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“背骨”を動かして健康になる。Part 2(その1):動作に必要な力の源となる

こころとからだの健康に関わる三者(「心」「骨・筋」「内臓」)を取りまとめる存在として背骨をキーマンに取り上げ前回は「Part 1:背骨の形態の意義」について書きました。

本来の(健康なときの)背骨は、3つの生理的弯曲によるS字カーブの形態をしています。この形態によって体の重心バランスを調節し、重力環境下の中でも姿勢を保持することに役立っています。

【姿勢・動作の中心としての背骨】

  1. 姿勢の屋台骨を支える
  2. 動作に必要な力の源(エンジン)となる
  3. “固定源”として四肢の土台となる
  4. “反作用力の緩衝機能”に優れる

Part 2の今回は、背骨の機能(働き)についてまとめます。

背骨から手足へ力を伝えることで動作が成り立つ

ひとの動作が成り立つには、“力”が必要です。物理学において力とはエネルギーであり、物体が移動するとき、そこにエネルギー(力学的エネルギー)が働いています。力学的エネルギーは、速さを持って運動している物体がもつ運動エネルギーと、高さなど物体の位置で決まる位置エネルギーからなります。

動作のカギは重心コントロールにあり!

メディアでもスポーツ選手が“体幹トレーニング”に励む様子をよく目にするように、体幹の重要性が広く認識されるようになってきています。しかし“体幹トレーニング”として、ある一定の姿勢をキープするだけでは充分とはいえません。

カギは、重心のコントロールにあります。効率のよい動作には、スムースな重心移動が不可欠です。

重心とは物体の各所に働く重力の中心点(質量中心)であり、人の体においては、骨盤内に重心が位置します。

重心の位置

 

そして重心が支持基底面を外れることで、人は動き出すことができます。姿勢の変化に伴い、身体の各関節には関節モーメント(トルク)が発生することで筋活動が生じ、目的動作が遂行されます。このように動作とは重心の移動に伴う姿勢変化の連続だといえます。

*支持基底面:体重を支えて姿勢を保持するために必要な床面積のこと。立位姿勢では、足の裏で囲まれた面積を指す。この支持基底面が広いほど、物体は安定する。同一姿勢を保持して安定しているとき、身体重心を床面に垂直に下ろした点(足圧中心)は支持基底面の範囲内に存在する。

重心コントロールに寄与する背骨の重要性

重心移動をスムースにするには、姿勢の中心である背骨が柔軟に動くことが必要条件です。

背骨を動作の力源、いわばエンジンとして背骨から末端の手足へ力を伝達していくことで動作が成り立つといえます。

決して腕っ節が強いから速いボールを投げられたり、太ももを鍛えたら速く走られる、というわけではありません。背骨を柔軟に(しなやかに)使って手足へ力を伝えているからこそ、高いパフォーマンスが発揮されるのです。どんな動きにしても、中心部から末端へ力を伝える全身運動をしているのです。

また指先の細かな動きほど、背骨の精緻な動き(姿勢制御)が必要となります。ミリ単位の動きには、ミリ単位の姿勢制御が求められます。

歳を重ねるにつれ、「指先がかなわなくなった(細かい作業が苦手になった)」という声を聞くことがあります。これは加齢によって背骨が固くなり、精緻な姿勢制御が難しくなることも一因と考えられます。実際に研究で、高齢者に対して背骨の柔軟性を回復することで、手指の敏捷性・巧緻性が改善することを確認しました。それほど背骨での重心コントロール(姿勢制御)が動作に与える影響が大きいのです。

エネルギーを生み出すための“体幹”

先ほど上げた「力学的エネルギー」のうち、位置エネルギーは「質量(m)×重力加速度(g)×高さ(h);mgh」で算出され、運動エネルギーは「1/2×質量×速さ(v)2:1/2mv2」で算出されます。位置エネルギーと運動エネルギーの和が力学的エネルギーとなります。

より重いものが、より高いところから、より速く動くときに大きなエネルギーが発生しているといえます。

そこで大きなエネルギーを生み出すために、質量の多い体幹の筋量が必要であり、重心を素早く動かすための体幹の筋力発揮が必要となるのです。これが“体幹トレーニング”が重要視される訳だと考えられます。

まとめ

ひとの動作が成り立つための背骨の機能についてまとめました。

効率のよい動作には、スムースな重心移動が必要であり、背骨の柔軟性がそれに貢献しています。背骨を力源(エンジン)として、身体の中心部から末端の手足へ力を伝達することで動作が遂行されます。

より速い、より強く、より円滑に動くような高いパフォーマンスを発揮するためには、より精緻な重心コントロール(姿勢制御)が必要であり、そのための体幹トレーニングが有効となります。

*重心移動から動作が成り立つ機序について、こちらもご参考ください→『あなたの「正しい歩き方」は⁉︎「形」ではなく、「機能」に着目する』

最後までお読みいただきありがとうございます。

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