「お金」にまつわるネガティブなニュースが列島を賑わせています…コロナ禍による経済停滞や老後2,000万円問題など…
こんなニュースばかり耳目にしていると、「この先、自分の生活は大丈夫かな?」と不安にあおられますよね。
誰しもお金に苦労しない、月々の支払いにあくせくしない生活、幸せな人生を送りたいと思うもの。
わたしもそうです。
この春からフリーランスとして働き始めた途端のショック。
当然、当初計画していたビジネスデザインをゼロから考え直すのを余儀なくされました。
その一方で、「働き方」や「生き方」について熟考するよい機会にも。
本当に自分が大切にしたいもの、家族が快適に過ごせるライフスタイルなどを構築することができたのです。
安心できる暮らしや充実した仕事を実現するうえで、「お金」は切っても切れない存在。
経済不安や急激な社会システムの変化がつきまとう時代だからこそ、お金に関する“拠り所”があると安心ですよね。
拠り所にするのは決して、巷で話題の「簡単に(楽して)儲かる」うまい話ではありません。
大事なお金との向き合い方という、「哲学」や「真理」ではないでしょうか。
お金の哲学・真理にもとづいて、自分の中で確固たる信念があれば、世間の情勢やニュースに振り回されることがなくなります。
『お金の真理(与沢 翼著、宝島社)』は安心の暮らし、幸せな人生を構築するのに役立つ哲学を学ぶのに最適な一冊です。
著者は、あの「秒速1億円稼ぐ男」として脚光を浴びた人物。そして現在は純資産70億円を築き上げた、大物投資家・実業家です。
本書はその著者をして、“私の失敗をこと細かく共有し、それによって刻み込まれた教訓を網羅的に共有することが、「お金の真理」をお伝えするための最良の方法だと考えています”という主旨でまとめられた本。
その言葉どおり、家賃200万円する六本木のマンションに住んで豪遊の限りを尽くした20代から、すべての会社を手放して無一文になった失敗。
またそこから立ち上がって年間5〜15億円の年収を得て、純資産70億円を築くようになった経緯が隠すことなく具体的に書かれています。
お金について酸いも甘いも噛み分けてきた著者が語る「お金の真理」には、この上ない重みがあります。
本書で学べる内容
- お金の“魔力”を知れば、不安がぐっと減る
- 成功する人間の条件とは?「欲」に振り回されない自分のつくり方
- お金を「守る・つくる・増やす」、それぞれのカギ
- 成功者が語る、幸せになるお金の使い方とは?
- “お金に愛される生き方”とは?
本書を読んで印象的だったのは、何より著者の「バランス感覚」のすごさと、お金や幸せな生き方についての揺るぎない信念。
お金にまつわる話はよく、「稼ぎ方」や「貯蓄が大事」といった偏ったものになりがち。
しかし著者の主張は常にバランスがとれています。
例えば、
諸行無常、万物は変化し、自分だけが絶対の存在として君臨することはどんな天才であってもできません。だからこそ一度作った大切なお金を守り増やすことは、(お金を稼ぐよりも)さらに大切になってきます。(33ページ)
のように、まず「貯める」「守る」ことを説いています。
一方で、
節約バカになってはいけない
ともいいます。
つまりお金を貯めるのは、いざ行動するときの“軍資金”とするためです。
その哲学は、次の言葉にも顕著に現れています。
お金は備蓄、備蓄はパワー(81ページ)
またお金の使い方にも、どん底から這い上がってきたカリスマの信念が詰まっています。
とくに胸に刺さった言葉が、コレ。
「純資産1億円」のコップからあふれた水だけをすする(248ページ)
収入や売上ではありません。
総資産から負債を引いた「純資産」が多いことが、本当のお金持ちだと定義しています。
なぜなら、純資産は自分だけの資産であり、情勢の変化や不測の事態を生き抜く備えとなるからです。
与沢翼といえば、メディアでは不動産や株式投資で巨額の利益を得ている姿がイメージされていますよね。
でも本書で語られる実際の行動は、極めて実直でシビア。
いざ投資するときには、使う対象や目的を徹底的に精査。
そして証券会社や専門家に任せたりせずに、自分で勉強し、実践する。
情報を集め、行動し、反省する。それによって成功するコツを肌感覚で学ぶことが肝心だといいます。
さらに自分のために使うのは切り詰めるけれど、ライフコスト(最低限、こころを満足させるための食事や住環境や、仕事に必要な最高のネット環境など)への投資は惜しまない。
家族や大切な人の喜び、幸せのためには存分に使う。など
お金との幸せな向き合い方を学ぶことができます。
こんな方におススメ
- 現在サラリーマンとして働いており、もうちょっと自由なお金を手にしたい。
- 将来は自分でビジネスをやりたいので、その準備をしている。
- 時間や場所に縛られない働き方を目指して、ブログやアフィリエイトをしている。
- 株や不動産などで稼ぎ、不労所得を手にしたい。
- お金にあくせくせずに、自分も家族も幸せな人生を送りたい。
ただ「こうやれば楽に儲ける、すぐにお金が貯まる」というノウハウ本ではありません。なので、腰を据えてお金や人生との向き合い方を学ぶつもりで読んだほうがよいです。
手っ取り早く富を手にする具体策というよりも、長期的に成功するための考え方と方向性を確かめるのに最高の一冊。
さあ、あなたも本書を手にとって、“お金に愛される人生”を歩み始めましょう。