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【レポート】院内研修「心身相関をリハビリテーションに活かす」

  • 2019年9月19日
  • 2020年9月5日
  • 雑記

こんにちは(^^)ふみあきです。

先日、西都市の病院でリハビリテーション部内研修としてお話しさせていただきましたので、その様子をレポートします。

テーマは、「心と身体のつながり(心身相関)をリハビリテーションに活かす」

ふだんから患者さんの身体症状の緩和や動作能力の向上に腐心されている療法士の皆さまに、身体に現れる心の影響や、身体への介入が心に与える効果についてお伝えいたしました。

古今東西に語られる、心と体のつながりの大切さ

セミナー風景

人の心と身体は、分けても分かちがたく相互に影響しあいながら機能しており、古今東西で語られてきています。

心身一如、身心一如(しんしんいちにょ、しんじんいちにょ)

身心ともに充実していること。物事に一心に集中しているさま。身体と精神は一体であって、分けることはできず、一つのものの両面にすぎないという仏教の考え。「一如」とは、真理はただひとつである意 (学研四字熟語辞典より)

“人間の心と体の関係は、相互否定的・媒介的なものである“

心と体の働きの間には、一見、はっきりとした相違がある(相互否定的な面)。その一方で、現実の人間の営みの中では、心と体は、バラバラに動くのではなく、相互に有機的なつながりをもって動いている(相互媒介的な面)。(八木誠一。キリスト教神学者)

心身相関(しんしんそうかん)

心理と生理との作用・活動が互いに関係あること。感情は身体にも適応する形で現われ、また、身体の疲労は心理的意識となって反映する(現代日用新語辞典より)

つまり身体に現れた症状や特徴は、その患部だけ構造的な問題だけではなくて、心のあり方や生活習慣も影響した結果だということ。

逆もまた然り。うつ病の治療に運動が有効であると明らかにされているように、身体へ介入によって心(脳)に働きかけることも可能なのです。

心と身体、その両面から人の健康をみていくことで、よりその人に寄り添ったリハビリテーションの関わり方がみえてきます。

心身相関の生理学的メカニズム

心身相関のメカニズム

脳・心の状態は自律神経系や運動神経、免疫系などを通して、身体の各器官の働きに影響を及ぼします。例えば、脳で情動反応や強いストレスを感じると、交感神経の活動が高まり、心拍数や血圧の上昇、筋緊張の高まり、免疫抑制などが生じます。

一方で、身体各器官からの情報は感覚神経や血液、ホルモンなどを通して、脳・心に影響を及ぼします。例えば、運動不足によって筋肉が強張っていると、脳の覚醒度も下がってきます。逆に、運動によって筋収縮が生じると、筋肉から分泌される神経伝達物質が脳で作用し、記憶力を高める効果があることもわかってきています。

心身相関を生理学的に支えるメカニズムは、「自律神経系」、「内分泌系(ホルモン)」、「免疫系」であり、これらは“ホメオスタシスの三角形”といわれます。

自律神経系、内分泌系、免疫系が三位一体となって働くことで、外部環境の変化やさまざまなストレスに対応して、心と身体の健やかな状態を維持できるようになっているのです!

また心身相関を考えるときに外せないのが、「ストレス」との向き合い方。

ストレスは、ストレッサー(ストレス因子)が身体に加わった際に身体に現れる反応(ストレス反応)ととらえることができます。

ストレス反応は、身体に有害な刺激に対する生体防御の一種ですが、それが長引くことでさまざまな弊害がもたらされます。ストレスとの上手な付き合いかたを身につけることで、毎日を心地よく過ごすことにつながります。

ストレス反応

心身相関をリハビリテーションに活かすには

評価

目の前の対象者にとって、心と身体がどんなふうに影響しあっているのか。それを推察するうえで、まず大切なのは、「相手話をよく聞く(傾聴)」ことです。

“いま何かストレスを抱えていないか、そして過去の執着を引きずっていないか、将来に不安を抱えていないか”など、本人の感情を共有していきます。

よく話を聞いたうえで、次のような身体症状が現れていないかをチェックしていきます。

  • バイタルサインや呼吸が乱れていないか
  • 表情や肌質、血色は悪くないか
  • 睡眠障害がないか
  • 頭痛やめまい、耳鳴りはないか
  • 手汗のかき方が異常でないか
  • 異常に上下肢の筋緊張が高まっていないか
  • 姿勢が崩れていないか
  • 背部の筋が硬直していないか

上記はいずれも、自律神経のバランスが崩れたときに現れるサイン。とくに交感神経が活動異常をおこしていと思われるので、メンタル面への配慮も頭におきながら介入をしていきます。

治療

心身相関による身体の痛みや動かしづらさを改善していくときの介入ポイントは次の2つ。

  1. 姿勢筋緊張を適正化する
  2. 有酸素性能力を高める

すべての運動において姿勢の制御が随伴しており、先行する姿勢制御がない限り、意図する運動を実行できない(高草木、2009)

といわれます。

そして重力下で姿勢を維持するために働いているのが「筋緊張」であり、筋緊張の適正化がスムースな動作実施に不可欠。筋緊張も交感神経の活動によって高まります。心身相関がつよい方にとっては、筋緊張を適正に維持することがとくに重要になってきます。

☆【深堀り】→姿勢と動作の成り立ち−筋緊張制御の仕組み−

有酸素性能力は自律神経のパワーと直結します。体力が低下すると、日常の動作が無酸素性代謝となり、交感神経の活動異常をきたします。有酸素運動をメニューに取り入れ、自律神経の機能を高めることが、心身相関による症状を和らげるのに有効です。

参加者の声

今回の部内研修にご参加くださった方から、次のような感想や質問をいただけました。

  • セラピストとしてのdual task(傾聴をしつつ心を考える)を高めていきたい
  • 患者様から受け取ったエネルギーをセラピストはどこで発散すれば良いのかを知りたい。
  • 内臓や食事法についての細かい話を聞きたい
  • 本人の生活習慣を変える行動変容はどのように進めるのか
  • セラピスト自身の心を整えるにはどうするのか

参加者ご自身で身体の変化を体験していただいたり、歓談タイムのなかで意見や感想をシェアしたりなど、和気あいあいとした雰囲気で進行できました。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。また本研修をコーディネイトいただいた皆様に感謝申し上げます。

朝日

セミナー関連情報

今後も「心と身体の健康」を実現するために必要な、知識やスキルをお届けできたら嬉しいです。セミナーのご依頼などは、本ブログ「お問い合わせ」欄からご連絡お待ちしています。

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☆心身相関のカギは自律神経にあります。自律神経と日々の健康管理術について詳しくはこちらの書籍が参考になります!

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