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“坐骨神経痛”の鑑別!腰椎椎間板ヘルニアと梨状筋症候群を見分ける

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こんにちは、ふみあき(@ThanksDailylifecです。

今回は、整形外科のリハビリで対峙しやすい「お尻の痛み」「脚のしびれ」を鑑別する方法についてお伝えします。

患者さんは、いわゆる“坐骨神経痛”と表現されますね。

私自身も経験の浅い頃には、その症状がどこからきているのかすごく悩んだ覚えがあります。

でもある時、自分の中で鑑別のルールをつくってからは、その対処がスムーズに進むようになりました。

腰部下肢痛の治療に悩んでいる療法士や治療家の方にお読みいただければ嬉しいです。

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似て非なる2つの病態

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腰から殿部の痛み、脚のしびれを訴える疾患には、代表的な「腰椎椎間板ヘルニア」がありますよね。

まずは腰椎椎間板ヘルニアの特徴をおさらいしますが、実は原因はそれだけではありません。

腰椎椎間板ヘルニアの特徴

腰椎椎間板ヘルニアの機序は、加齢による椎間板の退行変性や習慣的な労働、スポーツなどによって髄核が線維輪の亀裂を突破して脱出。

脱出した椎間板の腫瘤が後縦靭帯を押しあげ、また貫通することで神経根を圧迫し、腰痛・下肢痛が生じます。

ただ注意すべきは、神経根が圧迫されるだけでは、必ずしも痛みが生じるとは限らないということ。

腰椎椎間板ヘルニアに伴って痛みが生じるのには、椎間板周囲組織の炎症や筋の緊張、椎間関節の適合性などの要因も絡んできます。

理学所見

脊柱の屈曲に伴って痛みが生じたり、可動域が制限されたりしている場合に、腰椎椎間板ヘルニアが疑われます。

これは屈曲に伴い髄核が後方へ変異し、後縦靭帯や神経根の圧迫が強まるため。

下肢伸展挙上テスト(SLR)を行うと、挙上初期(20〜30°)で坐骨神経に沿った症状が再現されます。

神経根圧迫による所見

傷害される神経根の支配領域によって、腱反射・感覚・筋力に所見が現れます

L3/4椎間板高位ではL4神経根が傷害され、膝蓋腱反射の減弱/大腿四頭筋の筋力低下/膝内側の感覚鈍麻が生じます。

L4/5椎間板高位ではL5神経根が傷害され、前脛骨筋や長母趾伸筋、長趾伸筋の筋力低下/下腿外側〜母趾の感覚鈍麻が生じます。

L5/S1椎間板高位ではS1神経根が傷害され、アキレス腱反射の減弱/下腿三頭筋や長母趾屈筋、長趾屈筋の筋力低下/足底外側〜小趾の感覚鈍麻が生じます。

ほんとうにヘルニア瘤が症状に影響を及ぼしているのかどうかは、これらの兆候が現れているのかどうかをチェックするのが重要。

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梨状筋症候群の特徴

Gerd AltmannによるPixabayからの画像 

腰椎椎間板ヘルニアと似たように、坐骨神経に沿った痛みやしびれを生じる病態として「梨状筋症候群」があります。

梨状筋症候群は,梨状筋をはじめとする股関節外旋筋群と坐骨神経との間の絞扼性末梢神経障害。

症状は殿部に限局する疼痛や下肢に放散する疼痛・しびれ・感覚障害を特徴として、座位や長時間の立位保持、歩行などに制限をきたします。

発生機序には下記の要因が考えられています⏬

  • 梨状筋の解剖学的変異、攣縮などによる梨状筋と骨盤外壁との圧迫固定
  • 内閉鎖筋・上下双子筋による後方への圧排によるもの
  • 股関節の手術や外傷後の坐骨神経周囲の癒着など

その多くに共通して梨状筋が過剰な筋緊張を呈している所見がみとめられます。

理学所見

坐骨神経は梨状筋の深層をかいくぐるように走行

梨状筋症候群の特徴として、立位での体幹伸展で症状が現れます。これが腰椎椎間板ヘルニアとの違いの一つ(腰椎椎間板ヘルニアでは屈曲で痛み)。

またしびれや感覚異常を訴えることがありますが、その範囲がデルマトームに一致しないのも特徴。腱反射もノーマル。

足趾や下肢の筋力低下がみられることがありますが、これは筋促通アプローチなどで即時的に回復する場合が多いです。

梨状筋症候群の鑑別テスト

梨状筋症候群の鑑別に以下のテストが有用です。

  • フライバーグテスト(Freiberg’s test)陽性:背臥位にて股関節90°屈曲位からさらに屈曲内旋を強める
  • 股関節内旋可動域制限
  • 股関節内旋位でのSLRで症状再現
  • 梨状筋の圧痛

立位や伸展時の症状がメインで、神経根の支配領域に一致しない、鑑別テスト陽性などの所見が確認できれば、梨状筋症候群の病態だと鑑別するようにしています。

病態を鑑別できれば、アプローチが変わる

患者にとっては同じ腰部殿部の痛みや下肢のしびれですが、病態に応じてそのアプローチはまったく別なものになります。

梨状筋症候群だと鑑別されたら、治療アプローチとしては、梨状筋そのものの緊張を和らげることを図ります。

またスウェイバックといった、上半身重心の後方変位姿勢を呈していると、骨盤周囲の筋緊張亢進につながりやすいので、姿勢制御アプローチも重要となります。

臨床で結果を出すためにも、病態鑑別につながる臨床推論を磨いていくのが大切ですね。

参考文献

  • 大山史朗:体幹柔軟性の回復が梨状筋症候群に及ぼす影響.臨床と理学療法3:2016.
  • Robinson, D.: Piriformis syndrome in relation to sciatic pain. Am J. Surg., 73: 355-358, 1947.
  • 本間光正:骨盤外坐骨神経障害−梨状筋症候群−.神経内科18:560-566,1983.
  • 川谷義行:骨盤出口部における絞扼性神経障害(梨状筋症候群を含む)の診断と治療.関節外科21:65−74,2002.

 関連

本ブログでは、管理人が整形外科での臨床経験や大学院での研究成果にもとづいて、運動器疾患の臨床推論・理学療法アプローチの情報をお届けしています。

以下の記事も合わせてお読みいただくと、腰痛治療や姿勢制御のメカニズムを理解するのにお役立ていただけます。

 

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