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医療・介護報酬改定に応じたリハビリテーション部門強化のために

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この度(2019年2月),「医療・介護報酬改革への完全対応とリハビリ部門の効果的な経営改善と部長・課長・主任のリーダーシップ」保健・医療・福祉サービス研究会研修会)を受講したので,学んだ内容をもとに自地域での必要な戦略をまとめてみました.

研修内容

研修会では講師 三好貴之(メディックプランニング代表,HMS研究会リハビリテーション事業講師)より,医療・介護報酬の改定に合わせて今後,医療・介護機関のリハビリテーション部門がとるべき戦略について,具体的な事例を交えながら解説いただきました.

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医療・介護報酬改革に合わせたリハビリテーション部門の経営改善

これからのリハビリテーション部門の戦略で必要なのは,

自法人の「地域需要」に合わせたリハビリ提供体制の再構築

だといわれます.

目の前の対象者に対してマンツーマンで疾患別リハビリを算定するだけでは不十分であり,その地域や将来のニーズを見据えてサービス展開していくのが重要です.

3世代でガッツポーズ

具体的には,次のような方法があり,医療・介護報酬のない今年が業務改善に専念するのに最適な一年だといいます.

  1. セラピストを病棟配置として,チーム医療で患者さんのADL向上に注力する
  2. 病院から外に出て行く,訪問リハや通所リハへのシェアを拡大する
  3. 入院中から,退院後の「活動」「参加」状況を想定し,医療と介護の連携を図る
  4. リハビリテーション部門連携強化のためのマネジメント体制を強化(リーダーシップを養成)する

外部環境要因を把握して,リハビリ部門強化の戦略をたてる

将来を見据えてリハビリテーション部門を強化するには,まず外部環境要因として,「地域医療構想」と「診療報酬制度」の両輪を把握しておく必要があります.

医療機関のあり方は今後ますます,「人口動態」と「入院受療率」によって機能分化(高度急性期・急性期・回復期・慢性期)されていきます.つまり,あなたの住む地域の人口動態は,次のいずれにあたるのか?

  1. 高齢者数増加↗ ・ 若年者数増加↗
  2. 高齢者数増加↗ ・ 若年者数減少↘
  3. 高齢者数減少↘ ・ 若年者数減少↘

a.[高齢者も若年者もともに増加]に該当するのは,東京都中央区や港区など限られた都市のみです.わが国の多くの自治体では,少子化によるb.[若年者数の減少と高齢者数の増加],その後に続くc.[高齢者数の減少(“多死化社会”)]に直面しています.

b,cに該当する地域では,サービスの担い手が減る一方で,増加する高齢者のための効率的なサービス提供が求められます.

人口動態の将来推計にもとづいて,「医療介護需要予測指数」がわかります.つまり,「いつ,どれくらいの医療あるいは介護サービスの提供が求められるのか」が予測されるのです.この予測にもとづいて,「では,自院はどのサービスを提供するのか」を決めていくのが大事です.

ちなみに私が住む地域の将来推計人口と医療介護需要予測指数はこんな感じでした(下図.宮崎県|地域医療情報システム.日本医師会より)

将来推計人口

医療介護需要予測指数

このグラフを見るとこの地域では,次のような人口動態にあるとわかります.

  • 子どもや働く世代の人口はすでに減り始めており,今後ますます減っていく
  • 65歳〜74歳(前期高齢者)の人口は2020年をピークとして,その後減っていく
  • 75歳以上(後期高齢者)の人口は2035年をピークとして,その後減っていく

人口動態にもとづいた医療介護需要予測指数では,次のような予測が立ちます.

  • 医療サービスの需要は2025年まで微増し,その後減っていく
  • 介護サービスの需要は2030年まで右肩上がりに増え続け,2035年をピークとして,その後減っていく

なお,あなたの住む地域の情報は,「地域医療情報システム(日本医師会)」から指定できます.

「地域医療構想」から,病院の機能分化を予測する

「地域医療構想」とは「医療介護総合確保推進法」により,平成27年4月より,各都道府県が策定したもので,

団塊の世代が75歳以上になる2025年の医療需要(患者数)を予測し,そのときに必要な医療機能を考え,在宅医療ニーズも含めて最適な地域医療の形を組み立てるものである.

具体的には,病院の病床(入院ベッド)の機能を「高度急性期・急性期・回復期・慢性期」の4つに分け,都道府県内にある二次医療圏(※)をベースにした構想区域を単位にして,それぞれに必要な病床数を定めていく.

※二次医療圏は,特殊な医療を除く入院治療を主体とした医療需要に対応するために設定された区域.

(中日新聞LINKED【Vol.22】地域医療構想特集3より)

 

では,私の地域を例にあげます(下図).

必要病床数(「宮崎県:第7次宮崎県医療計画について」より).

2025年までの10年間のうちに高度急性期および急性期に必要なベッド数は減少し,回復期および在宅医療の必要性が大きく伸びているのが一目瞭然です.なお回復期には,地域包括ケア病棟も含まれています.

つまり地域医療構想に沿って,自法人がどんなサービスを提供していくのかを考えるのが必須なのです.そこに需要ニーズがあるということなのですから.

「介護保険事業計画」から,求められる在宅サービスを知る

では在宅医療といっても,具体的なサービスとしては入所,通所,訪問などがあるなかで,どれを選択するのがよいのでしょうか?

そこで参考にするのが,各自治体の「介護保険事業計画」です.

介護保険事業計画から抜粋した,自治体の介護保険認定者の推移は次のとおりです(下図).

要介護(要支援)認定の状況

要介護(要支援)認定の状況(宮崎市民長寿支援プランより)

このグラフからは,要支援〜要介護2といった比較的介護度の軽い認定者が増加してきていて,要介護度の高い認定者(要介護3〜5)はほぼ横ばいなのが見てとれます.この傾向にもとづいて,今後必要なサービスの内容を次のように考えることができます.

  • 要介護度の軽い方が増えている→訪問系のサービスが求められる
  • 要介護の重い方が増えている→入所系のサービスが求められる

上図では,比較的介護度の軽い方が積極的に利用されるような訪問系や通所系のサービスの需要が大きいだろうと予測できます.

多職種

まとめ

まとめると,時代のニーズや医療・介護報酬の改革に沿ってリハビリテーション部門を強化していくには,次のように戦略を考えていくことになります.

  1. 自分が住む地域の人口動態は(高齢者数が増える/減る,若年者数が増える/減る)?
  2. 人口動態に合わせて必要な医療・介護サービスの需要は(医療介護需要予測指数)?
  3. 各都道府県の地域医療構想から,どんな病院機能(高度急性期/急性期/回復期/慢性期/在宅医療)が求められているのか?
  4. 介護保険事業計画より,介護保険認定者の状況は?→どんな在宅サービスが必要になりそうか?

信頼関係

研修のなかで三好先生が再三強調されていたのは,リハビリテーションの取り組みによって,

  • とにかく「日常生活活動(ADL)能力を上げる!!」
  • 「自宅環境で完全にADLができてこそ“自立”」
  • 「多職種がお互いに乗り入れる型(transdiscliplinary)のチーム医療がADLを引き上げる(そのために,セラピストを病棟配置する,リスクをふまえながら早期介入できる仕組みをつくる)」
  • 「ハンズオフ(セラピストが直接手をくだすのではなく,患者自身でトレーニングする)のプログラムを必ず行う→入院中から始めて,在宅サービスに移行しても続ける」*個別対応ばかりでは収益率低く,患者の自立につながりにくい

ということでした.

三好先生の講義では,データや理論にもとづいて適切な戦略,ふさわしいリーダーシップの考え方などが提示され,すごく腑に落ちる内容でした.

すばらしい研修の機会をいただき,本当にありがとうございました!!

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