こんにちは、大山ふみあき(@ThanksDailylife)です!
ぼくはビジネス書を読むのが好きで、年間100冊くらいは手にとっています。
著者のお客さんへの想いや理念、マーケティングのロジックを垣間見るのがめちゃくちゃ刺激になります。
最近はビジネス書のなかでもとくに、西野亮廣さん(キングコング)の著書にハマっています。
西野さんはお笑い芸人としてだけでなく、国内最大級のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたり、絵本作家としてもご活躍中。
出版される著書も立て続けにベストセラーになっています。
音声配信VoicyやYouTubeでも情報発信されていて、圧倒的な支持を集めています。
そこで、西野さんの著書はすべて読みました。
「無料公開」や「クラウドファンディング」といった今までにない手法で世間の驚きを買っています。
でもそのロジックを知れば、実業家としてこれほどしたたかに考え、先を読んでいる人は類を見ません。
しかも軽妙な語り口なのでサラッと読めて、抜群におもしろい。
ぜひ多くの方に読んでいただきたい本ばかりです。
今回はオススメの5冊をご紹介します。
『革命のファンファーレ 現代のお金と広告(幻冬舎)』
2017年に発売され、「読者が選ぶビジネス書グランプリ2018」で総合グランプリにも輝いている1冊。
西野さんのYou Tube「西野亮廣エンタメ研究所ラジオ【公式】」の中で、“このコロナ禍で生き抜いていく考え方はすべてこの本で書いている”と仰っているよに、不安の多い現代をしっかりと生き抜くための考え方が満載です。
本書を貫くテーマは副題の通り、現代では「お金」と「広告」のとらえ方が大きく変わっていますよという内容。
これを知っておかないと、これから先の仕事や生活を守っていくのが難しい。
結論からいえば、現代における「お金」とは、「信用」が数値化されたもの。
そして最近になって耳にすることも増えてきた「クラウドファンディング」は、信用を換金する装置。
この概念をベースにして、実際に西野さんが仕掛けてきた絵本の販売戦略やプロジェクトの仕掛けを明かしてくれています。
お金に数値化される「信用」とは
本書では、徹底して「信用」の勝ち取り方について解説してくれています。
信用勝ち取るために必要なのは、次の2つ。
- 嘘をつかない
- マネタイズを後ろにズラして可能性を広げる
嘘をつかない
「嘘をつかない」というのは、道徳観の話ではなくて、「自分の意思を正直に表明できる」ということ。
そしてそのために、「嘘をつかないで済む“環境”を整えておく」のが大事だといいます。
例えば、テレビで食レポするタレントさん。
彼らの収入は、番組をつくるスポンサーの広告収入に頼っています。
そうであれば視聴者に聞こえのいいように、真偽の程はともかくとして、「美味しい」と言わざるを得ません。
でも広告収入に頼らないで済む収入経路を確保していれば、そこにしがみつく必要はなくなります。
また、そんな立場を考慮して発言が決められてしまうような状況にも身を置かないことも大事。
これが西野さんのいう「環境が行動を決めている」の真意。
僕たちの実生活に置き換えてもそうですよね。
「会社」という箱の中にいて、「給料」としての収入しかなければ、「自分の意見を通す」のは難しい。
好き勝手やって解雇なんてされたら、生活を守っていことができないから。
一方で、お客さんから直接お金を得る方式(ダイレクト課金)であればどうか。
そのお客さんは、提供する人自身や、商品・サービス、そこに込められたストーリーを気に入って買ってもらえるわけですから、ここでは自分の意思を正直に表明することができます。
これだけインターネットやSNSなしの生活が想像できなくなった今、僕たちは本当に「美味しい(確からしい)もの」を知っています。
いわば、実力が「可視化」されています。
西野さんいわく、「本当によいものしか生き残れない時代」。
「好きなことを仕事にできるか?」という仕事観もそうですよね。
今や、単調な仕事やきつい仕事はどんどん、機械に置き換えられていっています。
「嫌いな仕事を嫌々やりながら」生き残っていくほうが難しくなっていきます。
ここからは、“好きなことを仕事化するしか道が残されていない”時代だ (10ページ)
やりたいことを掛け持つことや、やりたいことに迷うことは、これからの時代を生き抜く術だ (6ページ)
マネタイズを後ろにズラして可能性を広げる
西野さんといえば、「絵本の無料公開」や「独演会を格安で提供する」などで物議を醸していました。
でも決してこれは、炎上商法でもなければ、バクチでもありません。
ロジックと数字と、経験に裏打ちされた賢明な戦略であることが、本書を読むと大納得です。
すごく腑に落ちたところなので、引用します。
インターネットにより、全てのものがガラス張りになった今、お客さんの値段感覚は極めて正確だ。
(中略)
当然、独演会の美術や音楽や、その他もろもろを見て、「これは本来2000円ではできない」ということを、4500人全員が分かっている。あの値段設定では主催者側が背負っていることを見透かしているのだ。
それでいい。
独演会の赤自分ぐらい、絵本が売れれば、いくらでも返せる。
ここは目先の収益にとらわれず、4500人に感謝されることを選んだ方が得策だ。 (68ページ)
西野さんの目的は、「絵本がより多くの人のもとに届くこと」で一貫されているので、すべてはその達成のために筋道が通っているのです。
このストレートさは、もう感動です。
「絵本の無料公開」にしたってそう。
時間とお金に限りのあるお母さんたちがお金を払うのは、「絶対に間違いのない」もの。
ネットで内容をみた本の「確認作業」として、読み聞かせする紙の絵本を購入するわけです。
ビジネス書においても、「無料公開」したほうが、結果的な売上が上がる場合があるといっています。
つまりは、“今あるマネタイズのポイントは、自分の目的に対して最適化されているか?”を整理するのが大事。
『新世界(KADOKAWA)』
極端な環境に身を投じることを避けた今のキミには、
力が備わっていない。
もしキミに守りたいものがあるのなら、
キミ自身が強くなるしかない。
流れに振り回されない力さえ手に入れれば、
キミは、
キミが守りたいものを守ることができる。(323ページより)
この強烈なメッセージは、「おわりに」で書かれたメッセージ。
この言葉に代表されるように、自分にやりたいことがあって、一歩踏み出す。気の合うメンバーと面白いプロジェクトをやり続ける。
そのために解決しなければいけない問題が「お金」ですよね。
でも「お金(とくにお金の生み出し方、使い方)」について、僕たちは学校で教わってきていません。
行動する足場にも、不安の材料にもなりうる「お金」について正しく学んでこそ、ビジネスの成功や安定した生活が手に入ります。
まずは、お金について学んで、行動して体感することから始めてみましょう。
本書は、“ここ数年で「お金の流れ」や「お金の生み方」が大きく変わっている”と主張する著者が、現代を生き抜く知恵を授けてくれています。
内容はすべて西野さんの大量行動の結果と、次世代に向けて現在進行型で進めているプロジェクトにもとづいているとのこと。
「お金を払って働く時代」とは?
究極は、スタッフが有料で、お客さんが無料というイベントをつくることができちゃう (157ページ)
そんな世界を信じられますか?
一瞬、耳目を疑う言葉ですよね。
でもこれを可能にしたのが「オンラインサロン」という仕組みだと著者はいいます。
第2章でまるまる「オンラインサロン」について書かれています。
オンラインサロンで何ができるのか?
どんな仕組みなのか?
オンラインサロンで仕事して、経済が回っているってどういうこと?
そうした湧き上がる疑問の声に、わかりやすく噛み砕いて説明してくれます。
先に引用したような現象がなぜ可能かといえば、“それぐらい今は「作ること」が娯楽になってきている”から。
サロンに入会している人は月額会費を払いながら、サロン内で立ち上がったプロジェクトを進めることもあるそう。
受け取る完成品に価値があるのではなくて、“完成させるまでの苦労や達成感に価値が発生している”わけですね。
バーベキューやプラモデル、パズルをイメージするとわかりやすいです。
その「過程」が、エンタメ。
「やっている」そのものが面白い。
でもただ好きでやっているだけだと、生活が成り立たなくなってきますよね。
でも大丈夫。
ちゃんとサロン内で成し遂げた仕事は「信用」となって積み重なっていきます。
「現代のお金=信用が数値化されたもの」というのが、本書を通して語られるスジ。
なので、例えば「クラウドファンディング」という仕組みを使って、貯まった「信用」を換金することが可能な時代になっています。
マネタイズのポイントが後ろにズレているだけ。
「無名の正直者」が生き抜く時代とは?
第3章は、本書タイトルの通り著者が思い描く「新世界」の概要が語られています。
どんな世界かというと、
「人検索」で店が選ばれて、「ありがとう」の数の多さで店が評価され、そして、その評価でまた人が集まってきて、お店にお金が落ちる。
たとえ弱くても、たとえ無名でも、誠実に生きている人が報われる世界 (312ページより)
そして著者のスゴいところは、これが夢物語や理想論ではなくて、ちゃんと現実的な仕組みとして作り上げようとしているところ。
具体的には、「文字」が「お金」になる「レターポット」という仕組み。
読んでいて、この発想と行動のスピードに圧倒されてしまいます。
『新・魔法のコンパス(KADOKAWA)』
こちらは西野さんの初めてのビジネス書『魔法のコンパス 道なき道の歩き方(主婦と生活社、2016年)』を加筆・修正されたもの。
人は確認作業でしか動かない
など、ぼくたちの生活におきかえても例えがわかりやすく、すごく納得できる指摘が多かったです。
たしかに、中身のよくわからないものや、面識のない人が売っているものには近づきづらい。
「グルメサイトで口コミを確認してから食べにいく」とか、まさにその通り。
前作の内容がギュッと凝縮されていて、40分ほどで読み切れました。
西野さんの価値観や未来をみすえている内容をサクッと知りたい方にオススメです。
『バカと付き合うな(徳間書店)』
『バカと付き合うな』は、実業家の堀江貴文さんとの共著になっています。
「バカ」というキャッチーな言葉が目に付きますが、お二人ともその真意は共通。
限りある人生の時間を、他人の顔色をうかがったり、既存の価値観に縛られたりして無為に過ごすなということだと思います。
自分らしく充実して過ごすために徹底的に合理的、ロジカルに考えているのがわかります。
- 勉強よりもまず行動してみる。行動してみた結果からこそ勘が磨かれる
-
いまの時代に必要なのは、我慢ができないほど「これをやりたい!」と欲望する力
- 不安を打ち消すために、1秒を惜しんで情報を集める(情報を集める媒体や人付きあいを選ぶ)。
“何をしたいのかわからない”、“このまま好きなことを続けていいのか迷っている”という人へ、力強く行動への背中をおしてくれる1冊です。
えんとつ町のプペル
ビジネス書ではありませんが、西野さんの本を語るうえで、絵本『えんとつ町のプペル』は外せませんね。
Voicyなんかでの西野さんの語り口からも、この作品へかける意気込みがすごく伝わってきます。
「信じぬくんだ。たとえひとりになっても」
絵本とはいっても、大人が読んでもこころにグサグサ響く内容です。
おそろしいくらい現実をみたり、こころが暖かくなったり。
親子で見たら、きっといろいろ話が深まるんじゃないでしょうか。
「無料公開」や「完全分業制」といった斬新なやリ方が話題になりましたが、その裏にあるビジネスとしてのロジックに舌を巻きます。
2020年冬には映画も公開予定とのことで、こちらも要チェック。
なんと製作期間8年を費やしたそうで、とっても楽しみです。
西野さんの本はこんな方にオススメ
本書は以下のような方が読んでいただくと、ビジネス戦略を考えたり、コンテンツを作ったりするのに大いに役立ちます。
そして行動できるか迷っている方には、大きな勇気がもらえますよ。
- 「やりたいことが見つからない」といって行動できなかったり、迷っている方
- 「好きなことを仕事にしたいけど、生活していけるか不安」という方
- 「お金」の流れや生み出し方、賢い使い方について学びたい方
- 今の時代だからこその新しい働き方・生き方を作っていきたい方
- 独立してビジネスをしていきたい方
- 独自のスキルを持つクリエイター
- 企業の広告・広報担当の方
- とにかく、気の合うメンバーと面白いプロジェクトを仕掛けていきたい方
まとめ
以上、西野亮廣さんの本からオススメの5冊をご紹介しました。
西野さんの世界観や見据えている未来を間近でみる大本命は、『革命のファンファーレ 現代のお金と広告 (幻冬舎単行本)』です。
その内容を踏襲しつつ、次の展開をみるのが『新世界』。
ご紹介した本を再度並べておきますので、ぜひ手にとってチェックしてみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。