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姿勢と動作の成り立ち−筋緊張制御の仕組み−

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いかなる動作も姿勢制御が先行しており、適切な姿勢制御がなされなければ効率的な動作遂行はできません。

そんな姿勢制御に関する重要なルールがあります。

Spine Dynamics療法研修会アドバンス③で学んだ「姿勢・動作における体幹機能の役割」と「重心コントロール法」についてアウトプットします。

姿勢制御の工学的イメージ

姿勢には「位置」と「方向」があり、ベクトルで表されます。目的動作を成立させるためには、視覚を対象物へ向けさせ、身体全体の「向き」を制御する必要があります。

そのためには[身体各セグメントの質量中心]と[身体重心(重心線)]との位置関係をコントロールすることがカギになります。各セグメントが重心線から離れていくほど関節にかかるモーメントが大きくなり、関節負担が増すことになります。

フィギュアスケート

体幹の運動においては、頭部を重心線近くに維持できるかどうかが大切です。

例えば、フィギュアスケートのジャンプをイメージしてみます。頭部の位置によって視線を目標方向へ向け、頭部や四肢を重心線に近づけることで慣性力を小さくし、高速の回転を生み出しています。

姿勢制御ループ

脳

ひとの姿勢制御と動作遂行のシステムは、現実世界を脳がどうとらえて、司令を送り、フィードバックを得るかということに集約されます。

五感を使ってさまざまな情報が脳内に入ってきます。バラバラに入ってくる情報(多義的な情報)は感覚野で統合され、外界を正確に認識します。感覚野でつくられた外界の認識をもとに、運動野運動予測が立てられます。

運動器でみると、次のような機序です。

  1. 受容器(タイプⅠ〜Ⅳレセプター)から身体の位置や向き、平衡感覚などの情報が入力される
  2. その情報にもとづき、感覚野で精緻なボディイメージが描かれる
  3. 精緻なボディイメージにもとづき、運動野運動プログラムが発動する

運動野での運動プログラムは、現在の姿勢から目的の姿勢へ移行するための筋緊張制御を担います。これは重心補正プログラム随意運動プログラムの2段階で制御されます。

筋収縮によって関節運動(姿勢の変化)が遂行されます。運動の結果は感覚野へフィードバックされ、運動予測が修正されます。そうしたループによって姿勢変化の連続(=動作)が成り立ちます。

筋緊張と姿勢との関係

ひとが重力環境下で姿勢を保持し、動作を遂行するためには、全身の筋緊張を刻々と変化させる必要があります。そうした姿勢を保持するための筋緊張は姿勢緊張(postural tone)とよばれます。

目的とする動作をスムースに遂行するためには、筋の収縮状態を自在に変化させられるように、姿勢緊張に幅があることが必要条件です。姿勢緊張に異常をきたした状態では、正常な動作の遂行ができません。

ジャイロ剛性と空間固定力

自転回転する物体において、回転が高速であるほど安定性が高まります(=ジャイロ効果)。身体のあらゆる関節運動もまさしく回転運動によって安定性(剛性)を高めています。

とくに歩行は、上下のユニット(ロコモーター、パッセンジャー)が逆回転する二重スピン方式によって成り立ちます。

つまり動きに適した身体環境として効率よく回転トルクを生み出せること(運動エネルギーの生成)が大切であり、これはの働きによってなされます。

Head Control

ひとの動作が回転によってなされるとすれば、そこに慣性力というストレスが加わります。重要な臓器(脳や心血管系)への慣性力を最小限にするために、頭部や体幹の重心コントロールすることが欠かせません。

また視覚を対象物へ向けさせるためにも、頭部の空間位置を制御する必要があります。

脊柱筋機能(巧緻性)特性

四肢や体幹の筋には、巧緻性機能に次のような違いがあります。

  • 脊柱筋巧緻性機能>四肢筋巧緻性機能
  • 頭頸椎筋>胸腰椎筋
  • 四肢遠位筋>四肢近位筋

つまり、四肢よりも体幹で、胸腰椎よりも頸胸椎で、四肢近位よりも四肢遠位の筋において精度の高い筋収縮状態を保っているといえます。

支持性

姿勢・動作が制御されるシステムを理解することは、慢性疼痛疾患の治療や障害予防、コンディショニングなどあらゆる状況で役立ちます。

身体の各セグメントをいかに重心線に近く保持できるか。

アームを機能させるためには土台が安定している必要があります。身体でいえば四肢機能を発揮させるために、体幹機能が十分に発揮される必要があります。しかもスムースな動作は、自在な筋制動によってもたらされます。

姿勢緊張の亢進を招かない身体環境をつくれるか。

これらを実現させるのが、力学的臨床推論です。

幹部は「結果」であり、その障害発生の「過程(プロセス)」を明らかにし、改善策をおこなっていきます。

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