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坐骨神経痛

「坐骨神経痛」の正体は⁉️「梨状筋症候群」可能性も

「寒くなるとお尻が痛くなって…坐骨神経痛かな」「お尻をテニスボールでコリコリすると気持ちいいのよ」という声をお聞きします。

あなたは、「坐骨神経痛」と聞いて、「坐骨神経が何か悪さをしている」というイメージをお持ちではないでしょうか。

しかし坐骨神経痛は、症状の総称であって、病名ではありません。

坐骨神経痛の原因は、若年壮年者では「腰椎椎間板ヘルニア」が多く、高齢になると「脊柱管狭窄症」が多いと言われます。

本来の腰椎椎間板ヘルニアの臨床症状は、障害神経根が支配する筋の筋力低下、反射異常、デルマトームに沿った感覚障害と疼痛です。

しかし中には、「腰には問題ない」と言われたり、「ヘルニアの臨床症状と一致しない」場合があります。

こんなとき、坐骨神経痛を引き起こすもう一つの病態に、「梨状筋症候群」があります。

私は理学療法士としてリハビリの現場で働く中で、梨状筋症候群による坐骨神経痛を生じている場合が少なくない印象をもっています。

今回は、坐骨神経痛を引き起こす病態の一つ、「梨状筋症候群」について、その原因と解決法についてまとめます。

坐骨神経に何が起きているのか?

坐骨神経は、脊髄の腰部分から出て、骨盤内でお尻(股関節)の深層を通り、脚先へと続いていきます。

お尻の深層で、坐骨神経の表層を「梨状筋」が横断します。梨状筋は骨盤と大腿骨をつなぐ筋の一つです。人によっては、坐骨神経が梨状筋を貫いて出てきている場合もあります。

坐骨神経は梨状筋の深層を“かいくぐる”ように通っている。

何らかの理由により、梨状筋が深層を走る坐骨神経を物理的に圧迫してしまいます。圧迫された坐骨神経は、虚血状態(神経に供給される血血流が滞り、酸素や栄養素が細胞に届けられなくなる)に陥り、痺れや痛みなどの症状を発症します。

圧迫される理由は以下のようなものが挙げられます。

  1. 梨状筋の解剖学的変異
  2. 攣縮などによる梨状筋と骨盤外壁との圧迫
  3. 股関節の手術や外傷後の坐骨神経周囲の癒着

その多くに共通して、梨状筋の緊張(筋緊張)が過剰に高まっている所見がみられます。

梨状筋の過剰な筋緊張による坐骨神経の圧迫症状、これが「梨状筋症候群による坐骨神経痛」の正体です。

専門用語では、「絞扼性神経障害」といいます。「絞扼」とは、「締め付けられる、圧迫される」という意味です。

つまり、坐骨神経は「被害者」なのです。

なぜ「梨状筋」の緊張が高まるのか?

では、坐骨神経を圧迫する「梨状筋」が悪者なのでしょうか。梨状筋をゴリゴリとほぐせば解決するのでしょうか。

そうは問屋が卸しません。

梨状筋の緊張が高まるのにも、ちゃんとした「理由」があるのです。

臨床現場では、梨状筋症候群と思われる患者さんで、背中の筋肉がカチコチに固まり、体幹の柔軟性が低下している方をよく目にします。

梨状筋症候群の背景に、体幹を中心とした姿勢制御の問題が存在していると考えられます。

そもそも全身の骨格筋は、バランスのよい姿勢を維持するために必要な緊張を維持しており、この緊張は「姿勢筋緊張」と呼ばれます。姿勢筋緊張によって身体重心を適切にコントロールすることで姿勢を保持しているのです。

*身体重心のコントロールについては、コチラもご参考下さい「“背骨”を動かして健康になる。Part 2(その1):動作に必要な力の源となる

体幹の背部筋が過剰に緊張することで、その緊張に引っ張られるように上半身重心が後方(背中側)に偏位します。

上半身重心が後方へ偏位するのに対応して、骨盤は前方(お腹側)へ偏位し、かつ後傾した(お尻の落ちたような)格好となります。

身体の前後で体重のバランスを取るための戦略といえます。

ただこの姿勢は「スウェイバック(sway-back)姿勢」と呼ばれ、不良姿勢の典型でもあります。

このとき梨状筋をはじめとしたお尻(股関節)の深層の筋は、過剰な緊張を強いられるのです。前方へ偏位しようとする骨盤を、梨状筋たちが後ろからブレーキ役として制御しているのです。この筋緊張によって、骨盤がどこまでも偏位していくのを制動しています。

こうした姿勢変化に対応した梨状筋の緊張が持続することで、その深層を走行する坐骨神経を物理的に圧迫してしまい、痺れや痛みを生じさせます。

詰まるところ、梨状筋の過剰な緊張を招くような姿勢変化が根本の問題といえます。そのような姿勢変化は、体幹背部筋の緊張と、それによる体幹柔軟性の低下により引き起こされます。柔軟性の低下した体幹では、緻密な重心のコントロールが出来なくなります。

これが梨状筋症候群の真の原因、症状発生の機序と考えられます。

梨状筋症候群の治療は?

梨状筋症候群の治療は、坐骨神経を圧迫している梨状筋の過剰な緊張を和らげる必要があります。

そのためには何よりも、姿勢変化の原因となっている体幹背部筋の筋緊張を正常化し、体幹柔軟性を取り戻すことです。

体幹柔軟性が回復すれば、重心バランスを取るために骨盤を偏位させて対応する必要がなくなり、梨状筋などの骨盤・股関節周りの筋が過剰に働かなくても済むようになります。梨状筋の筋緊張が正常化すれば、坐骨神経の物理的な圧迫が解除され、症状緩和が図られます。

梨状筋の緊張を和らげる手法として、梨状筋のストレッチや、ボールなどの器具を用いたダイレクトなマッサージなどが紹介されることがあります。しかしながら、症状発現に至った根本原因を解消しない限り、発症と寛解(症状が一時的に鎮まること)を繰り返すことに終止します。

まとめ

坐骨神経痛を生じさせる病態の一つ、「梨状筋症候群」について、姿勢制御の観点から症状発現の機序と治療法についてまとめました。

体幹背部筋の過剰な緊張によって体幹の柔軟性が低下すると、上半身重心が後方に偏位し、それに続いて骨盤の前方偏位・後傾が生じます。その姿勢変化を制動するために梨状筋などの深層筋の緊張が高まります。梨状筋によって坐骨神経が圧迫されることでお尻から脚にかけて痺れ・痛みを生じます。

梨状筋症候群の治療法は、直接的に梨状筋の緊張を和らげるだけでなく、その過剰な緊張を招いた姿勢変化の改善、つまり背部筋の緊張正常化による体幹柔軟性の回復が大事になります。

背骨を中心とした体幹をよく動かして、その柔軟性を保ちましょう!

最後までお読みいただきありがとうございます。

*ご注意:治療にあたっては、まず「腰椎椎間板ヘルニア」や「脊柱管狭窄症」などの病態との鑑別が重要になります。自己判断せずに、やはり一度整形外科の受診が薦められます。

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