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【膝の痛み】病院で行うリハビリの流れを、理学療法士が解説します!

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【膝の痛み】病院で行うリハビリの流れを、理学療法士が解説します!
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今回は、「膝が痛くて、病院を受診し、リハビリを行うことになった」場合の流れを、リハビリ専門職である理学療法士の視点から解説します。

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「膝が痛い」となったら、まず整形外科を受診しましょう

「膝の痛み」で困るという方は、こんな状態で始まることが多いです。

  • イスや床からの立ち座りに違和感を感じるようになった
  • 歩き始めが痛い
  • 坂道を上るのに苦労する
  • 正座をするのが難しくなった
  • いつも以上に歩いたり作業したりした後に、ひどい筋肉痛のような状態になった など

そうしているうちに、「夜も疼いて、眠れない」ほど痛みが強くなる場合もあります。夜も眠れないほどの痛み、24時間持続するような痛みは、関節の中で「炎症」が起きている状態です。炎症とは、関節をつくる組織に損傷が起きて充血している、いわば火事が起きているような状態です。

炎症は、傷ついた組織を治癒させようとする生体の防衛反応ですが、できればひどい痛みは回避したいもの。

ですので上記のような違和感を感じて、2週間経っても状態が変わらなければ、早めに病院を受診しましょう。

病院を受診しようと思ったら、まずは「整形外科」を標榜しているところを探します

整形外科とは、おもに運動器−骨、筋肉(筋膜、腱)、靭帯、神経系など−の病変やケガを扱う診療科です。具体的な病気やケガには、関節痛や打撲、ムチ打ち、骨折、脱臼、神経損傷、スポーツ外傷、骨粗鬆症、側弯症などがあります。

整形外科での流れ

医師の診察

医師

 

 

 

 

整形外科を受診すると、まずは医師(整形外科医)の診察があります。

ここでは、あらかじめ書いておいた問診票をもとに、現病歴(現在のケガや痛みの状態、痛くなった経緯)、既往歴(これまでのケガや事故、病気の経験)を確認し、必要な検査や治療の方針を決めていきます。

レントゲン画像の撮影

レントゲン画像

 

 

 

 

 

その後、レントゲン画像の撮影があります。レントゲン画像では、おもに骨や関節に異常がないかを判断します。つまり骨折や脱臼、骨壊死といった構造的な問題がないかを鑑別します。

中高齢者に多い関節痛では、骨の辺縁部に「骨棘(こつきょく)」がみられ、関節の可動範囲を制限している場合もあります。

骨折や脱臼といった構造的な問題がなければ、アライメント(骨の配列)を評価します。例えば、膝のO脚、背骨の弯曲(わんきょく)、骨盤の傾きなどです。

また、よく耳にする「軟骨がすり減って」いる状態は、「関節の隙間がどれくらい残っているか」から推し量ることができます。

医師の診察、リハビリの指示

レントゲン画像やいくつかの検査結果をもとに、医師が診断します。

診断とは病状を判断し(診断名がつけられる)、治療方針を決ます。

中高齢者で膝の痛みを訴える場合、ヒアルロン酸の関節注射を行うこともあります。

骨折や脱臼などの構造的問題がなく、保存的に(手術をしない)治療していけると判断されれば、リハビリテーションの指示がなされます。厳密には、「医学的リハビリテーション」です。

リハビリの流れ

ここでいう「リハビリ」とは、正確には「理学療法」、あるいは「作業療法」を指しています。

「リハビリテーション」とは、“何らかの障がいをもった方が、可能な限りもとの社会生活を取り戻す”ためのあらゆる手段をいいます。

そのための手段の一つとして、「理学療法」や「作業療法」があります。

「理学療法」という手段を用いて、「医学的リハビリテーション」を進める。

*リハビリテーションとは何ぞや!?という方はこちら→【自分らしく生きる】“リハビリ”は、単なる運動やマッサージではない!リハビリテーションの真意を解説。

医師の指示にもとづきリハビリを行うことになります。

多くの病院では診察室とは別に、「リハビリテーション室」が設けられており、こちらへ移動します。

リハビリテーション室では、理学療法士や作業療法士が対応することになります。

理学療法士による問診(医療面接)

ここまでに行ったレントゲン画像や医師診察の情報は、カルテとしてリハビリ室へ伝えられています。

その事前情報をもとに、再度、理学療法士が対面し、お話をお伺いします(医療面接)。

(・・? え、また話すの? と思われるかもしれません。

医師と理学療法士とでは、お話しする目的や内容が異なります。

医師の診察では、患部(痛みを出している部位)に起きている病変やリスクを確定させるために行われます。

一方、理学療法士とのお話しでは、発症に至った原因を深掘りしていきます。

  • いつから、どのように、痛みが出てきたのか
  • 痛みの質、程度
  • 発症初期からの変化
  • 一日のうちで症状の変動はあるか
  • 症状が軽くなるのは、どんなとき(動き)か
  • 症状が強くなるのは、どんなとき(動き)か
  • 現在、具体的に(日常生活動作や仕事、趣味など)困っていること
  • 家族や生活状況
  • 仕事や趣味活動の内容によって、患部に無理をかけていないか
  • 患部以外で気になっている箇所はないか  など

そして本人と理学療法士とで「目標(ゴール)」を共有していきます。

ゴールとは、「いつまでに、どのような状態でありたいのか」をいいます。できるだけ具体的であったほうが、治療にも取り組みやすいと思います。

理学療法士の立場からみれば、この最初の面接は極めて重要です。

面接の結果で、病変の治癒過程や発症に至ったプロセスを推察します。そこから、どうやって改善していこうかという道スジを立てていきます。

さらに
“現在の症状について、本人はどのように認識しているのか?”
“症状を改善し、ゴールを達成するために、本人は前向きに努力しようとしているか?(あるいは依存的か)”
“家族や職場の協力体制はどうか?”
など、
本人の心理面や社会的背景までをも推察しようとしています。

面接で探っていくのは、マイナス面ばかりではありません。

「できることは何か」「症状が治癒に向かっている時期」「本人や家族が治療に前向き」など、ポジティブな面もチェックしています。

状態評価

理学療法士

次に、本人に動いてもらいながら、あるいは理学療法士が体を動かしながら、状態を確認していきます。

理学療法士による状態評価では、患部の評価に加え、全身の評価も行います。

なぜなら膝の痛みの多くは、膝関節そのものが悪さをしたわけではないからです。

全身のつながりやふだんの生活習慣が積み重なり、“結果的に”膝に無理をさせたケースが圧倒的に多いと感じています。

具体的には次のような項目をチェックしていきます。

  • どんな動きで痛いのか?
  • どんな動きは痛くないのか?
  • どの程度関節を動かせるか(関節可動域)?
  • 筋力を正常に発揮できているか?
  • バランスよく立てているか?
  • 歩行能力はどの程度か(速さ、持久力、歩き方は)?
  • 日常生活動作のクセはないか?
  • 十分な筋肉量をもっているか(肥満ではないか)?

理学療法士による状態評価では、その現象が「原因」なのか、「結果」なのかを探っています。

つまり、「関節が曲がらない」から、悪い とは限りません。

同じように、「O脚だ」 から、悪い とも限りません。

必ず、そうなった原因やプロセスがあります。

その原因やプロセスを改善していくことが、真の根治療法につながります。

理学療法のアプローチ

歩行

面接と状態評価によって、患部に何が起きているのか、どんなプロセスで痛みを招いたのかが明らかにされます。

その結果、理学療法のアプローチが実施されます。

(・・? 理学療法って何するの? と思われるでしょう。

そもそも理学療法とは、次のように定義されています。

身体に障害のある者に対し、主としてその基本的動作能力の回復を図るため、治療体操その他の運動を行なわせ、及び電気刺激、マッサージ、温熱その他の物理的手段を加えることをいう。 (理学療法士及び作業療法士法 第2条 より)

つまり病気やケガ、加齢、障がいなどによって、その人にとって支障をきたしている動作能力を回復するために、運動や徒手療法、物理療法(電気刺激、超音波、温熱・寒冷など)を行っていきます。

あくまで目的は、動作能力の回復にあります。

基本動作には、寝返る、起き上がる、座る、立ち上がる、歩くなどがあります。

そして動作能力の回復は、日常生活の改善−食事を摂る、トイレに行く、着替える、入浴する、外出する、階段を使う−

そして「生活の質(QOL)」の向上へとつながっていきます。

より動きやすい体に整えるために、徒手療法(理学療法士の手を用いて、筋肉や関節を操作する)や電気治療が補助的に用いられます。

ただその効果を持続させるには、自主トレーニングや生活習慣の改善、環境調整などを並行していきます。

そう、リハビリテーションには、本人の自発的な参加が必要不可欠なのです!!

動作能力を回復するには、本人が動いていく(運動療法)のが大事!

そのために徒手療法物理療法をもちいて、「動きやすい関節、体のコンディション」に整えます。

病院の選び方

ここまで、「膝が痛い」となったときの病院受診からリハビリまでの流れをご説明しました。

では、いざあなたやご家族がそのような状態になったとき、どのように病院を選んだらいいのでしょうか。

まずは、整形外科・リハビリテーション科を標榜しており、理学療法士や作業療法士などのリハビリ専門職がいる病院を選んでいただくのをオススメします。

リハビリ専門職がいるかどうかは、ほとんど病院のホームページやパンフレットなどで知ることができます。

そしてリハビリの場面では、医師や理学療法士から次のような事項について説明を受けるのが大事です。

  • 病態…患部に何が起きているか
  • 症状の機序…なぜ(どんな理由で)痛いのか
  • 治療にどのくらいの期間が必要か
  • どんな治療方針(選択肢)があるのか
  • あなたはどんな治療方針を望むか
  • 治療の目指すところ(ゴール)
  •  日常生活での注意点
  • 生活習慣の改善点  など

このような事項についてきちんと説明してくれるならば、ある程度信頼して任せられるでしょう。

 

膝の痛みは体重からの影響も大きいので、減量も有効な治療法とされています。

【合わせて読みたい】

こちら↓を合わせてお読みいただくと、「リハビリテーション」の真意をご理解いただけます。

【自分らしく生きる】“リハビリ”は、単なる運動やマッサージではない!リハビリテーションの真意を解説。

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