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下肢筋力を簡単に評価する方法

【下肢筋力評価】臨床で使える簡易的な方法|立ち上がり動作による体重支持指数(WBI)測定

こんにちは、大山ふみあき(@ThanksDailylife)です。

 

スポーツ選手の競技能力、働く人の体力維持、高齢者の日常生活能力や転倒リスクなど、臨床のあらゆる場面で「下肢筋力」が重要です。

その人にあった適切なトレーニングをするうえで、まずは正確に「評価」しなければいけません。

もちろん大がかりな測定機器を使えばより正確な結果が得られるでしょう。

ただそのような測定機器は高額であり、どこでも誰しも使えるわけではありません。

 

臨床で簡易的に、かつ客観的に下肢筋力を評価する方法として「立ち上がり動作」があります。

これからのトレーニング強度の設定トレーニングの効果判定移動能力や日常生活自立度の予測などにご活用いただけます

  • 片脚立ち上がりテスト
  • 30秒間椅子立ち上がりテスト(CS-30)
  • 虚弱高齢者用 10 秒間椅子立ち上がりテスト(Frail CS-10)
  • 5回立ち座りテスト(FTSS)


筋力の指標となる「体重支持指数(weight bearing index:WBI)」

筋力を評価するうえで指標となるのが、体重支持指数(weight bearing index:WBI)

WBIは「大腿四頭筋」筋力の体重比で算出され、全身の筋力と相関し、重力下で自身の体重を支えられるかどうかを示します。

WBIは重力下での全般的な運動機能やパフォーマンスレベルとも関連し、健常なスポーツ選手であれば少なくともWBI 100は欲しいところ。

片脚立ち上がりテスト

WBI
「片脚でギリギリ立ち上がれる台の高さ」によって下半身の筋力(WBI)を推定します。片脚での立ち上がりが難しい場合に両脚で行います

WBIを測る簡便なやり方が台から片脚で立ち上がるという方法で、「ギリギリ立ち上がれる高さ」によって筋力を判定。

きるだけ低い高さの台から立ち上がれるほど、下半身の筋力値(=WBI)が高いことを意味します。

 

[WBIの判定]

高さ10cmの台から片脚で立ち上がれる:WBI 100

高さ20cmの台から片脚で立ち上がれる:WBI 90

高さ30cmの台から片脚で立ち上がれる:WBI 80

高さ40cmの台から片脚で立ち上がれる:WBI 60

40cmの高さが難しければWBI 60未満であり、運動は軽いウォーキングから始めるのが奨められます

 

片脚での立ち上がりが難しい方には、両脚で立ち上がる方法もあります。

両脚で行う場合の判定は、高さ10cmの台:WBI 50、20cm:WBI 45、30cm:WBI 35、40cm:WBI 30となります。

 

立ち上がりテストは「ロコモ度テスト」にも用いられます。

どちらか一方の片脚で高さ40cmの台から立ち上がれなければ「ロコモ度1」、両脚で20cmの台から立ち上がれなければ「ロコモ度2」という判定。

 

\↓立ち上がりテストには、高さ調節のできる「踏み台」があると便利です↓/

 

ロコモティブシンドローム、サルコペニア、フレイルの違いは?判定方法を理学療法士が解説

30秒間椅子立ち上がりテスト(30 seconds chair-stand test:CS-30)

CS30は両腕を胸の前で組んだ姿勢で「30秒間に高さ40cmの椅子から何回立ち上がれるか」を測るものです。

性別と年齢毎の基準値が示されており、その基準値を参照して自身の体力レベルを評価します。

CS30は日本人高齢者においても信頼性と妥当性が認められた評価として、体力テストに広く用いられています。

 

筋力測定機器を用いた結果とも相関し、下肢筋パワーや筋持久力を評価することが可能です。

CS30の結果は転倒リスクとも関連が認められ、14回を下回ると転倒リスクが高いといわれています。

片麻痺者の最大歩行速度や生活自立度との関連も報告されています。

虚弱高齢者用 10 秒間椅子立ち上がりテスト(Frail CS-10)

体力の低下した高齢者では、CS-30では負荷が強すぎることもあります。

そのときは「虚弱高齢者用 10 秒間椅子立ち上がりテスト(10 seconds chair-stand test for elderly:Frail CS-10)」が行いやすいです。

Frail CS-10はCS-30と同様の方法で、実施時間をより短くし、さらに手を膝についても構わないとすることで、体力の低下したご高齢の方でも実施しやすいメリットがあります。

 

基準値として病棟内自立歩行の許可2.5回(78.7歳)、通所リハビリテーション施設に通う高齢者(75.7歳)の平均3.6回であったなどの報告が参考になります

Frail CS-10においてもWBIとの相関がみとめられ、最大歩行速度や動的バランス能力、日常生活動作能力と関連することが報告されています。

5回立ち座りテスト(five-times-sit-to-stand test:FTSS)

FTSSは、高さ40cmの台から素早く5回立ち座り動作を行い、その所要時間を測るテストです。

FTSSの所要時間と下肢筋力や動的バランス能力、最大歩行速度が相関するとされます。

少ない回数で下肢筋力を推定できるため、体力の低いご高齢の方にも実施しやすいメリットがあります。

 

FTSSの各年代平均値は地域在住者で、50歳代6.1秒、60歳代7.0秒、70歳代7.8秒、80歳代9.9秒であったという報告や、FTSSが15秒以上で転倒リスクが高まる、17秒以上で移動制限、入院、死亡のリスクが高まることなどが報告されています。

地域在住高齢者においてフレイルに陥るリスクを早期に見つける上でも、FTSS 10秒以内が目安とされます。


むすびに

臨床で使える下肢筋力を簡便に評価する方法をご紹介しました。

下肢筋力は、歩く、立ち上がる、階段上り下りなどの移動能力に直結します。

 

これから運動を始めようという方に対しても、個人の筋力レベルに応じた負荷強度の設定が重要です。

運動未経験者がいきなりランニングを始めるなど、自分の体力レベルと不釣り合いな運動はケガのもとであり、長続きしません。

 

テストの注意点として、決して痛みをこらえてまで行ってはならないということです。

痛みはその時点で関節運動や筋の不具合を示し、身体を守るための警告でもあるからです。

 

今回ご紹介した各テストは地域在住の高齢者だけでなく、さまざまな疾患を有する高齢者にいたるまで幅広く、その妥当性が検証されています。

経時的に測定を実施することで、リハビリ患者や地域在住高齢者の体力・筋力の変化をとらえることもできます。ぜひご活用ください。

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参考文献

[WBIについて]

  • 山本利春、村永信吾:下肢筋力が簡便に推定可能な立ち上がり能力の評価、Sportsmedicine, NO.41:38-40, 2002。
  • 嵩下敏文、脇元幸一:Spine Dynamics療法。新人・若手理学療法士のための最新知見の臨床応用ガイダンス(嶋田智明、他 編)、pp93-102、2013、文光堂。

[CS-30について]

  • Jones CJ, Roberta ER, William CB, et al.: A 30-s chair-stand test as a measure of lower body strength in community-residing older adults. Res Q Exerc Sport 70: 113-119, 1999.
  • 中谷敏昭、他:30秒椅子立ち上がりテスト(CS-30テスト)成績の加齢変化と標準値の作成。臨床スポーツ医学20:349-355、2003。

[Frail CS-10について]

  • 村田伸、大田尾浩、村田潤、他:虚弱高齢者用 10 秒椅子立ち上がりテスト(Frail CS-10)との ADL と の関連.理学療法科学 26(1):101-1042011.

  • 谷口千明、森川真也:5回立ち上がりテストの有用性についての検討。理学療法学Supplement C3P3353、2008。

[FTSSについて]

  • Lord SR, Murray SM, Chapman K, et al.: A Sit-to-stand per- formance depends on sensation, speed, balance, and psycho- logical status in addition to strength in older people. J Gerontol A Biol Sci 57: p539–543, 2002.
  • 牧迫飛雄馬、太田暁美、瀬高英之・他:虚弱高齢者にお ける身体運動機能評価を目的とした 5 回椅子立ち座りテス トの改良とその信頼性の検証.スポーツ科学研究5: p71–78, 2008.
  • S. Buatois, D. Miljkovic and P.Manckoundia, et al, “Five times sit to stand test is a predictor of recurrent falls in healthy commu-nity-living subjects aged 65 and older”, Journal of the American Geriatrics Society 56:pp.1575-1577, 2008.

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