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加齢による心身の変化<フレイル,サルコペニア,ロコモ>を予防する!

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ひとは加齢に伴って,こころとからだにさまざま変化を生じます.具体的にはコチラ↓↓
加齢に伴う心身の変化<フレイル,サルコペニア,ロコモの違い>を丸ごと理解! | こころとからだの健康掲示板

その変化は誰しも避けられませんが,病的に進行するのが問題です.さらに,平均寿命と健康寿命のギャップ(=日常生活に何らかの支障をきたした状態)を埋めることが,超高齢社会を進むわが国の喫緊の課題となっています.

健康寿命を伸ばし,歳をとっても自分らしい生活を送るためには,予防と早期発見&早期介入が重要です.そこで今回は,加齢に伴うこころとからだの変化に対する予防,介入法をご紹介いたします.

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フレイル,サルコペニア,ロコモを予防する

大原則は,「栄養」と「運動」

加齢に伴って食事摂取量や運動量が減少することで,骨格筋量が減少する「サルコペニア」が進行します.サルコペニアは,身体的フレイルの中核をなす状態であり,進行すると「筋量減少→疲れやすい→活動量減少→引きこもり→体力低下→…」という悪循環を招きます.

サルコペニアや身体的フレイルの予防と早期介入には,十分なカロリー補給とタンパク質摂取,運動療法が大原則です.

骨格筋量を維持するには,高齢者であっても1日に体重1㎏あたり1.0〜1.2㎏のタンパク質の摂取が必要です.すでにサルコペニアの基準をみたす場合には,1.2〜1.5㎏の摂取が奨められます.ただし重度な腎機能障害があると,タンパク質の摂取が制限される場合があるので,主治医の確認が必要です.

タンパク質

タンパク質を摂取するうえで意識したいのは,さまざまな食品からバランスよく摂取するということです.

そもそも私たちの身体を構成する20種類のアミノ酸(=タンパク質の構成要素)のうち,11種類は体内で合成することが可能な「非必須アミノ酸」であり,9種類は体内で合成することのできない「必須アミノ酸」と呼ばれます.9種類の必須アミノ酸は食品から摂取する必要がありますが,食品によって必須アミノ酸の含有量が異なるのです.偏った必須アミノ酸ばかり摂取していても,タンパク質の合成は非効率なのです.

*私たちがバランスよく食べることの重要性は,次のほんで分かりやすく解説されています.書評はコチラ→『「動的平衡」で語られる生命の本質<読書評>』

タンパク質と合わせて,ビタミンDの摂取も大切です.ビタミンDは丈夫な骨を作るのに不可欠な栄養素です.ビタミンDは小腸や腎臓でカルシウムとリンの吸収を促し,それによって血液中のカルシウム濃度を保ちます.ビタミンDが不足すると,骨粗しょう症をきたしやすくなります.ビタミンDは,日光にあたることでも体内で合成されるので,適度な日光浴も有効です.

 

 

筋肉量や筋力を維持し,自立した生活を維持するために,運動が大事なのは言うまでもありません!厚生労働省は,「+10(プラス・テン)から始めよう」を合い言葉に,現在よりも10分多く体を動かすよう奨めています. 目標は,18〜64歳の方で60分,65歳以上の方で40分です.

運動の種類は,タンパク質の合成を促し,筋力アップにつながるレジスタンス運動(筋力トレーニング)と,移動能力を向上させる有酸素性運動を組み合わせて行うのが有効です.

*高齢者にも安全に筋力トレーニングを行う際の負荷設定はコチラ→『医学的に安全な「筋力トレーニング」』

そうは言っても,「運動が苦手,運動経験がない,長続きしない」という方には,「ちょこちょこ動く」「〜ながら動く」ことをオススメします.いつもの生活の中に,筋肉を使う動きを取り入れていくのです.

例えば,エレベーターよりも階段を使う,歩いて通勤する,こまめにイスから立ち上がる,ネット注文よりもリアルスーパーにいく,などを心がけます.

運動習慣

意識して階段を使うことも,立派な運動です!

ロコモ予防はセルフチェックと,運動器疾患の診断から

ロコモティブシンドローム(運動器症候群.通称ロコモ)のリスクを早めに見つけるには,次の「ロコチェック」があります(7つの項目に1つでも当てはまればロコモの心配あり).

  1. 片脚で靴下がはけない
  2. 家の中でつまずいたりすべったりする
  3. 階段を上がるのに手すりが必要である
  4. 家のやや重い仕事が困難である(掃除機の使用,布団の上げ下ろしなど)
  5. 2kg程度の買い物をして持ち帰るのが困難である(1リットルの牛乳パック2個程度)
  6. 15分くらい続けて歩くことができない
  7. 横断歩道を青信号で渡りきれない

ロコモの心配がある方に対して日本整形外科学会が奨めるロコトレには,「スクワット」「片脚立ち」があります.

ロコモには関節や筋肉の痛みを伴う場合も少なくありません.「これくらいの痛みなら大丈夫」「歳のせいだから」とあなどらずに,早めに整形外科を受診することをオススメします.医師の診断のもと,一人ひとりの状態に合わせた適切な理学療法などを受けることが進行予防や早期回復(痛み緩和,身体機能回復)にとっても重要です.

理学療法

社会とのつながり(=参加)を維持する

フレイルの中には,独居や貧困などの社会的要素も含まれます.社会的フレイルは,続いて精神・心理的フレイルや身体的フレイルへと進行するリスクを高めます.

仕事以外にも,人と関わる趣味やボランティア活動,地域行事などに参加し,社会とのつながりを続けるのがフレイル予防に大切です.また,新しいことにチャレンジしたり,ワクワクすること・好きなことに取り組むのも,脳への刺激となり,精神・心理状態を健康に保つのに役立ちます.

口腔ケアで「噛む」力を残す

十分な栄養摂取のためには,「噛む力」も大切です.噛む力が衰えると,食欲低下や嚥下(飲み込み)機能障害につながり,低栄養からサルコペニアや身体的フレイルをまねきます.

厚生労働省と日本歯科医師会は,“80歳になっても20本以上の自分の歯を保つ”ことを目指す「8020(ハチマルニマル)運動」を推進しています.今のうちから定期的に歯科受診する,高齢期には義歯の調整歯周病予防,口腔ケアなどが重要です.

歯科治療

感染予防

フレイルは,さまざまな生理機能が変化することで,生理的予備能力が低下した状態です.「生理的予備能力」とは,運動時やストレスがかかった時に働く,身体状態を維持する機能です.

免疫力の低下した高齢者では,若い頃なら問題なかった病原菌に感染,発症しやすくなったり(=日和見感染),重症化しやすくなったりします.一度発症すると,回復が遅れ,あっという間に体力低下から要介護状態に陥るリスクもあります.

ワクチンの予防接種や,日頃からの感染予防策(手洗い,うがい,温度・湿度管理,十分な睡眠,入浴など)を心がけましょう.

*一流の医師が奨める風邪の予防策はこちら→『絶対に休めない人のために!医学的根拠に基づいた「風邪」の対処法<書評>』

結びに

加齢に伴うこころとからだの変化<フレイル,サルコペニア,ロコモ>を予防,早期介入する方法をご紹介しました.

  • 十分な栄養と適度な運動をベースとしつつ,社会とのつながりを維持していく
  • 日頃から検診を受けて予防につなげる
  • 関節疾患などを発症した場合には,早めに病院を受診をして,リハビリテーションに取り組む

人は変化を嫌い(現状維持を好む),「自分は大丈夫だろう」と思いこむ生きものです.しかし歳をとっても,住み慣れた場所で,自分らしく生活を続けていくには,日頃からの(健康のための)ちょっとした心がけ,予防,早期発見&早期介入が何より,あなたの助けとなります.

最後までお読みいただきありがとうございます.

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