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「心身相関」のしくみを知れば、ストレスに強くなる!|カギは「腸内環境」にあり

こんにちは、大山ふみあき(@ThanksDailylife)です。

 

  • 大事なプレゼンや試験を前に、緊張してお腹が痛くなった
  • イライラしたとき、肩こり頭痛までしてきた
  • 腰痛が長引いて、気が滅入ってしまった
  • 重要なイベントが一段落したら、カゼをひいてしまった
  • 楽しい趣味に没頭していたら、ひざの痛みを忘れていた

そんな経験がないでしょうか?

 

ぼくは13年間、整形外科で働いてきて、そんな症状を訴えられる方が少なくありませんでした。

こころとカラダはお互いに影響しあっているんですね。

ですので、「健康でストレスフリーな人生」を過ごしたいと思ったら、こころとカラダの両方がいい状態(well-being:ウェルビーイング)になければいけません

 

いま、「人生100年時代」といわれます。

かなうならば年を重ねながらも、自分のやりたいことを楽しんでいきたいですよねー「健康寿命」を伸ばす!ー。

 

世界保健機関(WHO)によれば、健康とは次のように提唱されています。

Health is a dynamic state of complete physical, mental, spiritual and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.
(健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、霊的にもそして社会的にも、すべてが満たされた動的な状態にあることをいいます。)

つまり、病気でない≠健康。

 

「健康」とは、心と身体、社会環境、霊性など、人を多角的・統合的にみた概念です。

さらに、“well-being”とあるように、より良く生きる幸福な状態。

しかも心、身体、社会、霊性は単独で作用しているのではなく、お互いに関係しあいながら、変化しながら(dynamicに)、あなたの状態をつくっています

 

つまり、こころとカラダ、社会環境、霊性などがお互いに関連しあうしくみを、ちゃんと知っておくことが健康への近道。

まずは、こころとカラダの関連性−心身相関(しんしん そうかん)−についてご理解ください。

きっとふだんの生活を健康でストレスフリーに生きるヒントになりますよ。

世界中で受け継がれてきた、こころとカラダのつながり

ひとのこころとカラダは、それぞれに分けられるものではなく、お互いに影響しあいながら働いています。

そのしくみを伝える、さまざまな言葉が残っています↓

【心身相関(しんしん そうかん)】

心理と生理との作用・活動が互いに関係あること。

感情は身体にも適応する形で現われ、また、身体の疲労は心理的意識となって反映する(現代日用新語辞典より)

【心身一如、身心一如(しんしんいちにょ、しんじんいちにょ)】

身心ともに充実していること。物事に一心に集中しているさま。

身体と精神は一体であって、分けることはできず、一つのものの両面にすぎないという仏教の考え。

「一如」とは、真理はただひとつである意 (学研四字熟語辞典より)

“人間の心と体の関係は、相互否定的・媒介的なものである“

心と体の働きの間には、一見、はっきりとした相違がある(相互否定的な面)。

その一方で、現実の人間の営みの中では、心と体は、バラバラに動くのではなく、相互に有機的なつながりをもって動いている(相互媒介的な面)。(八木誠一、キリスト教神学者)

つまりカラダに現れている調子や症状は、その患部の問題だけではなくて、こころのあり方や生活が影響した結果だということ。

逆もまたしかり。

例えば、うつ病の治療には週に2回、30分以上の運動をするのが効果的だとされています。

カラダを整えることで、こころ(脳)に働きかけることもできるのです。

心身相関の生理的しくみ

心身相関の生理的なしくみは、次の3者によって成り立っています。

  • 自律神経系
  • 内分泌系(ホルモン)
  • 免疫系

これらはカラダの内部状態が安定するのに重要な働きをしていて、「ホメオスタシスの三角形」といわれます。

*「ホメオスタシス(生体恒常性)」は、環境変化やストレスにあってもカラダの内部がほぼ一定に保たれるしくみ。

こころからカラダへ

こころ・脳の状態は自律神経系や運動神経、免疫系などを通して、カラダの各部分の働きに影響します。

例えば、強いストレスを感じて感情が高ぶると、交感神経が活発になり、心拍数や血圧の上昇、筋緊張の高まり、免疫抑制などが生じます。

“緊張でお腹が痛くなる“、“夜眠れなくなる”というのは、自律神経のバランスが乱れてカラダにあらわれているんです。

カラダからこころへ

一方で、カラダの各部分からの情報は感覚神経や血液、ホルモンなどを通して、こころ・脳に影響します。

例えば、運動不足によって筋肉がこわばっていると、集中力や注意力もダウン。

逆に、運動によって筋肉から分泌される「カテプシンB」という物質は、血液にのって脳に働きかけ、「記憶力」を高めますNHKスペシャル「人体 神秘の巨大ネットワーク」より)

 

また、ぼくたちが喜びや幸せを感じるときに脳内で分泌される「セロトニン」は、そのほとんどが腸内でつくられます。

そのため腸内環境の良し悪しが、メンタルにまで影響。腸内の善玉菌が少ないと精神疾患リスクが高まるという報告もあります(Emiko Aizawa et al、2016)。

 

*心身相関のしくみをイメージしたのがこちら↓

心身相関

健康でいるために、「ストレス」とどうつき合うか

自律神経系、内分泌系、免疫系が“三位一体”となって働くことで、環境の変化やさまざまなストレスに対応して、こころとカラダが健やかにいられます。

そこで「ストレス」への対応も無視できません。

 

ストレスとは、「ストレッサー(ストレスの原因)」が加わったときにカラダに現れる反応ストレス反応のこと。

ストレス反応は、命の危機やカラダに有害なものに対して、“戦うか、逃げるか”を決断する生体防衛反応。

ストレス反応

ただ、それが長引くことでさまざまな弊害が。

とくに現代社会は忙しい生活、対人関係の難しさ、食生活の乱れ、ブルーライトなど、小さなストレスにつねにさらされています。

今ぼくたちが、「毎日をイキイキと、楽しく過ごしたい!」「歳をとっても元気な生活を維持したい!」と思ったら、こころとカラダのいい状態(well-being)をつくる。

そしてストレスと上手に向き合っていくのが、とっても大事です。

こころを壊さないために、ふだんから気をつけるべき「腸内環境」

「ストレス社会」といわれる現代で、こころを壊さないために「メンタルヘルス」の知識と実践が欠かせません。

メンタルヘルスで何をすればよいかは、「脳がどうやって成り立ったのか」を知るのがヒント。

 

人間の脳は、860億個にもなる神経細胞が集まってできています。

神経細胞同士はシナプスで結ばれ、緻密なネットワーク(神経回路)を構成。(理化学研究所ホームページより)

それぞれが電気信号や神経伝達物質の働きによってコミュニケーションをとっています。

思考や判断、感情、意識などもすべて脳内ネットワークの結果なのです。

 

こう聞くと、脳がすべてを司っているかのように思いますが、

実は生物の進化の過程では、脳よりも先に「腸」に神経系ができあがったのです。

 

実際、大腸には脳と匹敵するほどの数の神経細胞が存在

腸のことを「第2の脳」と例えられるほどです。

さらに脳内で作用する神経伝達物質の多くが腸内で作られており、“腸は脳よりも賢い“と述べる研究者もいます。

腸を可愛がれば、脳がよくなる(藤田紘一郎・感染免疫学研究の第一人者)

 

このように脳と腸がお互いに関連しあっているのを、「脳腸連関(のうちょう れんかん)、脳腸相関」といいます。

腸が整えば、脳が元気になる!(脳腸連関)

腸内細菌が脳を育てる

腸内細菌はひとの発達段階で、脳に働きかけます。

腸内細菌を持つマウスと持たないマウス(無菌マウス)で発達の仕方を比べた実験で、以下のことが明らかにされました。

  • 腸内細菌を持つマウスはそのままおとなしい性格に育った
  • 一方で、無菌マウスは攻撃的な性格になり、危険を伴う行動をみせるようになった
  • 無菌マウスに対して発達初期に腸内細菌をうつすと、おとなしい性格に育った
  • 無菌マウスの脳内ではセロトニンやドーパミンなどの脳内物質の量が少なかった

(『こころの免疫学』より要約)

腸内細菌の働きにより、脳内の神経伝達物質の分泌量が変化し、脳の発達や性格形成にまで影響するのです!

若者が「キレやすくなった」と言われる背景に、食習慣の変化(動物性食品の摂取量増加、食物繊維摂取量の減少)により、腸内細菌の量が減っていることが関係しているのではないかと考えられています。

腸内細菌によってストレスに強くなる

腸から神経伝達物質の前駆体を脳に送ることで、気分や精神活動にも影響を及ぼします。

実は「幸せホルモン」セロトニンやドーパミンをつくる材料は、腸から供給されます。

さらにセロトニンの合成に必要なビタミンB6やナイアシン、葉酸などのビタミン類を合成しているのも腸内細菌。

 

つまり腸内環境がわるくなれば、これら脳内で分泌される神経伝達物質が減少し、メンタルもダウン。

実際に、気分障害やうつなどの精神疾患、ストレス耐性、情動行動や学習などの脳機能にも関わっているという研究報告があります。

また腸内細菌はストレスホルモン(副腎皮質刺激ホルモンやコルチゾール)の分泌をコントロールすることで、ストレス反応を抑えるのにも貢献しています。

そのため、腸内環境を良好に保つことが、メンタルヘルスに超重要なんです

 

快調なお腹はストレスコントロールから

自律神経が腸に働きかける

胃腸の動きは、自律神経によって調整されています。

ごはんを食べたり、水を飲んだりすると副交感神経が活発に。

胃腸の運動が盛んになり、食べものの消化・吸収、タンパク質の合成が進みます

 

一方で、交感神経が活発だと、胃腸の運動は鈍くなります

そのため食後すぐ集中する作業や激しい運動を行うと、交感神経が高まって、消化不良を招いてしまいます。

不安や緊張が腸内細菌のバランスを崩す

精神的なストレスが加わった状態が長く続くと、自律神経のバランスが崩れて(交感神経の持続的な機能亢進、副交感神経の機能低下)、消化管の運動に影響を与えます

消化管の運動が低下すれば食べたものが消化不良となり、腸内腐敗が進んで、腸内環境が悪化します。

腸内環境のよしあしを決める「腸内細菌」とは?

腸内環境の良し悪しは、「腸内細菌」で決まる

ひとの腸内には500〜1,000種類、その数100兆個、重さにして1,000〜2,000㌘もの「腸内細菌」が生息しています。

よく耳にする 大腸菌やビフィズス菌も、こうした腸内細菌のひとつ。

腸内に生息する細菌の集まりを「腸内細菌叢(ちょうない さいきん そう)、または「腸内フローラ」と呼びます。

*フローラ(flora)は、“その地域における全植物のまとまり(植物相)”を意味。さまざまな種類の常在細菌がまとまって生息している腸内環境を例えています。

腸内細菌叢はバランスが大事

腸内細菌叢

腸内細菌叢は、「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌(ひよりみ きん)」の集まり。

それぞれの菌群は次のような働きをします。

  • 善玉菌:カラダにとって好ましい働きをするービタミンの合成や消化吸収の補助、感染防御、免疫機能の調整などに作用
  • 悪玉菌:カラダにとって好ましくない働きをするー腸内腐敗を招いて、細菌毒素や発ガン物質、有害ガスなどが発生
  • 日和見菌:健康なときは大人しくして中立を保つが、ストレス状態が続いたり免疫機能が低下したりしたときには、体に悪い作用をする

腸内細菌叢では、これらの菌群が常々勢力争いをしながら、全体の調子を変化させています。

ちなみに、ふだんは感染症を起こさない微生物が原因菌となり発症する感染症のことを「日和見感染」といいます。病院や高齢者施設での集団感染の原因。

 

腸内細菌の働き

腸内細菌の働きはこちら↓

  • 病原菌を排除する
  • 消化を助ける
  • ビタミンを合成する
  • ドーパミンやセロトニンなどの神経伝達物質の前駆体を脳に送る
  • 免疫機能を整える

*前駆体:化学反応などで、ある物質が生成される前の段階にある物質。

腸内細菌は免疫、消化、代謝、メンタルまで、こころとカラダのあらゆる働きに貢献しているんですね!

腸内環境を整えるポイント

加齢によって腸内細菌のバランスが変化

腸内細菌は、ぼくたちがこの世に生まれ出るときに−産道通過や授乳によって−、母親から受け継いだものです。

生まれて数時間後には、腸内に細菌が定着しはじめます。

 

乳児期の腸内で優性を占めるのは、ビフィズス菌。ビフィズス菌は「善玉菌」の代表です。

やがて離乳食を食べ始めると大人の菌叢に変化してきます。

成人の菌叢では、ビフィズス菌の割合は10〜20%になります。

 

さらに加齢によってビフィズス菌が減少し、ウェルシュ菌や大腸菌などの「悪玉菌」が増殖してきます。

そのため日頃から悪玉菌の増殖をおさえて、ビフィズス菌などの善玉菌が優勢になる状態を保つのが、健康の維持・増進のカギです。

忙しい毎日でも、ドリンクなどを活用し効率よく腸内環境を整えましょう。

腸内細菌の勢力図に影響するもの

腸内細菌の勢力図は、食事やストレス、腸のぜんどう運動などによって変化します。

ストレスによって交感神経が活発になると、腸のぜんどう運動がおさえられます。すると、食べたもの消化吸収したり、排泄したりする働きが鈍り、腸内環境が悪化することになります。

さらに、副腎髄質から分泌されるストレスホルモン(アドレナリンやノルアドレナリン)が増加。カテコールアミンの働きで悪玉菌が増殖し、病原性が高まります。

 

動物性食品精製加工食品は、消化に時間がかかり、腸内腐敗を招いて腸内環境を悪化させやすくなります。

最近では、腸内細菌の餌となる食物線維の摂取量が減少することで、若くても腸内環境の良くない人が増えているといいます。

 

加齢によって、胃腸管の蠕動運動(食物塊を送り出す運動)が鈍くなると、腸内に食物塊が残ってしまい、腐敗して腸内環境を悪化させます。

 

一方、腸内細菌のエサである食物線維を豊富に食べたり、生きた細菌類を取りこむプロバイオティクスなどの食事により、腸内細菌のバランスが整えられます。

食物繊維はほとんどの日本人で必要摂取量を満たしておらず、野菜や根菜類、海藻類などから積極的に摂りたいものです。

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まとめ

  • こころとカラダはお互いに影響しあって、健康が維持されている。
  • 「心身相関」のしくみを知ることで、健康でストレスフリーな生き方につながる。
  • 心身相関のしくみは、自律神経系・内分泌系・免疫系によって支えられている。
  • とくに「腸」は脳にも匹敵するほどの神経細胞が集まっており、脳の働きと密接につながる。
  • 腸内環境を良好に保つことが、気分や集中力に好ましく作用する。

むすびに

いかがでしょうか。

こころとカラダの関連性−心身相関−のしくみや、ストレスとの付き合い方、腸内環境を整えることで脳に好ましい影響があることなどをまとめました。

さらに大事なのは、そうした行動を「習慣」にしていくことです。

正しく知って、実践する。

そのくり返しによってハッピーな人生がつくられます。

カラダが健康で、気分も心地よい毎日をお過ごしいただくために、心身相関の知識をご活用いただければ嬉しいです。

 

PS

こころを整えるために、「運動」も欠かせません。

いまはご自宅にいながら、自分のペースでできるレッスンもあるので、上手にご活用ください!



 

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