こんにちは、大山ふみあきです。
- 最近、なんとなくうまくいっていない
- 何かやらなきゃと思うけど、焦るばかりで手につかない
- 人と会ったり話したりするのが億劫に感じる
- SNSで人の投稿を見ると、気持ちが沈んでしまう
- 何かを選ぶときにいつも迷って、なかなか決められない
…そんなふうに自信がもてなくて行動できなかったり、他人の様子が気になったり、メンタルが乱れやすくなったりしているのは、もしかしたら「自己肯定感」が下がっているせいかもしれません。
「自己肯定感」とは自分の短所や弱み、悪いところも含めてありのままの自分を認め、受け入れる。他人と比べるのではなく、「自分はこれでいいのだ」と自分を認められている状態です。
心理学的には、「自分にYESと言える状態」だといわれます。
自己肯定感は精神的な落ち着きや人間関係、目標達成、幸福度などに影響し、私たちが有意義で幸せな人生をおくるのに欠かせない感覚。
自己肯定感が下がっていると、うつ病や不安症のリスクが高まる(*)こともわかっています。
「自己肯定感」という言葉は最近、よく見聞きするようになり、書店でもそのコーナーができてさまざまな書籍が平積みされています。
それほど今の日本で、自己肯定感に悩む人たちが多いということでしょうか。
ただ「自己肯定感」という言葉ばかりが目立って、なんとなく“自信をもてない、自分を好きになれない”みたいな状態だとイメージされているところもあります。
“自分は自己肯定感が低いからダメなんだ”、“あの人は自己肯定感が高いから成功しているんだ”など、誤って認識していることで、ますますネガティブな思考や感情にとらわれてしまいます。
そうではなくて、私たちが自ら自分の人生を切り開き、幸せに生きるためには「自己肯定感」と正しく向き合うことが大事です。
そこで今回は、
- 「自己肯定感」って、そもそも何なの?
- 自己肯定感は、誰にとって必要なの?
- 自己肯定感が高いと、どんなメリットがあるの?
- 自己肯定感を高くするには、どうすればいいの?
など、以外とよく知らない「自己肯定感」について正しく理解し、自己肯定感をうまく使って生きやすくなる方法についてまとめます。
「自己肯定感」とは? “自分にYESと言える”技術を知る
「自己肯定感」という言葉は、臨床心理学者で立命館大学名誉教授の高垣忠一郎氏が1994年に、著書『大事な忘れもの―登校拒否のはなし』のなかで初めて提唱した概念です。
高垣氏は子どもを対象としたカウンセリング経験から、個性の薄い子どもたちの様子を説明する言葉として「自己肯定感」を用いたとされます(*)。
実際に内閣府による調査(2018年)では、日本の若者は諸外国の若者と比べて、自己評価や自分に対する満足度がワーストレベルに低いという結果が出ています。
おのずと自己肯定感が低い状態で社会に出て、働いている大人たちにも自己肯定感が低いままでいると予想されます。
日本人の自己肯定感が低い背景には、現代の日本は他者や社会からの称賛や評価が重視され、自己肯定感が育ちにくい環境にあることが指摘されています。
たしかに「親や先生からほめられるから頑張る」「できないと怒られるから、失敗しないようにする」というマインドでは、「私はいまの私で大丈夫!」「自分でやりたいことを決めて、動く」という状態にはなりにくいですよね。
では大人になった私たちは、もう自己肯定感を取り戻すことは手遅れなのでしょうか?
大丈夫です。
心理カウンセラーで自己肯定感の第一人者である中島 輝氏は、著書『何があっても「大丈夫。」と思えるようになる 自己肯定感の教科書』のなかで
自己肯定感は人生を切り開く力になります。
そして、自己肯定感は誰でもいつからでも高めることができる技術です
と述べています。
「技術」ですから、正しいやり方によって身につけることができるもの。
「最近なんとなくうまくいっていないな」「モヤモヤした気持ちが続いている」「自分の決断に自信をもてず、一歩踏み出せない」という方は、ぜひ自己肯定感を高めることで、人生を切り開いていきましょう。
自己肯定感の高い人がもつ10の強み・メリット
自己肯定感が高いと、どんなメリットがあるのでしょうか?
脳内科医の加藤俊徳 医学博士によれば、自己肯定感の高い人は次の10個の強みを持っているといいます。
【自己肯定感の高い人がもつ10の強み】
- ストレスに強い
- 仕事ができる
- 人間関係力が高い
- 怒りをコントロールできる
- 嫉妬することが少ない
- 孤独に強い
- 「集中力」と「やる気」が高い
- 失敗を恐れずチャレンジする
- 創造性に富んでいる
- おのずと成功への道が開ける
*『脳の名医が教える すごい自己肯定感』より
いずれも仕事で結果を出したり、対人関係やプライベートを充実させたりするのに直結する特徴だとわかります。
ぜひふだんから自己肯定感を高くキープし、自分の理想の人生を築いていきたいですよね!
自己肯定感をつくる「6つの感覚」
「自己肯定感」はその実、“6つの感覚”からつくられています。
その6つの感覚がこちら↓
- 自尊感情:「自分には価値がある」と思える感覚
- 自己受容感:「ありのままの自分でいい」と認める感覚
- 自己効力感:「自分にはできる」と思える感覚
- 自己信頼感:「自分を信じられる」感覚
- 自己決定感:「自分で決められる」という感覚
- 自己有用感:「自分は誰か、何かの役に立っている」という感覚
これら6つの感覚がお互いに影響しあいながら、今のあなたの自己肯定感を形づくっています。
もし今あなたが、「何かうまくいっていない」「自分を変えていきたい」と思っているのであれば、どの感覚が関係しそうですか?
「なんとなくうまくいかない」と漠然とした状態では、不安や焦りが募るばかり。
そこで自分のいまの状態を理解することで、精神的に落ち着くことができ、「それじゃ、ここからどうしようか?」と前向きに考えられるようになります。
【自己肯定感をチェック】あなたの今の自己肯定感はどうなっている?
“自分の自己肯定感の状態って、今どうなっているのかな?”と気になるかと思います。
以下の12個の質問に答えることで、今のあなたの自己肯定感レベルがわかります。
あまり深く考えず、それぞれに「当てはまる:○」「当てはまらない:✗」をつけてみてください。
- 朝、鏡を見て自分の嫌なところを探してしまっている
- SNSを開くたび、人からの「いいね」を待っている自分がいる
- 職場や学校、家庭でちょっと注意されると、深く落ち込む。立ち直るまでに時間がかかってしまう
- 自分のペースを乱されると、ささいなことでもイラッとしてしまうことがある
- ふとしたときに「無理」「忙しい」「疲れた」「どうしよう」「嫌だ」「つらい」といったネガティブな言葉がこぼれている
- 「〜しなければ」「〜すべき」と考えてしまい、行動を起こせない
- 上司から言われた何気ない一言が気になって、こだわってしまう
- やるぞと決めても、まわりの人の目が気になり、躊躇してしまうことがある
- 出かける前、1日を過ごす服選びに悩んでしまう
- 一度決めたことを、「本当にこれでいいのかな」と悩むことがある
- 新しいことに挑戦したいなと思っても、「どうせ」「自分じゃ無理」と、勝手に限界を決めてしまっている
- 電車から降りる時やエレベーターに乗る時、のろのろしている人にイライラしてしまう
*『何があっても「大丈夫。」と思えるようになる 自己肯定感の教科書』より
判定は、12個の質問のうち10個以上に○がついたら、あなたの自己肯定感はかなり低い状態。
一方で、○が5個以下であれば、自己肯定感は比較的高い状態だといえます。
このチェックで今のあなたが自己肯定感の低い状態だとしても、落ち込まないでください。
自己肯定感は後天的に高めることができますし、浮き沈みもするものです。
これからご紹介する「自己肯定感の高まる方法」を実践していただき、ぜひあなたの自己肯定感を育て、伸ばしていきましょう。
【自己肯定感を高める】勝手に自信がつく、1つだけの方法
自己肯定感を高めようとしても、「そんな急に、自分に自信なんてもてないよ」と思われるかもしれません。
ご安心くださいね。
自己肯定感は、努めて“高めよう!”とする必要はありません。
むしろ「自分はもっと自己肯定感を高めよう」と力むほど、自己肯定感は下がってしまいます。
だって今の自分ではダメだと認識しているのですから笑。
そうではなくて、自己肯定感は適した「行動」を積み重ねることで自ずと「高まっていく」ものなのです。
では、どうすればいいのかというと、
自己肯定感を高める鍵は、あなた自身の「強み」を自覚し、その強みを徹底して活かすことにあります。
VIA研究所教育ディレクターで、「強み」研究の第一人者であるライアン・ニーミック博士は、
自信を持てない人は共通して自身の強みに無自覚であり(「強みの無知 Strength Blindness」)、不安な心理状態になりやすいと述べています。
そして強みを自覚し、それを活かすことの大切さを著書『強みの育て方 「24の性格」診断であなたの人生を取り戻す』のなかで次のように述べています。
物事が順調な場合には、性格の強みを生かせば、自分や周りの人の最高の長所が見えてきます。
順調でない場合には性格の強みを使えば、抱えている問題のバランスをとって、ネガティブなものからポジティブなものへと焦点を切り替えていきます。
問題ではなく「強み」について考えることで、自分を非難しすぎることがなくなります。
美しいものや素晴らしいものへの畏敬の念を持つことで、身の回りにある素晴らしいものに気づけます。
状況を改善する方法が見つかります。
ポジティブで、美徳にあふれ、バランスがとれた健全な行動をとるきっかけになります。
〜
性格の強みは自己受容・自律性・目標達成・身体的健康・情熱・レジリエンス(適応能力、回復力)などの他の多くの利点と結びついて人生のポジティブな部分を強めてくれるのです。
最新の研究では、強みを高める手法の方が、欠点を修正する手法より効果が高いとわかっています。
『もしドラ』で一般にも広く知られることになった、経営学の世界的権威であるピーター・ドラッカーも、
強みの上に築け
何事かを成し遂げるのは、強みによってである。
弱みによって何かを行うことはできない。
できないことによって何かを行うことなど、到底できない。
*『経営者の条件』より
という言葉を残しています。
成功するエグゼクティブは皆さん、強みを活かしているのですね。
「自分にどんな強みがあるのか確信がもてない」という方へ、本書では性格の強みを24種類に分類し、その活かし方を学ぶヒントになります。ぜひご参考ください。
【自己肯定感を高める】あなたの「とっておきの強み」がわかる方法
世界190カ国、1100万人以上の人々に活用されている「強み」を知るツールとして、「VIA強みテスト」があります。
「VIA強みテスト」は「ポジティブ心理学」の提唱者であるマーティン・セリグマンと、クリストファー・ピーターソンの心理学者によって開発されました。
「VIA強みテスト」は、こちらのVIA研究所の公式サイトから無料で受けられます。
画面右上の「TAKE THE FREE SURVEY」をクリックすると、アカウントを作成し、診断テストに移ります。
所要時間は15分ほどです。
英語版なので、Google翻訳などで翻訳しながらやってみてください。
VIA強みテストを実際に受けてみたところ、私の場合は
- 向学心(学ぶことへの情熱、目的がなくとも学べぶことができる)
- 誠実さ(自分の感情や行動に責任を持つことができる)
- 親切心(自分の時間やお金、才能などを使って困っている人をサポートする)
- 愛情(人々との親密な関係を大切にする)
- 大局観(全体像を見渡す洞察力)
が、上位5つの強みであるという結果に。
たしかに本を読むのが好きですし、新しい知識を学んでいること自体に没頭しています。
その得られた知識を使って、誰かの役に立ったり、問題の解決策を提案したりするときには充実感や誇らしさを感じます。
きっとそれが「自己肯定感の高まった」状態なんですよね。
自分がすでにもっている「強み」を知って、それを日常の仕事や生活に活かす。
さらに強みをきっかけとして新しいことにチャレンジし、広げていく。
そうすることで自ずと、あなたの自己肯定感は高く、のびのびと育っていきます。
【自己肯定感】むすびに
いかがでしょうか。
今回は個性や強みを活かして自分らしく活躍したいけれど、自分を否定したり疑ったりして行動できずにいる人が、「自己肯定感」を高めることで人生を切り拓いていくための方法をご紹介しました。
あなたの中にある「強み」を自覚し、その強みを生活や仕事の中で生かしていくとき、自己肯定感は高まります。
どんな自分にも「YES」と言える、そして柔軟に変化・成長していける人生を楽しんでいただければ幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
あなたがますます自分らしく輝いていかれるのを願っています。
そのほかご質問や気になることがあれば、こちらのLINEからお気軽にご連絡ください。