仕事から帰宅したら、まずソファで一休み…
夕食後は一刻も早く寝たいから、入浴はシャワーでさっとすます…
休日は、日頃の睡眠不足を取り戻すべく、昼近くまで寝だめ…
疲労回復には、体を休めるべく、運動なんてもってのほか…
滋養をつけるために、食事ではガッツリ肉と白飯を食す…
疲れを取りたいからといって、こんな習慣をしていませんか?
実は先に上げたいずれの行動も、疲れを取るどころか、逆に体のリズムを崩し、不調・パワーダウンを招きかねません。
今回は、体にあった“正しいリラックス法”をご紹介します。
ふだんから何だから体が重い、疲れが溜まっている気がする、よく頭痛がする、仕事や読書に集中しづらい、などの不調を感じている方はぜひご参考いただければと思います。
寝だめや焼き肉は疲労回復につながらない
現代生活で感じる疲れの多くは、自律神経の疲弊に伴い、脳が機能低下に陥っているのが原因とされます。
ふだんの仕事では、交渉のため取引先との対談、上司の前でプレゼン、何時間ものパソコン作業など、緊張と集中を要するタスクが続きます。 こんなタスクに対応するため、体は交感神経の活動を高めて、戦闘態勢をとっています。
もちろんバリバリ働き、成果を上げるためには交感神経の活動は不可欠です。しかし、交感神経の活動ばかり長時間続くことが、心身の健康にとって問題ありなのです。
本来の体は、交感神経と副交感神経がいずれも高い活動レベルで安定しているもの。 交感神経の活動ばかり高まることで、血管が収縮し、血流が悪化します。
脳内の血流が低下することで、集中力や注意力の欠如を招き、筋肉の過度な緊張によって肩こりや腰痛を生じます。
つまり、真にリラックスして、明日の活動のためのエネルギーを充填するには、自律神経のバランスを整え、脳機能を回復させることが大切なのです。
冒頭のやりがちな習慣はいずれも、自律神経のバランスを乱すほうに働きます。 その結果、疲れを取るどころか、むしろ体のリズムを崩し、その後のパフォーマンスが低下してしまいます。
真にリラックスするカギは、自律神経のバランスを取り戻すこと
一日の仕事や活動で疲弊した自律神経の機能を回復させるー交感神経の過活動を鎮めるーには、次のような方法が効果的です。
帰宅したら、まず軽い家事をこなす
帰宅してすぐソファに横になるよりも、家事など軽い負荷の運動をすることで、筋肉が収縮・弛緩し、血流が促されます。 とくにデスクワークや車移動の多い方は、下半身を動かしながらの作業がオススメです。
また無心で手を動かす作業は、ヒートアップした脳を鎮め、冷静さを取り戻すのにも役立ちます。
休日の寝だめよりも、平日の睡眠時間を確保する
休日の寝だめは体内時計を狂わせ、休み明けに体の重だるさを感じるなど、パフォーマンスを低下させてしまいます。 むしろ日々の生活で十分な睡眠時間ー6時間以上が望ましいーを確保するよう、生活リズムを調整しましょう。
*睡眠による恩恵はこんなにもたくさんあります→「日中を元気に過ごせる!寝ることで得られる5つの効果」
適度に体を動かす
ウォーキングやストレッチなど適度な運動をすることで血流が促され、凝り固まった筋肉がやわらぎます。 また有酸素性運動によって心肺機能を高めることは、自律神経のパワーアップに直結します。
ビタミンやミネラル、食物繊維を豊富に含む食品を摂る
暴飲暴食や動物性食品に偏った食事、早食いなどは、胃腸の消化機能に負担をかけ、腸内環境を悪化させます。 食事はバランスよく、よく噛んで、ゆっくり味わってください。
食物繊維は腸内細菌のエサとなり、腸内環境を整える助けとなります。 脳内で作用するセロトニンやドーパミンといった神経伝達物質は、腸内で生成されます。 腸内環境が整うことで、脳機能の回復や心の健康にもつながります。
*腸と脳の密接な関係はこちら→ 『腸は脳よりも賢い⁉︎(2)「脳−腸 連関」の仕組み』
夕食は就寝の3時間前までにすませる
食べた後すぐ寝てしまうと、胃腸の休まる暇がなく、睡眠の質の低下や自律神経の乱れを招きます。 夕食は、消化時間に余裕をもって、就寝の3時間前までには済ませるようにしたいですね。
仕事の都合で帰宅時間が遅くなる場合は、夕方に間食をとって、夕食は軽めに済ませるとよいです。
*間食はナッツ類やハイカカオチョコレート、チーズなどがオススメ→「血糖値」のコントロールがすべての鍵!「医者が教える食事術 最強の教科書」書評
ややぬるめのお湯にゆっくりつかる
お湯につかる習慣は、日本の誇るべき疲労回復手段であり、これを活用しない手はありません! 温熱、水圧、浮力の力によって、筋肉の緊張がやわらぎ、体の深部まで温まります。 その結果、血流が促されて、抜群の疲労回復、自律神経機能回復がもたらされます。
その日の疲れは、その日のうちに解消し、明日へのエネルギーを満たしてください🌈🌈🌈