こんにちは、ライフケアコーチの大山ふみあき(@ThanksDailylife)です。
今回は次世代の「アンチエイジング」について。
いま多くの人が90歳、100歳まで生きるのが珍しくない時代です。
ただ長生きするだけでなくて、「すこしでも若くいたい」「元気で、好きなことを楽しみたい」と思いますよね。
2021年、長崎大学の研究で「5-ALAが新型コロナウイルスの感染抑制に効果がある」と明らかにされて注目が高まった、天然に存在するアミノ酸のひとつ「5-ALA」。
5-ALA自体は地球が誕生した36億年前から存在したとされ、ヒトや動植物が生きるエネルギーに関わる“生命の根源物質”と呼ばれています。
5-ALAは細胞のミトコンドリア内でエネルギー代謝を促したり、組織のはたらきを活性化させたりします。
近年の研究によって5-ALAの医療分野での活用や、健康・アンチエイジングへのうれしい効果があることがわかってきました。
もともと天然に存在するアミノ酸なので安全性も高く、すでに健康食品やサプリメントでも実用化されています。
そこで今回は、最近注目の「5-ALA」がもつアンチエイジング効果について、体内で働くしくみや実用化の例とあわせて解説します。
年を重ねても元気で若々しい身体をキープするために、ぜひふだんの食生活の改善へお役立てください。
【アンチエイジング】「5-ALA」によるうれしい5つの効果
お肌のハリツヤ、潤いをとり戻す
肌の老化で気になるのは、目元や口元の小じわ、くすみ、たるみなど。
これは年を重ねることで皮ふ細胞のターンオーバー(一定の周期で細胞が生まれ変わる、新陳代謝)が衰えるのが原因。また乾燥や、コラーゲンの減少によるハリや弾力性の低下も重なります。
皮膚科の専門医で美容医療、アンチエイジングに取り組んでいる坪内利江子院長によれば、ALA+鉄を配合した化粧品を使い、10日間で肌の角層の水分量が平均で約1.8倍、弾力は約3倍にアップ。
さらに目尻の小じわが目立たなくなり、皮ふのハリも良くなる結果が得られた1)とのこと。
ALAは分子量が非常に小さく、肌の奥深くまで浸透します。そして肌細胞にあるミトコンドリアでのエネルギー産生を活性化。
このとき「代謝水」という水が副産物としてつくられ、保湿や弾力性が改善されるというしくみです。
薄毛の改善(発毛効果)
薄毛は男性だけでなく、女性の50%も悩んでいるとされ、最近では20〜30代の方にも増えているようです。
髪の毛は毛根からはえた毛が成長してやがて抜け落ち、また新しい毛がはえてくるという周期(ヘアサイクル)をくり返します。
しかし加齢によって毛髪をつくる細胞(毛母細胞など)のミトコンドリアが弱り、若いときほどエネルギーを作り出せなくなるため、ヘアサイクルが機能しなくなってしまいます。
そこで塗り薬やサプリメントでALAを補うことで、毛母細胞内でエネルギーが増加。細胞の働きが活発になり、発毛効果が高まると期待されています。
ALA+鉄のサプリメントはドラッグストアなどでも購入でき、手軽に試せるようになっています。
筋肉量・筋力の衰えの改善
加齢によって筋肉が痩せほそり、体力も落ちていきます。足腰が弱り、立ち座りや歩行が難しくなる「ロコモ(正式にはロコモティブ・シンドローム)」を耳にする機会も増えました。
一般に人の筋肉量は20代をピークとして、その後年齢とともに減少。80歳では、20歳のときと比べて60%程度まで少なくなります。
加齢による筋肉量の減少を「サルコペニア」といい、歩くスピードが遅くなったり、階段を上り下りするのがつらくなってきます。
慶応大学によるマウスをつかった研究2)では、ALAサプリメントがミトコンドリアの量を増やし、その働きを活性化。サルコペニアの病態を改善することが明らかにされました。
また60代女性を対象に、速歩トレーニングと合わせてALAを摂取することで疲労感の軽減や運動効率の改善が認められました3)。
このようにALAが筋肉のミトコンドリア機能を活性化させ、筋肉量や体力の維持・向上につながると期待されています。
すでに加齢による運動量の低下をサポートする機能性表示食品「アラプラス からだアクティブ」として実用化されています。
肥満、生活習慣病(DMなど)の改善
「肥満」は男女を問わず、現代人の大きな悩みの種でしょう。
見た目の問題だけでなく、肥満は糖尿病や高血圧といった「生活習慣病」や、動脈硬化から心臓病や脳卒中など命に関わる病気の引き金にもなります。
加齢によって基礎代謝が低下すると、食べものから取った余ったエネルギーが脂肪として蓄積しやすくなります。
そこでALAの登場。
ALAを摂取することで内臓脂肪の量を減らしたり、脂肪の蓄積を抑えたりします4)。
これはALAによってミトコンドリアでのエネルギー代謝が活性化し、脂肪がエネルギーに変わりやすくなるためと考えられます。
また膵臓でインスリンをつくる細胞を活性化させたり、インスリンが効率的に使われるようになったりすることで、 血糖値を改善する効果5)も明らかにされています。
こうしたALAの働きを活かして、糖代謝をサポートする機能性表示食品「アラプラス 糖ダウン」がお試ししやすい価格で実用化されています。
認知機能の改善、認知症予防
超高齢社会の日本でもっとも危惧されているのは「認知症」でしょう。
「日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究」の推計では、2020年の65歳以上の高齢者の認知症有病率は16.7%、約602万人となっており、6人に1人程度が認知症有病者とされます。
認知症の原因として一番多い「アルツハイマー病」では、脳内で「アミロイドβ」というタンパク質が異常に溜まり、神経細胞が死滅。その結果、もの忘れや妄想が現れたり、日常的な行動ができなくなったりしてしまいます。
北海道大学によるマウスを使った研究6)では、ALAの反復経口投与によりアルツハイマー病の病態が改善することが発見されました。
認知症の根本的な治療薬はまだ研究段階のようですが、「ALAがアミロイドβを作らせない」というのは確かであり、今後の発展が期待されています。
むすびに
以上、5-ALAがもつアンチエイジング効果と、体内で働くしくみについて解説しました。
5-ALAを摂ることで外見や体力、脳機能、生活習慣病予防など、トータルに元気と若さの維持に貢献してくれることがわかります。
5-ALAは身近にある発酵食品や緑黄色野菜などに多く含まれています。
ぜひいつまでも健康で活力ある人生のために、ふだんの食事に5-ALAを含む食品をとり入れてみてはいかがでしょうか。
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参考書籍・文献
- 坪内利江子:「皮膚に対する影響」機能性アミノ酸 5アミノレブリン酸の科学と医学応用.東京化学同人.156-161,2015.
- C. Fujii, et al : Treatment of sarcopenia and glucose intolerance through mitochondrial activation by 5-aminolevulinic acid. Sci Rep 7 : 1-12, 2017.
- S.Masuki, et al : Impact of 5-aminolevulinic acid with iron supplementation on exercise efficiency and home-based walking training achievement in older women. J Appl Physiol. 120 : 87-96, 2016.
- 木戸康博,他:「脂質異常症の治療と予防−エネルギー及び脂質代謝を中心として−」機能性アミノ酸 5アミノレブリン酸の科学と医学応用.東京化学同人.139-143,2015.
- U. Ota, et al : 5-aminolevulinic acid combined with ferrous ion reduces adiposity and improves glucose tolerance in diet-induced obese mice via enhancing mitochondrial function. BMC Pharmacol Toxicol. 18 : 2017.
- C.Omori, et al : Facilitation of brain mitochondrial activity by 5-aminolevulinic acid in a mouse model of Alzheimer’s disease. Nutr Neurosci.20 : 538-546, 2017.
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