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『自己医療』のすすめ -痛み不調は体からのシグナル-

さて、治療にかかったかどうかは別にしても、「これまで何の痛みやケガも経験したことはない」という方は少ないと思います。

実際にわが国における、病気やけがなどで何かしらの自覚症状のある者(有訴者)の割合は約30%にのぼります。症状の内訳をみると、男女とも「腰痛」「肩こり」が第一位、二位を占めています(国民生活基礎調査の概況。厚生労働省、平成28年)。

管理人は整形外科の理学療法士として働いていますが、からだに何らかの不調や痛みを抱えることで、ふだんの生活に支障をきたしたり、仕事やスポーツができなかったりして悩むのは心苦しいものです。

生活習慣の結果が身体の症状として表れる

運動器(関節や筋肉、靱帯など)の痛みを訴えてリハビリに来られた患者さまにお伝えしたいのは、ふだんの生活習慣の結果が体の症状として現れる、ということです。生活習慣とは食事、睡眠、運動に加え、個人の考えや働き方など心理社会的な要因も含まれます。

不規則な生活(偏った栄養や食事法、運動不足、夜更かしなど)やネガティブな思考が続くことで、自律神経のバランスが乱れ、不調をきたします。 

生活習慣や思考が身体の症状として現れるのは、スピリチュアルなものではなくて、生理的にたしかなプロセスに則ります。

例えば、身体の筋肉の緊張感(いわゆる“こり”)は、大脳基底核という部位で調節されています。大脳基底核は本能を司るのに加えて、思考を司る大脳新皮質や、感情に関わる大脳辺縁系、自律神経の中枢である視床などとも連絡しあいます。つまり、自律神経の働きや情動(強い感情)も筋緊張へ影響するということなのです。

身体に現れた症状は、 “このままの生活していたら、この先ヤバイよ”というメッセージだとも考えられます。

ストレスを受けると交感神経の活動が高まります

日々、あなたの身に起こる出来事や対人関係などの悩み、暑さ寒さや音・においといった外部環境に対して、身体は自律神経の働きによって柔軟に対応しています(寒いときに筋肉を振るわせるように)。

あなたの自律神経の働きで対応できないほどの出来事は「ストレス」となり、脳で感知されます。脳で感知されたストレスは、自律神経系や内分泌(ホルモン)系などに影響を与え(とくに交感神経の働きが高ぶる)、体調に変化をきたしたり、睡眠や感情に影響を及ぼしたりします(不眠やイライラなど)。

脳がストレスを感知すると、副腎皮質から副腎皮質ホルモンが分泌されます(HPA系)。同時に、交感神経が支配している副腎髄質からアドレナリンなどのストレスホルモンが分泌されます。

これらのホルモンには、血糖値上昇、血圧上昇、免疫抑制、胃酸分泌促進、覚醒、筋緊張亢進などの作用があります。そのためストレスを受け交感神経が優位が続くことで、さまざまな不調や痛みにつながりやすくなります。

ふりかえり
あなたの体の声に耳を傾けてみてください

交感神経の過活動によって痛みや冷え症、胃腸の不調、不眠などにつながります

こころとからだがストレスを受け続けたときに実感されやすい体調変化には、筋肉のこりや倦怠感(重だるさ)、胃腸の不調、頭痛などがあります。

例えば、長時間の集中した仕事や多忙な生活などで交感神経の優位な状態が続くと、血管が収縮し、手足末端の血流が悪くなります。すると、温かい血液や全身に行き届かなくなり冷え症につながります。

血液は酸素も運んでいるため、血流が滞ると組織の代謝がうまくいかず、疲れやすくもなります。同時に、血液中の老廃物や疲労物質が排出されなくなるため、筋肉の痛みやこりを招きます。

また内臓の働きは自律神経によってコントロールされています。食後には副交感神経が優位に働くことで胃や腸が活発に働き、消化吸収を促します。

ところがストレスが続いたり、食後すぐに集中する仕事に戻ったりすると、交感神経の働きが高いままなので消化吸収が妨げられます。消化吸収が妨げられれた結果、胃のもたれやムカつき、下痢や便秘などを引き起こしやすくなるのです。

その他にも交感神経を優位にさせる生活は、不眠やうつ、免疫力低下など、さまざまな不調を引き起こしたり、治りを悪くしたりする場合が少なくありません。

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あなたの心と体を守れるのは、あなただけ!「自己医療のすすめ」

まさに痛みや不調は、「生活の赤信号」ともいえます。真に健康であるためには、あなたの身体の声に真摯に耳を傾けていただければと願います。

すでに何らかの痛みや不調をきたしている場合には、身体の治療と併行して、ご自身の生活習慣を振り返っていただきたいと思います。例えば、

  • 睡眠は足りていたかな
  • 飲み会が続いて飲み過ぎ食べ過ぎだったかな
  • 詰め込みすぎたスケジュールで、いつもバタバタしていなかったかな
  • 気に触るあの人のことで、イライラしがちだったかな など

このような生活習慣を整えることで自律神経のバランスや免疫力を回復させ、本来の調子をとりもどすプロセス「自己医療」といいます。

自己医療に取り組んでいただくことで、痛みや不調を早く解消し、本来の生活を取り戻します!仕事やスポーツであれば、集中力が高まりコンディションが整うことでベストパフォーマンス発揮につながります。

あなたの心と体を守れるのは、あなただけなのです。自己医療で、ストレスをストレスと感じない心と体づくりを目指していただければ幸いです。

本ブログでは引き続き、こころとからだの健康に役立つ情報をお届けできるよう努めます!

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