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“免疫系の暴走”を抑えるのも,食事から!〜食物繊維の役割〜

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“免疫系の暴走”を抑えるのも,食事から!〜食物繊維の役割〜
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これまでのブログで,体外の侵入者(病原菌)から身を守る「免疫系」の仕組み免疫機能を高める食事法について書いてきました.

免疫機能は強ければ強いほど良い,というわけではありません.時に免疫細胞の暴走が起きることがあります.

自己と非自己を選別して,非自己を無毒化し排除するのが本来の免疫細胞の役割です.

しかし本来無害であるはずの物質や,自分自身に対してまで異物とみなし,攻撃してしまうのです.

これが自己免疫疾患アレルギーと関係しています.

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免疫細胞の暴走に関わる腸内細菌の異常

自己免疫疾患患者にみられた腸内細菌の異常

免疫細胞が暴走する背景に,腸内細菌の異常が生じている場合があります.

免疫の異常が原因で生じた疾患患者に共通して,ある腸内細菌の種類が激減していたのです.

激減していた腸内細菌は,“クロストリジウム菌”の種類です.

本来,暴走した免疫細胞を抑えるのは,通称“Tレグ”,制御性T細胞の役割です.

このTレグは,クロストリジウム菌によって作られます.

しかしクロストリジウム菌が激減した腸内環境では,Tレグが充分に作られず,免疫細胞の暴走を抑えきらなくなります

その結果,強いアレルギー反応や自己免疫疾患の発症につながる可能性があります.

クロストリジウム菌を増やすためには,その餌となるものを食事から摂ることが重要です.

食物繊維を摂って腸内細菌を増やす

クロストリジウム菌などの腸内細菌の餌となるのが,そう,「食物線維」なのです!

クロストリジウム菌などの腸内細菌は食物繊維を餌として取り入れ,「酪酸」を放出します.放出された酪酸は,腸壁を通り抜けて免疫細胞に受け渡されます.酪酸を受け取った免疫細胞は,Tレグへと変化し,免疫機能を適切に制御する(免疫系の暴走を抑える)よう働きます.

つまり免疫機能の制御において,食事は重要なカギであるといえます.

伝統的な日本食は,野菜や海藻類,豆類など食物繊維を豊富に含まれています.そのため日本人は,酪酸などの免疫をコントロールする物質の放出能力は海外の人と比べても高いそうです.この利点を有効活用しない手はありませんね.

 

ちなみに,ダイエットにも食物繊維は有効です! 食物繊維,とくに「水溶性食物繊維」を腸内細菌が分解する際に,「短鎖脂肪酸」が生じます.短鎖脂肪酸は脂肪細胞に働いて脂肪の蓄積を防ぐとともに,交感神経を刺激してエネルギー代謝を向上させます.水溶性食物繊維は,ひじきやワカメ,海苔などの海藻類に豊富に含まれています.

自律神経と免疫機能の絶妙な関係

ここで疑問が生じます.私は「交感神経→免疫機能低下」と認識していたからです.

一般に,交感神経が優位に高くなるとリンパ球の働きが抑制され(リンパ球がリンパ節内に留まり),抗原抗体反応などの獲得免疫機能は低下するとされます.副交感神経の働きが高くなると,リンパ球が活性化し,獲得免疫機能が高まります.

一方で,交感神経の働きが高くなると,好中球など食細胞の働きは活発になり,病原体を直接殺傷する自然免疫機能が高まるものと考えられます.

問題なのは,ストレスや緊張,生活習慣の影響で交感神経ばかりが過剰に高くなり,対応する副交感神経が低下している事態です.交感神経ばかり過剰に高い事態が続くと,おそらく免疫機能も抑制されると考えられます.交感神経と副交感神経は対立構造ではなくて,両者が高いベースラインを保っていれば,免疫系も理想の状態を保持しやすいのです.

食物繊維の摂取量基準は,18〜69歳の男性で20g,女性で18gとされていますが,すべての年代で摂取目標値を満たしていません(平成28年年国民健康栄養調査より).取り過ぎよりも,不足を気にするほうがよいでしょう.

食物繊維

日本人の食物繊維摂取量は,すべての年代で摂取目標量を満たしていません.

まとめ

強いアレルギー反応や自己免疫疾患の発症に,腸内細菌の異常が生じている可能性を取り上げました.Tレグ(制御性T細胞)は,免疫系が適切に,良い按配で機能するよう調整します.

食物繊維を積極的に摂ることで,Tレグを作るクロストリジウム菌などの腸内細菌を増やすことができます.伝統的な日本食は,野菜や海藻類,豆類などが中心で,食物繊維を摂るのに優れています. 

腸内細菌を増やして免疫細胞を働かせるのも食物繊維なら,働き過ぎ(暴走)を抑えるのも,また食物繊維なのですね. 

 

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