あなたは、こんな疑問をもったことはありませんか?
「歳をとっても元気でいる人と、そうでない人の違いって、何なのですか?」
「逆に、若くても疲れ切っている人もいますよね?」
「人生100年時代」といわれる現代ですが、誰しもが100歳まで元気で自分らしい生活を維持できるかどうかはわかりません。
元気で自立した生活を維持できる期間を「健康寿命」といいますが、いま平均寿命と健康寿命とギャップが問題視されています。これは生活に何らかの支援や介護が必要な期間が約9〜13年あるということなのです。
では、「健康寿命を決定づけている要因」は何なのでしょうか?
何が健康寿命を決めているのか?
健康寿命の延伸などを目的として、厚生労働省が始めた国民の健康づくり運動として、「21世紀における国民健康づくり運動(通称、健康日本21)」があります。
健康日本21(二次)で目指す健康づくりの方針には、次の5つがあります(平成26年版厚生労働白書より)。
- 健康寿命の延伸と健康格差の縮小
- 生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底(非感染性疾患の予防)
- 社会生活を営むために必要な機能の維持及び向上
- 健康を支え、守るための社会環境の整備
- 栄養・食生活、身体活動・運動、休養、飲酒、喫煙、歯・口腔の健康に関する生活習慣の改善及び社会環境の改善
このうち、私たち一人ひとりが心がけることで実践できるのは、「生活習慣病の発症予防と重症化予防」でしょう。
具体的には、「栄養・食生活、身体活動・運動、休養、飲酒、喫煙、歯・口腔の健康に関する生活習慣の改善」がカギになります。
そもそも私たちの心と体は、外部環境の変化に対応しながら、一定の体内環境を維持する仕組み「生体恒常性」を有しています。
生体恒常性は、「自律神経系」「内分泌系」「免疫系」の3者(“生体恒常性の三角形”)がお互いに協働しながら成り立っています。
この3者の働きに変調をきたすことで、病気やケガを発症しやすくなります。そして3者に影響を与えるのが、他ならぬ日々の「生活習慣」なのです。
冒頭の疑問(「歳をとっても元気な人と、そうでない人の違いは?」)に答えるなら、それまでの生活習慣による影響が大きいのではないでしょうか(もちろん遺伝性の要因や社会環境も無視できませんが、影響の割合は後天的なものが大きいと言われています)。
例えば、ある日の飲み過ぎや食べ過ぎ、睡眠不足などは、ごくわずかな影響、違い(微差)しかないでしょう。
しかし、このわずかな違いが、後々に大きな違い(健康寿命の差)となって現れるのです。
つまり、「微差=健康」といえます。
一日一日の生活習慣の積み重ねによって生体恒常性が維持され、歳を重ねても元気に過ごせるこころとからだをつくります。
歳を重ねても自分らしく元気に過ごしたいと願うあなたは、ぜひ、“微差(ふだんの生活習慣)”を大事にしていただければと思います。
あなたの健康寿命を守れるのは、あなただけなのですから!