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代謝を上げて冷え症を改善する3つのポイント

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「靴下は二枚重ね」,「冬になると霜焼けがつらい」など,冷え症に悩む方は少なくないと思います.

身体が冷えるのには理由があり,やみくもに温めればよいというわけでもありません.身体の体温調節の仕組みを知っていると,正しい冷え症の対策がわかります.


体温調節に関わるのは間脳の視床下部であり,視床下部は“自律神経の最高中枢”ともいわれます.視床下部からの指令によって,自律性体温調節反応」行動性体温調節反応」がおこなわれます.

自律性体温調節反応は,おもに自律神経が支配している臓器や器官の働きによって体温を調節しようとする反応であり,無意識のうちにおこなわれています.

一方,行動性体温調節反応は体温調節を目的とした意識的な反応のことをいいます.例えば,「寒いのでコートを羽織る」,「暑いので冷房のスイッチを入れる」などがあります.

今回は,自律性体温調節反応に関わる「代謝」の点から,冷え症対策をご紹介します.

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体温の調節は3つの過程で考える

川嶋 朗先生(東京有明医療大学保健医療学部鍼灸学科教授)によると,体温を保つのは「熱を作る」「熱を運ぶ」「熱をキープする」という3つの機能から成り立つといいます.

今回は,この3つの過程を参考にした,冷え症解消につながる生活習慣をご紹介していきます.

熱を作る

熱を作るのは,主に細胞内にあるミトコンドリアという器官です.全身のミトコンドリアの70%は骨格筋内に存在します.筋肉が収縮する際にはATPが使われますが,その化学反応の副産物として熱が発生します.“ふるえ”は,骨格筋による積極的な熱を産生しようとする働きです.

つまり積極的に身体を動かすことで,体温を保つ働きが高まるのです.さらに,大きな筋肉が存在する体幹や下半身などを使った運動(ウォーキングやスクワット,イスの立ち座りなど)であればより効果的です.

エクササイズ

体内で熱を作る働きをするののは,骨格筋の他にもう一つ,「褐色脂肪細胞」があります.皮下脂肪や内臓脂肪は「白色脂肪細胞」と呼ばれ,エネルギーを蓄えるのが仕事です.一方,褐色脂肪細胞は糖質や脂質を取り込んで熱を作ります.

褐色脂肪細胞は赤ちゃんのときにもっとも多く存在し,加齢とともに減少,とくに40歳以降で著しく減少するといわれます.数は少なくなりますが,残された褐色脂肪細胞を活性化,つまりパワーアップさせることが可能です.太りにくい体質の人は褐色脂肪細胞の働きが活発だともいわれます.

褐色脂肪細胞を活性化させるのは,“寒さ”の刺激です.褐色脂肪細胞は体温低下を防ぐのが役割なので,寒さによって熱を作る働きが高まるのです.終日寒いところで過ごせというわけではありませんが,いつでも温かすぎる環境にいるのも,身体本来の機能を弱めてしまうかもしれません.適度な薄着で,こまめに身体を動かしましょう.

タンパク質

褐色脂肪細胞は食事誘発性熱産生にも関わっているのではないかと考えられています.食事誘発性熱産生とは,食事した際の咀嚼や胃腸の運動,消化と吸収などの反応によって熱が生まれるものです.三大栄養素のうちでは,「タンパク質」の消化・吸収が最もエネルギーを必要とします.その他に,辛いものお魚の油(EPA,DHA)コーヒー(カフェイン)緑茶(茶カテキン)なども褐色脂肪細胞を活性化させるのに役立つといわれます.

そして運動です.褐色脂肪細胞は首の付け根や肩甲骨の周り,背骨の周りに多く存在します.そこで,肩甲骨や背骨を積極的に動かしていくことで,褐色脂肪細胞を活性化させる可能性があると期待されています.

*背骨や肩甲骨を気持ち良く動かせる方法はコチラに[動画]でご紹介しています→「布団に入っても眠られない」ときにやりたい対処法ー入眠障害の改善にー

熱を運ぶ

そもそも熱は,体内でのあらゆる化学反応,つまり代謝の過程で生み出されます.正常な代謝を進めるには,酸素と栄養素が供給される必要がありますが,それらを供給するのは血液の働きです.つまり十分な血液が手足の末端まで運ばれてこそ,代謝が促されていきます.

さらさら血管

血管は広がったり(拡張),縮まったり(収縮)しながら血流量を調整しており,この血管の動きを支配するのが自律神経です.とくに全身の血管に張りめぐらされた交感神経の活動が高まると,血管が収縮し血圧が上がります.

もし交感神経の活動が高ぶった状態が続けば,手足末端へ運ばれる血液量が減少し,末端冷え症につながります.身体のすみずみまで熱を運ぶためには,自律神経の機能(交感神経と副交感神経のバランス)が正常に保たれていることが大事なのです.

*あなたの自律神経のタイプを知り,健康につなげる方法はコチラもご参考ください→心と体を守る自律神経の働き−4つのタイプと生活習慣

熱をキープする

体温を一定に保つのも自律神経の働きです.体内深部の体温が上がると汗をかいて熱を発散し,深部体温が下がると手足末端の血管を収縮させて熱を逃がさないように調節しています.

しかし現代社会では,エアコンの普及や運動不足によって,本来の身体に備わる体温調節機能が鈍くなりがちです.ふだんの生活から,しっかりと体温調節する機能を鍛えておく必要があります.体温調節する機能を鍛えるには,次のような方法があります.

  • 暖房の設定温度を上げすぎない.推奨される設定温度は20度.
  • お風呂にゆっくりつかる.額からじんわり汗をかくのが,身体の奥まで温まったサイン.
  • 運動で筋肉を動かす.筋肉の収縮によって熱を生みだし,発汗を促す.
  • 呼吸法で自律神経のバランスを整える.「1対2(ワンツー)呼吸法」は,副交感神経の働きを高めるのに効果的.

結びに

体温を保つ働きについて,「熱を作る」「熱を運ぶ」「熱をキープする」という3つの過程ごとに,その方法をご紹介しました.

一定の体温は,体内でのあらゆる化学反応(代謝)や免疫機能が正常に機能するための土台となります.私たちの身体には本来,適温を保とうとする機能が備わっています.運動不足やストレス,いつでもエアコンの効いた環境にいることで,その機能が弱くなってしまいます.

冷え症という結果として現れた症状に対して,「もしかしたら身体本来の機能がピンチなのかな?」と考え,ふだんの過ごし方に目を向けてみることも必要ではないでしょうか.体温が最適に保たれる仕組みを知って,正しい“温活”を実践していただければ幸いです.

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