こんにちは、大山ふみあき(@ThanksDailylife)です。
今回は、『筋トレが最強のソリューションである』などで有名なTestosterone(テストステロン)氏の新刊、『心を壊さない生き方 超ストレス社会を生き抜くメンタルの教科書(文響社)』の書評です。
精神科専門医・指導医である岡 琢哉氏との共著となっています。
まず、本書を読んでの結論は下記のツイート🔽
https://twitter.com/ThanksDailylife/status/1295170812131958784?s=20
近年減少傾向にあるとはいえ、日本における自殺者数は年間2万人超。
しかもコロナ禍で急激に経済の落ち込んでいる現在は、これから自殺者数が増加することが危惧されています(経済状況と自殺者数は正の相関あり)。
それほど超高ストレス時代を生きるなかで、ぼくたちがハッピーな人生を送るためには、「心の健康(メンタルヘルス)」を無視できません。
一度心を壊してしまうと、その回復には長い時間と相当なエネルギーが必要。
職場や家族、パートナーなどまわりの人の協力も求められます。
メンタルヘルスを保つために「やるべきこと」を日常の習慣とすることで、ストレスフリーの人生を送ることができます。
また、身近にメンタルの問題で困っている人をみかけたら、声をかけ、適切な相談窓口へ案内することもできます。
ぜひ、自分の心を守るために、大切な人を傷つけないために、メンタルヘルスについて学びましょう。
本書では、各章の見出しにもなっている下記のフレーズのように、一つひとつの言葉が胸に突き刺さります。
予防 is KING
永遠に生きると思って食事を管理しろ
メンタルがブレやすい人は睡眠時間を死ぬ気で確保しろ
運動はハッピーな人生の基盤になる
これは本を読むだけでなく、「行動」をすることを強く促している著者の想いがあふれていると感じます。
心を守るために習慣にすべきこととは?
本書の第1部では、メンタルヘルスに関わる研究をもとに、エビデンスレベルの高い方法が紹介されています。
その中でとくに重要だと思った一部をご紹介します。
心を守る食事と体型の管理
- “精神的な不調と生活の乱れ、体重の変動は同時におこる”ことが多いため、適正な体重(BMI)や体脂肪率を維持するよう心がけるのが、メンタルヘルスの基盤。
- BMIや体脂肪率を適正に保つのにオススメされているのは、「マクロ管理法」という食べ方。
「マクロ管理法」は、一日の摂取カロリーを算出し、三大栄養素(タンパク質・炭水化物・脂質)の摂取割合−マクロバランス−を調整するというもの。
- 食欲をコントロールするために、「タンパク質」の摂取量を増やすのが有効。
食欲とタンパク質の摂取量は逆相関の関係にあるという「プロテインレバレッジ仮説」にもとづき、タンパク質の摂取量を増やすことで食べすぎを抑えられる可能性があります。
たしかに自分を振り返ってみても、大学時代や働き始めてすぐなどメンタルが不調だった時期の食事は、安いパンや麺類ばかり食べていた記憶があります。体重もひと月で5kg落ちたりとか。
“体は食べたもので作られる”という格言は、メンタルヘルスにもあてはまりますね!
心を守る睡眠の習慣
寝不足は自分への虐待と同じ
というほど、睡眠は心身の健康にもっとも重要なファクター。
実際に、睡眠時間や質(深さ)の低下とうつ病の関連が数多く研究されています。
世界保健機関(WHO)も“大人でも8時間睡眠が必要だ”と明言していますが、日本人の睡眠時間は先進国でワースト1位の短さです。
睡眠による脳や身体のコンディションへの影響を考えると、今こそ睡眠の重要性を皆が再認識するときではないでしょうか!
- 睡眠は、まず何より「量(時間)」を確保する−最低でも7時間眠る−
- 平日も休日も同じ時間にふとんに入って、同じ時間に起きる
休日の“寝だめ”などで引き起こされる「ソーシャル・ジェットラグ(社会的時差ぼけ)」は、現代の睡眠障害の大きな原因。
体内時計をくるわせ、睡眠障害や心身の不調を招きます。
- 日中に太陽の光を浴びる
夜にちゃんと眠気がくるには、「メラトニン」というホルモンが大事。
朝、太陽の光を浴びることで12〜14時間後にメラトニン分泌が高まり、深い睡眠につながります。
- 睡眠を軸に生活を設計する(まず7時間の睡眠を確保して、残った時間で必要なことをする)
うつ病と不眠症はどちらが先で、どちらが後かという議論はありますが、いずれにしても「深く長く眠れる」ことがメンタルヘルスを保つのに超重要ですね!
心を守る運動の習慣
ウォーキングでも、庭いじりでも、体を動かした後に気分がスッキリした経験がありませんか?
運動することによる精神状態の向上や、うつに伴うさまざまな不調(肥満、2型糖尿病、アンバランスな食事、血液指標、自律神経失調)の改善効果がみとめられています。
さらに、自分の好きなスポーツやエクササイズを好きな人たちとやるのもオススメ。
- 筋トレでは、低強度よりも高強度(80%1RM)のほうが気分の落ち込みが減った
- 筋トレでも、有酸素運動でもOK。運動の種類や方法によらず、とにかく習慣で続けるのが大事−週3回、30分を目標に−
- 運動時間は週6時間以内にとどめ、運動がストレスにならないようにする
こんな方にオススメ
本書はこんな方が読まれると、ご自身のメンタルを良好に維持するきっかけになります。
またまわりの人の異変にもいち早く気づき、適正な対処やサポートをすることができます。
- メンタルを健やかに保って、心地よい生活を送りたい
- 心身のコンディションを上げる、生活習慣のポイントを学びたい
- 仕事や対人関係でのストレスが強く、悩んでいる
- 自身や家族、友人が心の不調で苦しんだことがある
- 医療・教育・福祉などで精神疾患のある方と付き合う機会がある
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本書を読んで行動してみた【結果と感想】
本書を読んで、ぼくも実際にいくつかの方法をやってみました。
その結果と感想をご紹介します。
マクロバランスの計算とタンパク質摂取
こちらのページで簡単に基礎代謝やマクロバランスを計算できます。
性別・身長・体重・年齢から基礎代謝がわかり、生活のアクティブ度からマクロバランスが算出されます。
その結果が下図。
今のぼくの食生活で不足しがちなのは「タンパク質」だと感じたので、朝食にタンパク質(たまご、チーズなど)を追加。
朝にタンパク質を摂るとたしかに午前中の空腹感がなく、体のキレる感じがいいですね。
調理が面倒なときは、プロテインを活用して、サクッとタンパク質を補給!
高強度での筋トレ
これまでも筋トレは習慣にしていましたが、関節可動域維持を目的にゆるやかな強度にとどめていました。
そこで一度、高強度(MAXの80%)でトライ。
トレーニング中はそのバーベルを上げるために余計なことを考えている余裕はありません。
いつしか、他の心配や不安も忘れています。
ただ身体の疲労度はこれまでの比ではないので、ペース配分しながら取り入れていこうかと思います。
寝る2時間前からスマホやパソコンを触らない
ぼくの場合、寝つきがわるくなるのは、ふとんに入る直前まで仕事や考えごとをすることだとわかっていました。
SNSを見るのも気になってしまいます。
なので思い切って、就寝時刻の2時間前からはスマホやパソコンを触らないように決めました。
するとふとんに入ったときに頭がザワザワすることが減って、寝入りがスムーズに。
やはり「寝る前の過ごし方」が質のよい睡眠のカギだと実感しています。
むすびに
いかがでしょうか。
『心を壊さない生き方 超ストレス社会を生き抜くメンタルの教科書(Testosterone×岡 琢哉、文響社)』を読んで、メンタルヘルスに重要な生活習慣のポイントと、実践してみた感想をまとめました。
Twitterのフォロワー110万人超の著者だけあって、その言葉のメッセージ性や力強さにあふれています。
文章は会話調で、とても読みやすい。
食事・睡眠・運動のなかで、自分の気になるところから開いてもOK。
第1部で紹介される習慣それぞれには、「エビデンスレベルが強い/弱い」で評価されているので、自分で取り入れるときの参考になります。
第2部では7種類のメンタルヘルスの問題ー「適応障害」「うつ病」「強迫症」「不安症」「摂食障害」「アルコール依存症」「発達障害」ーが、マンガをはさんで解説されています。
登場人物の心情や生活状況、発症にいたる経緯がよくわかります。
メンタルヘルスの問題は今だに、“甘え“だと責められたり、相談しづらかったりする風潮があります。
しかし、脳の機能変化が関わっていたり、特性として持って生まれたりしている場合もあります。
正しい精神医学の知識をもつことで、自分を守り、身近な人を守っていきましょう。
「心を守る最強の生活習慣」や「生き残るために知っておきたい精神医学の知識」について、もっと深く学びたい方はぜひ手にとってお確かめください!
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