュニケーション実践ガイド 第2版を参考にしています。コミュニケーションの基本的なスキルから、医療現場での活用事例など、療法士にとって患者との意思疎通に役立つ内容です。実習生にむけても、やさしく解説。

関連記事:リハビリに役立つ会話術

 

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