こんにちは、大山ふみあき(@ThanksDailylife)です。
「寒くなるとお尻が痛くなって…坐骨神経痛かな」「お尻をテニスボールでコリコリすると気持ちいい」という声をお聞きします。
お尻や足の痛みがあるとき、「坐骨神経痛」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
ただ坐骨神経痛の原因や症状についてはちゃんと知られていないもの。
そこで今回は、知っているようで意外と知らない「坐骨神経痛」の症状と原因、自分でできるセルフケアについて解説します。
坐骨神経痛の症状と原因
坐骨神経痛は、「症状」の総称であって、「病名」ではありません。
坐骨神経痛の原因は、若年壮年者では「腰椎椎間板ヘルニア」が多く、高齢になると「脊柱管狭窄症」が多いです。
これらは医療機関で画像検査(レントゲンやMRIなど)をすることで診断。
腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄狭窄症では、足の筋力が落ちたり、皮ふの感覚が鈍くなったりといった症状が現れます。
そのため足先がつまづきやすくなったり、足のキズに気づきにくかったりします。
しかし中には、「腰には問題ない」と言われたり、「ヘルニアの症状と一致しない」場合があります。
こんなとき、坐骨神経痛を引きおこすもう一つの病態として、「梨状筋症候群(りじょうきん しょうこうぐん)」に注目すべき。
ぼくは理学療法士として10年以上リハビリの現場で働いてきて、梨状筋症候群からくる坐骨神経痛を訴える方がとても多かったです。
梨状筋症候群と坐骨神経痛の関係は?
坐骨神経は脊髄(腰のあたり)から出て、骨盤内(お尻の深く)をとおり、つま先まで伸びていきます。
この坐骨神経が圧迫されるなどの刺激を受けると、腰やお尻、 太もも、ふくらはぎや足の先などに、“電気が走った”ような痛み、“ジリジリする”しびれ、強くこわばっている感じなどの症状が現れます。
「梨状筋(りじょうきん)」とは、お尻の奥深くにあり、坐骨神経の表層をおおっている筋肉です。
ですので、梨状筋が過剰に緊張することで坐骨神経を圧迫してしまいます。
梨状筋の過剰な筋緊張による坐骨神経の圧迫症状。これが「梨状筋症候群による坐骨神経痛」の正体です。
“長く座っているとお尻が痛くなる”という方は、骨盤・腰をサポートするクッションを利用するのもいいでしょう。
やわらかくサポートすることで梨状筋にかかる圧迫をやわらべることができます。
腰の痛みに最適な薄型クッション「ソルボらく楽コンフォートマット」
☆坐骨神経痛の原因「梨状筋」をゆるめるセルフストレッチはこちらの動画から↓
梨状筋が過剰に緊張してしまうメカニズム
過剰に緊張した梨状筋が坐骨神経を圧迫して症状が起きているので、梨状筋をほぐすことで一時的に症状は和らぎます。
しかし梨状筋の緊張が高まるのにも、ちゃんとした「理由」があるのです。
実は、梨状筋症候群の患者さんの多くが、背中の筋肉がカチコチに固まり、体幹の柔軟性が低下している特徴があります。
梨状筋症候群の根本的な問題は、体幹を中心とした姿勢バランスの乱れ。
そもそも全身の筋肉は、バランスのよい姿勢をたもつために必要な緊張を維持しています(姿勢筋緊張)。
姿勢筋緊張によってカラダの重心をコントロールし、不安定なところでも立ったり、動いたりできるワケです。
ところが現代では、座りっぱなしや運動不足、ストレスなどによって体幹の筋肉がコチコチに。
そうすると背中の筋肉の緊張にひっぱられるように上半身重心が後方にズレてしまいます。
上半身重心が後方へ偏位するのに対応して、骨盤は前方(お腹側)へ偏位し、かつ後傾した(お尻の落ちたような)格好となります。
この姿勢は「スウェイバック(sway-back)姿勢」と呼ばれ、不良姿勢の典型です。
スウェイバック姿勢になると、梨状筋をはじめとしたお尻まわりの筋肉がギュッと緊張。
前方へズレていく骨盤を、梨状筋たちが必死にブレーキをかけているんです。
ですので坐骨神経痛のメカニズムをまとめると、
- 背中の筋肉が固くなり、上半身の重心が後ろに傾く
- 骨盤が傾き、下腹を突きだした姿勢になる
- 骨盤まわりの筋肉(梨状筋)が緊張し、坐骨神経を圧迫する
- 坐骨神経のとおるお尻から足にかけてしびれや痛みがおきる
姿勢のくずれに対応した梨状筋が、その深層をとおる坐骨神経を圧迫して、しびれや痛みをひきおこします。
つまりは、梨状筋の過剰な緊張をまねくような「姿勢のくずれ」が根本原因。
そのような姿勢のくずれは、「体幹筋の硬さ」から始まります。
柔軟性の低下した体幹では、重心のコントロールができなくなるから。
坐骨神経痛をラクにする!理想の姿勢をとりもどす方法
坐骨神経痛を根本から解決する手順はこちら↓
- 背骨を中心とした体幹の柔軟性をとりもどす
- 後方にズレていた上半身重心が正常化する
- 梨状筋の緊張がゆるむ
- 坐骨神経の圧迫が解除され、症状がラクになる
そのためには何よりも、姿勢のくずれの原因となっている体幹筋の緊張をやわらげ、柔軟性をとりもどすことです。
体幹柔軟性が回復すれば、重心バランスを取るために骨盤を偏位させて対応する必要がなくなり、梨状筋などの骨盤・股関節周りの筋が過剰に働かなくても済むようになります。
\体幹筋の柔軟性をとりもどし、理想の姿勢をつくるストレッチはこちらをご覧ください↓/
むすびに
いかがでしょうか。
坐骨神経痛をひきこおす「梨状筋症候群」について、その病態とセルフケア、根本的解決法についてご紹介しました。
背骨を中心とした体幹をよく動かして、美しい姿勢を維持していきましょう。
また姿勢づくりには、睡眠や栄養といったふだんの生活習慣も影響します。
ぜひ生活習慣からトータルに整えていただき、「健康でストレスフリー」な人生を実現させてください🍀
*しびれや痛みが長引いたり、ひどくなったりする場合は早めに医療機関を受診するようにしてください。
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