先日はこれから臨床実習にのぞむ学生に向けて「理学療法士のための臨床実習を乗り切る3つの心構え」という記事を書きました。
「すべては学びのプロセスにある」と考えることで、この経験を将来に生かしていただきたいのです。
では指導者側においては、どんな心構えで学生と接するのが望ましいのでしょうか。
学生の性格や能力もさまざまであり、その接し方にヤキモキした経験をされた指導者は少なくないと思います。
臨床実習指導者の3つの心意気
臨書実習指導者を10年間やってきて、私が気づいたのは、次の3つです。
- 指導者は火つけ役に徹する
- 学生のタイプを見極める
- 「待つ」のが大事
今回は、「1。指導者は“火つけ役”に徹する」について書きたいと思います。
指導者は“火つけ役”に徹する
臨床実習に出てくる時期に、「理学療法士は何するものぞ!」とわかっている学生はそれほど多くはないのではないでしょうか。
漠然とこんな仕事(筋トレする、歩かせる、関節を動かす、スポーツ関連など)というイメージはもっていても、
「筋トレや関節運動のそのさきに、目の前の患者さまのどんな生活や人生を想像してサービスを提供しているのか」
「理学療法士は、働きながらどんなビジョンを描いているのか」
「どんな多様な働き方があるのか」といった、
深層の部分まで想像できないでしょう。
私は、不安を抱えて臨床実習に出てくる学生に対して、指導者は「火つけ役」になることで、今後の学習がスムースに進むよう後押ししたいと思うのです。
「理学療法士ってこんなすばらしい仕事なんだ」「わたしも頑張ってみたい!」と思ってもらえたら、
自然ともっと勉強したいと思うようになります。
そのためには、指導者は背中で見せるのが有効だと思います。
眼の前の患者さまに一所懸命になって、汗水たらして、その人の生活をどうにかしたいと奮闘している。
患者さまの治療でわからないことがあれば、文献をめくって常に学んでいる。
将来の医学の発展のために、働きながら研究もやっている。など
国家試験に受かってからも学び続けている。むしろ、それからが本番で、生涯にわたり学び続ける。
臨床家としては何より、理学療法によって患者様の機能が変化し、喜んでくださっている。患者さまが喜んでくだされば、自分も嬉しい。
その喜びの感情を共有できれば、学生の胸にも響きやすくなります。
「教えてやろう」と意気込むよりも、その学生自身のうちに眠る闘志に火をつけることが、今後の知識・技能の研鑽にとって大事なことだと思います。
そのカギは、指導者自身が一所懸命に理学療法に取り組んでいる背中を見せ、学生も一緒に喜びの感情を共有していくことではないでしょうか。
魚を与えるよりも、釣り方を教えなさい(老子) のように。
もっといえば、メンタリティに関わる部分です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました😊
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