“ちょっと血圧が気になる”
“血糖値が高め”
“疲れが抜けない”
“体重は増える一方…”
そんな人はすでにカラダの「解毒・浄化」能力が落ち、体内に毒素や老廃物が溜まっているかもしれません。
こんにちは、ライフケアコーチの大山ふみあき(@ThanksDailylife)です。
本記事を読んでくださっているあなたは、健康や美容への意識が高く、ふだんから「カラダによい」食事や運動を心がけておられると思います。
実は健康づくりにおいては、「(食事から)よいものをとり入れる」だけではなく、いかに「悪いものを出す」かも大事!
私たちのカラダは日々、古い細胞が壊され、新しい細胞がつくられるサイクルがまわっています。それが、新陳代謝。
代謝の過程で生じる老廃物や活性酸素などの「ゴミ」を、体外へ排出しなければいけません。
また現代は食事や環境から化学物質や添加物などのカラダに有害な物質が体内に入ることも避けられません。
そうした体内でできたゴミ、外から入ってきた有害物質を解毒し、排出するはたらきを一手に担っている臓器があります。
それが、「腎臓」。
腎臓と聞いても、「おしっこをつくるところ」くらいの認識しかないかもしれません。
たしかに心臓や胃腸と違って、腎臓にスポットが当たることは、そう多くないですよね。
腎臓は体内で最強の「解毒・浄化」能力をもち、私たちのカラダをつねにきれいな状態に保つはたらきをしてくれています。
そんな私たちの健康における“影の立役者”ですが、なんと、いま多くの働く世代の腎臓がピンチに陥っているとのこと!
今回は腎臓のきほんを知って、最強の「解毒」能力を守るための術をご紹介します。
本記事は『医者が教える最強の解毒術―20万人を診てわかった医学的に正しい毒素・老廃物を溜めない生き方(牧田善二著、プレジデント社)』を参考にしています。
著者は糖尿病専門医で、病気や老化の原因である「AGE」研究の第一人者。カラダを壊して人生を後悔しないために、健康管理の新常識がわかりやすく解説されています。
ぜひご参考ください。
【腎臓】どこにあって、何をしているの?
【解毒・血圧調整・造血など】腎臓のはたらき
「腎臓」は腰の上あたり、お腹の後ろ側で、左右に一つずつあります。握りこぶしくらいの大きさで、形はソラマメに似ています。
腎臓の主なはたらきは血液をろ過して、カラダに溜まった老廃物や水分、とり過ぎた塩分などを「尿」と一緒に体外へ排出すること。
コーヒーを淹れるときのペーパーフィルターのような「膜」があり、余分なものを体から追い出して、必要なものだけをしっかり体の中に残してくれるので、体の中の環境を正常に保つことができます。
他にも腎臓は、健康状態を保つために以下のようなとても重要なはたらきをしています
- 体内の水分量やイオンバランスを調節する
- 血圧を適正にコントロールする
- 造血ホルモンを分泌して赤血球をつくる
- ビタミンDを活性させて骨を丈夫にする など
現代人の解毒能力がピンチ!
最近では健康や美容の分野で「解毒」、「デトックス」といった言葉を聞くことも増えました。
そこでとり上げられるのは主に、腸内環境を整えることであったり、むくみ(水分)をとることであったりします。
ただ『医者が教える最強の解毒術―20万人を診てわかった医学的に正しい毒素・老廃物を溜めない生き方』の著者は、次のようにカラダの解毒機能が勘違いされているといいます。
不要物の排出というと、便や汗をすっきり出せばOKだと思っている人がいますが、まったく違います。あなたの体内に蓄積した毒素や老廃物の排出は、精密機械の中でもとくに繊細で複雑な部品である腎臓が担っています。腎臓が体に悪い物質をろ過して、尿として体の外に出してくれており、その働きがあって、すべての人が命を維持することができているのです(9ページより)。
私も本書を読むまでは、腸内環境の大事さはよく理解していましたが、尿として排出されるのは盲点でした。
たしかに細胞や組織でできる老廃物や毒素を排出するには尿しかありません。
*腸は口から肛門までつながる一本の管であり、厳密には腸内は「体外」とみなされます。
そんな重要な腎臓ですが、現代人の多くがピンチに陥っていると警鐘が鳴らされます。
解毒・浄化ができなければ、体内に毒素がまわって死に至ります。
しかし腎臓は「沈黙の臓器」といわれ、よほどのことがない限り悲鳴をあげない。
悲鳴を上げたときにはもう手遅れで、「解毒・浄化」ができない体になっているというのです。
腎機能が悪くなるとカラダにどんな不利益が起こるの?
【慢性腎臓病】解毒能力悪化の末路
腎臓のはたらきが悪くなり、解毒能力が著しく低下した病態が「慢性腎臓病(CKD)」。
腎臓に負担をかける生活を続けた結果、じわじわと腎臓のはたらきが悪くなり、ついには解毒できなくなってしまいます。
うまくはたらかなくなった腎臓の代わりに血液を浄化する治療が「人工透析」。
5時間以上かかる方法で、週に2,3回行う必要があり、患者や家族にとっても負担の大きな治療になります。
日本に慢性腎臓病の患者は約2,100万人。実に5人に1人が慢性腎臓病にかかっているのです。
健康診断でスルーされているからといって、他人事ではありません。
慢性腎臓病になると死亡率は4倍になる
腎臓が悪いと心筋梗塞や脳卒中、がんの発症率が上昇。さらにその進行を早め、寿命を縮めます。
また高血圧や糖尿病、肥満などがあれば、ますます腎臓を悪くすることになります。
いま日本に透析患者は約33万人いて、毎年4万人が新たに人工透析を開始。そのうち年間3万人が命を落としているというのです。
「沈黙の臓器」ゆえに、たいていの人が気づかずに放置し、手遅れ(人工透析、早死)になる道を進んでいる悲しい現実。
「人生100年時代」をみすえて長く元気でいるためには、腎臓の解毒機能を高めておくのが欠かせません!
腎臓の解毒機能を守るためにやるべきこと《12か条》
腎機能が正確にわかる検査を受けよう
健康診断でよくみられる「血清クレアチニン値」では不十分。尿アルブミン検査やeGFR(推算糸球体濾過量)をチェックしましょう!
血圧をコントロールすべし
高血圧は慢性腎臓病の大きな原因。自宅で測る血圧で「上は115未満、下は75未満」にコントロールされるのが理想。
塩分摂取量にも気を配りましょう。
血糖値をコントロールすべし
腎臓のはたらきを守るうえで、糖尿病の予防が大事です。糖尿病の合併症でもっとも恐ろしいのが腎症。
体重管理してメタボ脱却
肥満やメタボはあらゆる病気のリスク。さらに血圧や脂質、血糖の異常によって慢性腎臓病の発症率が高まります。
体重を減らせば血圧が改善され、慢性腎臓病のリスクが下がります。
タンパク質は食事から適量をとろう
厚生労働省推奨のタンパク質摂取量は成人で、一日あたり男性65g、女性50g。
ふだんの食事からで十分満たされる量であり、サプリメントやプロテインでの摂り過ぎに注意しましょう。
AGEを溜めない
糖とタンパク質が結びつくことでできるAGE(終末糖化産物)は、急激に病気や老化を進めます。
AGEが体内で増えないよう、食事では糖質を控えめにし、できるだけ「生」に近い形で摂るようにしましょう。
便秘を侮らない
腸と腎臓のはたらきは密接に関連し(腸腎連関)、腸内環境が悪化すると慢性腎臓病になりやすいことがわかっています。
便秘は腸内環境悪化の最たるもの。バランスのよい食事、運動や睡眠に気をつけ、「快便」を維持しましょう。
タバコは絶対にやめる
タバコに含まれる有害物質ニコチンを解毒するのも腎臓の役割。喫煙は腎臓に大きな負担をかけます。
禁煙すると慢性腎臓病の進行を抑え、人工透析へ移行するのを防ぐ効果があります。
水分を十分にとろう
私たちは尿や汗として一日に2.5リットルほどの水分を排出しています。水分摂取量が不足すると血液がドロドロになり、毒素が溜まりやすくなります。
日本腎臓学会では、食事やお茶をふくめて「一日3リットル以上」の水分を摂ることを推奨している。
適度な運動をしよう
世界的なガイドラインとして、「適度な運動」が腎機能の改善に効果的だと推奨されています。
一日30分歩くのが理想ですが、イスの立ち座り、階段の昇り降り、足踏みなど、無理なく続けられる方法を見つけましょう。
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カラダを冷やすな
寒さや冷えは血管を縮め、血圧を上げます。高血圧は腎臓の大敵。腎臓に送られる血液も滞り、腎機能が低下します。
冬場に限らず、夏場でもエアコンによる冷えに注意しましょう。
意識的に休息しよう
腎機能と睡眠の関係を調べた研究によれば、6〜8時間の睡眠をとっている人が、慢性腎臓病の発症率がもっとも低い結果でした。
睡眠はカラダの疲労回復を促すだけでなく、炎症をしずめ、病気の予防につながります。
むすびに
いかがでしょうか。
腎臓の解毒能力は私たちの健康に必須のはたらきをしています。
ただ腎臓は「沈黙の臓器」といわれるように、検査で異常がわかったときにはもう深刻な状態になっていることが少なくありません。
“健康で長生きしたい”、“人生を自分らしく楽しみたい”、“将来に備えて、いまからメンテナンスしておきたい”。
そんな願いを実現させるために、ぜひいまから腎臓を守る生活を心がけましょう。
ふだんの生活改善に、今回ご紹介した12か条をお役立ていただければうれしいです。
著者のこちらの本もベストセラーとなっており、健康やアンチエイジングに役立つ食事法がわかります。
ぜひ手にとってご参考ください!