かの天才物理学者アインシュタインは、この世界でもっとも強いエネルギーは、「祈り」や「愛」のエネルギーだといっています。
『予祝のススメ 前祝いの法則(ひすいこうたろう・大嶋啓介 著、フォレスト出版)』で紹介されている「予祝(よしゅく)」も、祈りや愛のエネルギーを現実にしていくすごい方法です!
読んでこんなにも未来にワクワクしたり、感激したりする本は、なかなか巡り会えません。
その一部をご紹介します。
先に喜びを味わうことで、望む未来を引き寄せる
まず予祝とは、
祝福を予め予定するのです。
いわば、「前祝い」です。
のことで、辞書にものっています。
豊作や多産を祈って、一年間の農作業や秋の豊作を模擬実演する呪術行事。農耕儀礼の一つとして〈予祝行事〉が行われることが多い。あらかじめ期待する結果を模擬的に表現すると、そのとおりの結果が得られるという俗信にもとづいて行われる。小正月に集中的に行われ、農耕開始の儀礼ともなっている。一種の占いを伴うこともある。庭田植(にわたうえ)、繭玉(まゆだま)、粟穂稗穂(あわほひえぼ)、鳥追、成木(なりき)責めなど地方色豊かなものが多い。(世界大百科事典 第2版)
つまり、ことが起こるよりも先に喜びの感情を味わい、先に祝うことで、その現実を引き寄せる。
しかも予祝は日本古来の幸せを引き寄せる習慣であり、お花見や盆踊りなども予祝の一つだったのですね。
日本人は元来、“現在の心の状態がよければ、未来もそのとおりに良くなっていく”ということを知って、生活の中で実践していたようです。
本書では、たくさんの予祝で奇跡のような出来事が起きた事例がたくさん紹介されています。著名人からスポーツ選手、会社経営、学校教育、親子関係など、あらゆる分野で予祝は有効だと証明してくれます。
なぜ予祝で奇跡が起きるのか
私たちはふだん、ありのままの現実を見ているようで、実は自分というフィルターを通して現実を都合のよいように解釈しています。
見たいように、聞きたいように世界を見ているのです。例えば、道路を走っていて、「黄色の車」を意識するだけで、黄色の車を目にする機会が増えます。
つまり、何に意識を向けるかによって、人生は大きく変わりうるのです。
それじゃ、“「喜び」に意識を向けたら、喜びごとが来るんじゃないの!”というのが予祝の主旨のようです。
そこで本書で紹介される、未来を生み出す方程式は次のように表されます(66ページより)。
「いまのあなたの心の状態」×「行動」=「未来」
そして最高の未来をつくるには、こうなります。
「ワクワク」×「行動」=「史上最強の未来」
そう考えると、人生はワクワクと楽しんだ者勝ちですね!
望む未来を実現するには、もちろん行動することが大切ですが、それ以前に「どんな心で」行動するかがもっと大切だと、本書は説いています。
早速、あなたも自分をワクワクさせるもののリストを作ってみませんか?
あなたの「現在地」を知ることも大切
夢を叶えるには、予祝で夢を明確にすると同時に、あなたの人生における「現在地」を定めることも大切だといいます。
「現在地」とは、あなたが現在、ありのままに感じていること、そのすべてです。
つまり、自分が感じていることを否定せず、いま、そう感じてるんだなとありのままに受け入れ、認めることができたら、「現在地」が定まるのです。(166ページより)
自分が感じていることを、そのまま素直に認めてあげればいいんですね。
そのように自己肯定感を高めるワークとして、本書では「まなゆい」が薦められています(212ページより)。
「まなゆい(愛結)」では、なにか嫌な気持ちになったときに、その心のつぶやきに、
「〜と思った自分を受け入れ、認め、ゆるし、愛しています」
と、くっつけて言ってみるだけです。
どんな自分もOKと認めてあげるのですね。言葉にしてみると、言霊の力で、次第に気持ちも変化します。
自己否定からは前向きに行動するエネルギーは湧いてきません。
現在の自分をそのまま認めてあげるところから、喜んで行動しようというポジティブな心の状態が作られてきます。
「予祝」と「まなゆい」をセットにすることで、とてもバランスのよい心の状態になるんですね!
むすびに
本書で「『感謝』を『決意』に変えるステップ」として紹介されている「手紙」を書いてみました。
胸にこみ上げるものをこらえきれなくなります。
感謝する人を身近なところから書き始めてみると、あの人にも、あの人にもと、次から次へ感謝を伝えたい人が思い浮かんでくるのです。
“感謝は決意に変わります”とありますが、確かにそうだなと実感しました。
「いつもお世話になっている、あの人を大切にしたい」「あの人に喜んでほしい」「恩返ししよう」という気持ちが湧いてきて、スッキリします。
「何のために」「誰のために」やるのかが明確になります。
最高の心の状態といわれる、「面白がっていること」と「感謝」を大切にしようと思わせてくれる素敵な一冊です。
*「予祝」の実践について、こちらもご参考ください→「奇跡」を意図的に起こすには!?
予祝は未来を明確にする行為です。
しかも心躍る未来を明確にします。
だから、生活が変わり、行動が変わってくるのです。(73ページより)