健康でストレスフリーな人生をつくる情報をお届けします!

自分の時間を取り戻す。あなたの時間感覚を正す方法<読書評>

「週40時間の自由を作る 超時間術(メンタリストDaiGo著、実務教育出版)」の著者は、「『時間がない』と感じるのはあなたの勘違い」で、「週に30〜40時間も余った自由時間がある」と述べています。その真意は、あなたが「忙しい!」「時間がない!」と感じてしまうのには理由があって、決して本当に物理的な自由時間がないということではありません。

今回は本書のなかでも、あなたの時間感覚を狂わせてしまう大きな原因である「時間汚染(第2章)」に注目します。

「マルチタスク」が時間を汚染する

アレをしながら、コレもする、というように同時に複数の作業をこなす「マルチタスク」。著者は過去の研究データをもとに、マルチタスクの弊害を指摘しています。

あなたは、普段こんなことをしていないでしょうか。
SNS を見ながら勉強する、音楽を聞きながら仕事をする、スマホを見ながら食事をする。。。
心当たりがあるなら、今日からすべて止めてください。複数の作業を同時に行う「マルチタスク」は、あなたの時間感覚をゆがめてしまう大きな原因だからです。(78ページより)

「マルチタスクをすることであなたの時間感覚がゆがめられる」、と著者はいいます。それは次のような研究データにもとづいています。

  • 一つの作業に集中して取り組めるのはたったの15分間で、いったん作業が中断されると、もとの作業に集中するのに25分もかかる。
  • 他のことをしながら作業をした場合、脳の機能はすべての生産性が40%下がる。
  • 一つの作業を終えるのにかかる時間と作業ミスが起きる確率が50%増える。

つまり、「ながら作業」は効率アップの大敵といえます。なぜなら、マルチタスクによって脳へのストレスが増えることが明らかにされています。マルチタスクをすると、ストレス(時間に帯するプレッシャー)によって脳内の扁桃体が活性化します。扁桃体は感情をコントロールするエリアです。すると脳は、時間が細切れになったかのように認識し、つねに時間に追われているかのように感じてしまうというのです。

このように、細切れに作業をするせいで大きな時間の流れがバラバラに断ち切られ、結果として感覚がおかしくなってしまう状態「時間汚染」と呼んでいるのです。つまり物理的な時間ではなくて、マルチタスクをしているのが脳へのプレッシャーとなって、「時間がない!」というゆがんだ感覚を生じさせているのです。

マルチタスクの弊害

「時間汚染」を解決するには、脳のパニックをおさえる

では「時間汚染」を防ぐには、どうすればよいのでしょうか。マルチタスクをなくして脳のパニックをおさえるために、3つの方法が紹介されています。

  1. タスクシフト
  2. メールを見る時間帯を決めておく
  3. ToDo管理にはインデックスカードを使う

1。タスクシフトとは、「あらかじめ複数のタスクを切り替えるタイミングを決めておく」という方法です。これは、自分の意思(気まぐれ)で作業を切り替えるのではなく、あらかじめ作業を切り替える時間間隔を決めておいたほうが、仕事のパフォーマンスが上がるというものです。そのねらいを次のように説明しています。

気まぐれに作業を切り替えるよりも、「次の時間が決まっている」おかげで脳が安心する 〜 その結果、作業を切り替えても時間が細切れになった感覚が起きず、安心して作業に打ち込めるのです。(81ページより)

タスクの切り替えを有効にするために、タイマーを使うことが薦められています。前もって「30分だけ企画書を書いたら、次は精算書を作る」と決めておき、タイマーが鳴ったら、すぐに次の予定に移るのです。このとき、一つの作業時間は30分までとします。30分を超えて作業を続けると脳の働きが低下してくるといいます。

タイマー
タイマーを使って、あらかじめ作業時間を設定しておく。その時間は一つの作業だけに集中して取り組む。

2。あなたはメールチェックを、一日のうちで何度も何となくやっていませんか。メールチェックと仕事の生産性を調べた実験では、あらかじめ「メールをチェックするのは1日3回まで」と決めておくと、作業中のストレスが減り、幸福度も上がったといいます。これは「どんなに短い作業でも時間を割り当てておく」という時間感覚を正すテクニックです。未読のメールがあると思ったり、さっき読んだメールの案件が気になったりすると、あなたの脳はその内容を考え始め、時間が細切れになったような感覚(時間汚染)が生まれるのです。

3。毎日の複数の作業をこなすためにスマホやパソコンのToDoリストを使う方も多いのではないでしょうか。それでも著者は、アナログのインデックスカードを使うことを薦めています。それは次のような理由からです。

私たちの脳は情報にランダムにアクセスするのがとても苦手です。たとえば、DVDでパッパと見たいチャプターに飛ぶよりも、早送りを使って目当てのシーンを探したほうがストーリーをつかみやすいでしょう。
これはToDo管理でも同じで。スマホのアプリで一気に登録したタスクを見るよりも、作業を登録した時系列に沿って順序よくながめていったほうが脳の負担が減るのです。(84ページより)

つまり、ToDoリストで一度にたくさんの情報に触れると脳が混乱しやすい。インデックスカードを用いて順番にやるべきことをこなしていくほうが、脳のパニックがおさえられて効率アップとなるのです。しかもカードを差し替えることで、優先順位の入れ替えもしやすくなります。

 

 

マルチタスクを生かす

マルチタスクによって時間が細切れになったように感じてしまい、作業効率も落ちる、と書いてきました。例えば誰かと話しながらポッドキャストで勉強できないのは、ともに脳の言語能力を使っているからです。

一方で、マルチタスクを逆手にとって時間を有効に使う方法もあります。それは、「まったく違った能力を使った作業を組み合わせる」ことです。例えば次のような組み合わせがあります。

  • ウォーキングマシンを使いながら本を読む
  • 料理をしながら電話をする
  • 皿を洗いながらオーディオブックを聞く

ウォーキングなどのシンプルな運動や、すっかり身体が慣れてしまった事務作業や家事であれば、他の作業と組み合わせても問題が起きないというのです。

結びに

本書を読むと、あなたが普段「忙しい」「時間がない」と焦っているのは、実は「時間がないように感じさせられてしまっている」せいだと気づかされます。時間がないように感じてしまう背景には、作業が細切れになることで脳が「ストレス」を感じているから。

さらに「不安」も時間感覚をゆがませる大きな原因だと著者はいいます。そこで本書では、不安を解消するべく呼吸法やストレスマネジメントも豊富に紹介されています。いずれも科学的に研究、実証された手法です。

会社で家庭で学校で、さまざまな場面で複数のタスクを抱える現代人にとって、時間感覚を正す、いわば自分の時間を取り戻すのは重要です。時間感覚を正して作業の効率アップと幸せな人生につなげるのに、最適な一冊です。

 

 

最新情報をチェックしよう!