- ネガティブな性格を改善したい
- 何にでも前向きに頑張れるようになりたい
- ストレスに強くなりたい
そう思って努力をしても、「なかなか上手くいかない」、「自分はダメだと思ってしまう」といった悩みを抱えていませんか。
本ブログでは、日常的なストレスから心と体を元気に保つ方法として、感情のコントロールやストレスの捉え方を変える方法をオススメしています。
ただ、なかなか考え方を変えられないという方もいます。その場合は、無意識のうちに「認知のゆがみ」に陥っているかもしれません。
「認知」とは、「ものの見方、とらえ方」のこと。
認知のゆがみに気づき、考え方のパターンを変えることで、ポジティブ思考やストレスに負けない心を手に入れることができます。
今回は、認知のゆがみ 10パターンを取り上げ、それを解消する方法をご紹介します。
認知のゆがみ とは
認知のゆがみ(Cognitive distortion)とは、誇張的で非合理的な思考パターンであり、抑うつや不安といった精神病理状態を持続させやすいといわれます。
アメリカの精神科医で、うつ病の認知療法の創始者であるアーロン・ベックと、デビッド・D・バーンズによって確立された概念。
認知のゆがみがあることで、現実を不正確に受け取り、ネガティブな思考や感情を引き起こしやすくなります。
ストレスを溜める人が陥りやすい、「認知のゆがみ」10パターン
全か無か思考(all-or-nothing)
ものごとを「白か、黒か」「正しいか、誤りか」の二分法で受け止め、そのグレーゾーンを認めない。100点でなければやる意味がないと考える完璧思考もその一つ。“常に”、“すべて”、“決して”などのが口グセ。
(例)
大事なプロジェクトだから、失敗は決して許さない。
一度あんなミスをしたから、あいつは嫌いだ
100%の準備状態でないから、今取りかかるのは無駄だ
一般化のし過ぎ
たった一度でもよくない出来ごとや経験があると、「いつも」「絶対に」というように一般化して考える。
(例)
いつも自分はうまくいかない
絶対、あいつは自分を嫌っている
心のフィルター
全体のうち、たった一つのよくないことだけに目を向けて、クヨクヨと考える。そのほかの楽しかったことや嬉しかったことを無視してしまう。
(例)
体の症状が10個あり治療したけど、一つだけ残っているから、自分は体調が悪い。
(デートは楽しかったのに)道を間違ってしまったから、最悪だ。
マイナス思考
いいことを認めず、悪いことにすり替えて考えてしまう。誰かが自分をポジティブに評価してくれても、それを認めない。
(例)
今回の結果は、どうせまぐれだ
そんなのは成功じゃない、誰でもできる。
結論の飛躍
たしかな根拠もなく、将来について悪い結果を予測している。人に対しては、心の読みすぎ。ものごとに対しては、先読みの誤り。
(例)
起業で失敗したら、借金まみれになる。
誰も私のことを理解してくれないから、もう何も説明しない。
拡大解釈(破滅化)と過小評価
実際よりも、失敗やわるいことを大きく重要に考え、成功やよいことを小さく考える。「全か無か思考」や「マイナス思考」とも似ている。
(例)
伝言を忘れてしまった、彼女はもう私を信用してくれないだろう
上司が話しかけていたから、選ばれるのは彼だろう(自分がすばらしい成果を上げていても)
感情的決めつけ
自分の感情が事実だと考える。それが正しいかどうかを深く考えずに、事実だと思いこんでいる。
(例)
自分が間違っている気がする
不安だ、きっと失敗する
なんか調子よくないから、病気に違いない
〜すべき思考
「すべき」「しなければ」「する必要がある」「する義務がある」と考えやすい。もしうまくいかなかったり、やらなかった時に罪悪感を感じる。もしくは、他の人がやらなかった時に怒ったり恨んだりしている。
(例)
先週までに仕上げるべき仕事だったのに
嫁として、早起きする必要がある
レッテル貼り
たった一度のうまくいかなかったことで、マイナスのレッテルを貼る。
(例)
彼の考えていることがわからなかった、俺はバカだ
そんなことも知らないなんて、あの部下は使えない
個人化(自己関連づけ)
実際には自分にまったく関係ないことでも、自分を責めたり、自分の役割を否定したりする。
(例)
私がもっと若ければ、うまく対処できたのに
私が助言していれば、彼はそんな失敗はしなかったのに
☆「認知のゆがみ」について最も有名なのは、バーンズが著した『フィーリングGoodハンドブック』であり、これらの認知パターンを学び、かつ除去する方法が解説されています。
認知のゆがみをチェックする
事実を不正確に受け止めてしまい、精神的なストレスや自律神経の乱れにつながる「認知のゆがみ」。
まずは、この思考のクセをチェックしてみましょう。
認知のゆがみに気づくためには、自分の考えていることや感じたことを書き出してみるのをおススメします。
文字として見える化することで、自分を冷静に見つめ直すきっかけになります。
また、性格傾向診断(認知の歪みチェック)のようなウェブ上の診断ツールも利用できます。いくつかの質問にチェック方式を回答すると、あなたの「認知のゆがみ度」が判定されます。
☆考えを書き出すときには、ネガティブなもの、ポジティブなものの両面に目を向けてみましょう→【3行だけ】ストレス解消に役立つ「日記」の書き方
認知のゆがみを修正する4ステップ
自身の認知のゆがみをチェックすると、「自分には、こんな考え方のクセがあったのか」と気づくことができます。
認知のゆがみ=病気というわけではありませんが、放置すると精神的なストレスを抱えやすく、ひどいときには自律神経のバランスを崩す要因にもなります。
認知のゆがみを修正するには、次のような過程をふむのが効果的。
- 根拠を探す
- 矛盾を探す
- 新たな考え方を探す
- 検証する
根拠を探す
イライラや不安、怒りなどネガティブな気分になったときに、その事実となる根拠を探します。
何を根拠に、わたしはそのように考えたのだろう?
それを裏付ける根拠はあるのか?
矛盾を探す
自分が考えていたことと矛盾する根拠や、見落としている情報はないかを探す。認知のゆがみに陥っていないかをチェックする。
自分の考えと矛盾する事実はないか?
自分の考えを書き出して、整理してみよう
認知のゆがみパターンをチェックしよう
新たな考え方を探す
自分とは別な考え方がないか、できるだけアイデアを出してみましょう。どんな突飛なことでもok
他にどんな考え方・とらえ方ができるだろうか?
自分と同じ立場の人がいたら、どうアドバイスするだろう?
自分の考えは、果たして本当にそれほど重大か?
検証する
新たな考えの中から、「もっとも役立つ」「合理的だ」と思ったものを一つ選び、しばらくその考え方にもとづいて過ごしてみましょう。自分の気分や周囲の状況の変化を観察してみます。
その結果、事態が好転すれば、認知のゆがみ修正!その新たな考え方を定着させるように継続しましょう。
変化しなかったり、または悪化したりする場合には、また別の考え方を探して検証します。
大事なのは、うまくいかないときに、「やっぱり自分はダメだ、変わらない」と思わないこと。
うまくいかない場合は、「うまくいく方法のお試し期間」なのです。エジソンもこう言っていますしね。
失敗ではない。うまくいかない方法を一万通り発見しただけだ
このように、自分の認知を見直し、新たな考え方を身につけていく方法を「認知行動療法」と呼びます。
認知のゆがみが修正されれば、自分で自分の心を軽くさせることができます。
むすびに
いかがだったでしょうか。
精神的なストレスや人間関係にも影響を及ぼす「認知のゆがみ」について、そのパターンとチェック法、修正法についてご紹介しました。
ぜひあなたが、毎日を心地よくお過ごしいただくのにお役立ていただければ嬉しいです。
☆感情のコントロールについて深掘りするならこちら→【開放せよ】感情をコントロールして、ストレス解消する簡単な方法
☆こちらの本は、認知のゆがみと体のゆがみの関係について解説されています。新書なので、サクッと読みやすい内容。ふだんから実践しやすいストレッチ法も豊富。